映画レビュー
痛すぎる、でも父親の心はこの程度の痛みではない
グロ耐性がないと耐えられない映像がひたすら続く。
でもただの猟奇や快楽目的の拷問ではなく、愛する子供を殺された父親の恨みなんですよね。
痛みにもだえる殺人者(主人公の弟)に対して、これっぽっちも同情は沸かない。むしろ、主人公の拷問に邪魔が入らないかを心配してしまう。
最後、主人公の母親が主人公を平手打ちしてたけど、いやいや元々はお前の息子がこの人の子供を殺してんだよ!と腹が立った。
主人公が殺人までは行わず、拷問の刑に服すというラストには、ほっと一安心。
まあ目に悪い
主人公の弟がレイプ魔で、自分の(元妻の)娘までターゲットにされ殺されてしまう。
そこから弟を閉じ込めて延々と拷問、という話。主人公一人の心理にスポットを当てている。感動は全く無くて、絶望と虚無感に浸れる。
ただ拷問描写がメインではないし、主人公が最後まで狂うわけでもないし、幻の娘に止められた形で無難に終わった。娘が親の板挟みになりかけていたので元妻との人間関係も描くのかと思ったら華麗にスルー。
娘および他の被害者たちが受けた凄惨さは文字(弟の書いた日記)で、加害者への拷問は映像で描くので途中からどうしてもギャップが出てくる。描写したくても大人の事情で無理だろうけど。つまり延々と拷問していると「さすがにやりすぎ」という心理に。
それもあって弟の演技が下手に見える。というのも喉が潰れて喋れなくされているので最後まで痙攣するか奇声を発することくらいしかできない。弟の悪事は主人公が読み上げる日記でしか伝わらず、ここは映画として残念に感じた。弟役のクリスチャン・ラドフォードが有名じゃなさそうなので本当に演技下手なだけかもしれない。
娘をやられた側からすれば殺すだけでも足りない。その足りなさを映画でどう表現するか、実際に自分が主人公ならどうなってしまうのかを探求したい気持ちはある。この映画では狂って終わりや殺して終わりにせず、死んだ娘が止めた。脳裏に映って最後の一撃の力を失ったに近い。
幻が差し伸べた救いは嘘か真か。
ぎぃやぁぁぁぁ!!!!もっとやれぇぇぇ!!!!(`;ω;´)
思ってたんと違った…。泣かすなよ…。
まず、言い訳をさせてくんさい。星5をつけたのは私がグロゴア好きかどうかとか関係なく、良い映画だったなぁと、単純に思ったからです。……ん……?そもそもこれを良い映画と言えるってことはグロゴア耐性があるってことかしら?こういうのが好きなのか?私は。よくわからなくなってきたところで感想を。
前半、娘との思い出。中盤、娘を失った悲しみ。後半、みんなお待ちかねの大拷問!といった具合にパート分けされております。中盤までのお話で、主人公のパパさんの怒りや悲しみをしっかり植え付けてくれます。そのおかげで怒涛の拷問パートは応援しながら観れました。
邦題が「拷問男」。真っ先に思い浮かんだのは、日本の映画の「グロテスク」。あれが大丈夫な人ならこちらも大丈夫です。ただし、「グロテスク」はストーリーがほぼ無く、拷問描写に振り切っているのに対し、「拷問男」はストーリーがしっかり有ります。ですので、視覚的に痛いだけでなく、心も痛くなります。誰も救われない、悲しいお話です。
怒れるパパさんの悲しみに寄り添うような音楽が素晴らしかったです。それもあってラストシーンは不覚にも泣かされました。グロい面ばかり注目されている映画ですが、それだけではなく、パパさんの感情をしっかり表現してくれています。
グロや痛い描写が苦手な人には全くお勧めできないです。でも、その壁を乗り越えられたら、この映画の本質が見えてくるかもしれません。偉そうなこと言ってる私はよく分かっていません。でも良い映画です。