キングメーカー 大統領を作った男のレビュー・感想・評価
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中学生の頃、ラジオ韓国の日本語放送にハマった身としては、これは朴正...
中学生の頃、ラジオ韓国の日本語放送にハマった身としては、これは朴正煕や金大中だろうなあと思わせるシーンに、一種の懐かしさも感じた。あの爆弾事件、自作自演なのかKCIAの工作だったのか、真相は最後まで分からずしまいだ。おそらく今でも闇の中なんだろう。韓国の大統領は引退しても平穏な人生を全うできない気がするが、日本でも、我々からは見えないところで、こういうドロドロした行為が行われているのかもしれない。田中角栄さんが晩年おかしくなっちゃったのも、某諜報機関の陰謀工作だったという可能性も?
騙し、裏切り、嘘をつき・・・
韓国の江原道で薬局を経営してたソ・チャンデは、世の中を変えたいと野党・新民党のキム・ウンボムを応援し、61年にウンボムの選挙事務所を訪れ、選挙に勝つための戦略を提案した。その結果、ウンボムは補欠選挙で初当選を果たし、63年の国会議員選挙では地元で対立候補を破り、若手議員として注目を集めるようになった。その後もチャンデは影で活躍したが、選挙に勝つためには手段を選ばないチャンデに、理想主義者のウンボムは方向性の違いを感じるようになりチャンデを首にしてしまった。そして、チャンデは大統領選でキム・ウンボムの対立候補の選挙参謀となり、当選させた。
第15代韓国大統領・金大中(キム・デジュン)と彼の選挙参謀だった厳昌録(オム・チャンノク)の実話をベースにした話。
チャンデの頭の良さと民衆の操り方の巧みさが凄かった。
韓国の苛烈な大統領選の候補者になるところが最大の見所かな。
反共産主義、独裁主義、自由主義、など良い悪いは別にして、こんな状態で日本と国交正常化しておいて、今さらあれは間違いだった、徴用工は未解決だ、などと言ってるお隣さんのバカバカしさを堪能できる。
中国より長い5000年の歴史を持つなんて言ってるのもさすが歴史を都合良く変える国だと呆れた。
滑稽で面白かった。
また、邦画は韓国映画に負けた。!
今更ながら、韓国映画には感心させられる。
そんなに深い内容があるとは思わない。が、とにかく娯楽映画として楽しませてくれる。
面白くなければ、映画じゃないと言わんばかりだ。
ところで、大統領候補の自宅爆破事件の真相が分からなくなってしまった。自白の通りなのか?
他の映画の予告編でも、韓国映画は期待を持たせる。どうして邦画はこうなってしまったのか。情けない。かっての日本映画の栄光は、何処へ行ってしまったのだろう。
野心溢れる政治家と影の選挙参謀の固い友情の快進撃とそれを阻む政界のドス黒い闇、投票が殴り合いに見えるくらい張り詰めたテンションが圧巻の実話ベースのポリティカルサスペンス
薬剤師のソ・チャンデは通行人に罵声を浴びながらも街頭で自身の主張を訴え続ける新民党のキム・ウンボムの政治信条に感銘を受け、彼の選挙事務所に乗り込み選挙を手伝いたいと申し入れる。チャンデの発案した反則スレスレの戦略は効果絶大で、ウンボムは補欠選挙で当選し、政界でたちまち頭角を表し始める。チャンデは影の選挙参謀としてウンボムを支え続けるが、与党の共和党はウンボムの無双ぶりの裏にチャンデがいることを知り彼を引き抜こうとする。
チャンデが打ち出す劣勢であることを逆手に取った型破りでバラエティに富んだ選挙キャンペーンの数々がとにかく痛快。トンチ合戦のような序盤も楽しいですが、中盤の新進党総裁選における丁々発止のやりとりはアクション映画のようなハイテンションの見せ場になっていて、汗の一滴が台詞よりも雄弁に心情を語る演出に打ちのめされました。そして物語の陰影はグッと深くなり、ウンボムの右腕であるのに余りにも型破りなので表舞台に立つことが出来ないチャンデの焦燥が、新民党の中で瞬く間にのし上がっていくウンボムの眩しいばかりの快進撃の中で浮き彫りになっていく後半の展開にグッと引き込まれてしまいます。誰もが何をも国から強制されない社会を理想とする二人の友情が熾烈な政争の中で激しく揺さぶられるドラマは圧巻ですが、60年以上も前の理想が未だに実現していない世界に生きていることを思い知らされて愕然とします。
もはや現存しない60年前の風景をCGでさりげなく再現したり、実際の記録映像に登場人物を合成したり、モブシーンをそのまま再現するのではなく当時のフィルム映像のように加工したりと様々な表現を駆使して当時の空気感を再現する繊細さが絶大な効果を発揮、韓流ノワールの傑作『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』を監督したビョン・ソンヒョンの手数の多さに感服しました。緊張感漲るドラマをしっかりと支えるチャンデを演じるイ・ソンギュンとウンボムを演じるソル・ギョングの熱演が素晴らしいことは言うまでもありませんが、与党である共和党内外で暗躍するイ室長を演じるチョ・ウジン、新民党総裁選でウンボムと対決するヨンホを演じるユ・ジェミョン他脇を固める助演陣もこれでもかとサスペンスを盛り上げます。
個人的に溜息が出たのはとにかく美しい喫煙シーン。さまざまな心情が紫煙とともにスクリーンを漂う映像に見惚れました。このさりげない演出一つ取っても邦画サスペンスが韓流の足元にも及ばない理由が見て取れます。序盤数分で語られる他愛のない話がクライマックスでガツンと効いてくるので上映中の途中入場は厳禁です。
かなり脚色されているとは思うが、金大中氏とその参謀となった男の実話を元にした話。
金大中氏という名前は昭和の時代、ニュース番組で頻繁に耳にしていた名前だ。
「キムデジュンシ」ではなく、「キンダイチュウシ」と呼ばれていた。
東京で誘拐され、一時行方不明となり、無事解放された「金大中事件」を記憶する人も少なくなっているかもしれないが、この事件は後に韓国のKCIAの犯行であることが判明しているようだ。
韓国が日本に併合されていた時代を知る世代で、日本語でインタビューに応じることもできた。
大統領になった後、北朝鮮に対して「太陽政策」と呼ばれる融和的政策をとり、ノーベル平和賞を受賞、日本に対しても反日的政策はとらず、当時禁止されていた日本文化を韓国国内で解禁した。
そんな金大中氏だが、時の政権などから政治的な迫害や弾圧を受け続け、命も狙われた。
ラストで脚を引きずり、杖をつきながら歩くシーンがあるが、これも事故をよそおい暗殺されかけた時の後遺症だ。
その他、死刑判決を受けたり、軟禁されたりと波乱万丈な政治家人生を歩んでいただけに、大統領になろうとは誰も思っていなかった。
それを実現させたのが、劇中でソ・チャンデクの名で出てくる、厳昌録(オム・チャンノク)という男だったということなのかもしれない。
朝鮮半島には恨(ハン)という文化があり、大統領経験者は例外なく投獄されたり、自殺に追い込まれたりする。
金大中氏も例外ではなく、三人の息子が不正蓄財で追求され、斡旋収賄の罪で身柄を拘束された。自身は北朝鮮との関係を追求され捜査も行われたが、それにより犯罪として裁かれることはなかった。
韓国は政権が危うくなると、国民の目をそらすために、決まって反日を持ち出す傾向にあるが、金大中氏は日本とも縁が深く、反日政策をとらなかった珍しい大統領と言える。自身も日本に対して悪い感情は持っていなかったのだろう。
映画の方は、少し黄みがかった荒い粒子の映像が過去の時代を感じさせ、汗ばんだ表情が焦燥感と緊迫感を与えている。
キャストも素晴らしく、韓国の政界特有の雰囲気もひしひしと伝わってくる。
「KCIA 南山の部長たち」「モガディシュ」などにも通じる韓流お得意の政治を題材とした映画。
ぜひ、劇場でご覧ください!
やはり実話ベースのフィクションだからストーリーに厚みが有って面白い...
やはり実話ベースのフィクションだからストーリーに厚みが有って面白い!当時の選挙戦じゃ当たり前のように行われてきた仕掛け合いが最高☆勝つことの難しさが伝わった。
骨太信念の映画
日本とも因縁深い金大中氏がモデルの選挙劇。朝鮮半島が南北に分断され、南の韓国を更に東西に二分する凄絶な選挙戦が繰り広げられる。勝利を目的とする者と、勝利を目的のための手段と考える者。溝は埋まることがない。そのジレンマや悲哀を、ベテラン男優がガッツリ組んで競演してみせる。俳優という職業についたら、こういう役を演じたいと思うのではないだろうか。
【韓国で大統領を目指す”光”と”彼を献身的に支える”影”との間に、徐々に齟齬が生じていく姿を描くほろ苦きポリティカルムービー。】
ー 1961年、野党から立候補したキム・ウンボム(ソル・ギョング)。
資金力の差で、苦戦が伝えられる中、ソ・チャンデ(イ・ソンギュン)という男が選挙事務所を訪れる。彼は北朝鮮出身者だったが、現政権打倒を願い民主主義を謳う高潔なウンボムに入れ込む。
選挙戦術の弱点を指摘し、選挙スタッフに志願する。
半信半疑のウンボム陣営だったが、彼のゲリラ戦略は高い効果を上げ、念願の初当選を果たす。
これを機にウンボムは連戦連勝、その裏側で辣腕を振るうチャンデの存在は、いつしか「闇」と呼ばれ政界でも注目を集めていく。ー
◆感想
・前半を見ると、1960年代の韓国の選挙が、バラまき選挙だったことが良く分かる。日本もそうであったように。
ー そんな中、金大中がモデルと思われるキム・ウンボムの高潔高邁な民主主義を唱える、政治姿勢は稀有なモノであり、ソ・チャンデはそこに惹かれたのであろう。-
・だが、ソの選挙手法は公職選挙法違反スレスレというか、違反だろう!というモノであるが、故にキム・ウンボムは地元で、初当選を果たす。
ー だが、この選挙手法の違いが、キム・ウンボムとソ・チャンデとの間に齟齬を生んでいく・・。-
<ラスト、訣別したソ・チャンデと、キム・ウンボムが再会するシーン。その後に流れるキム・ウンボムが大統領になったというテロップも皮肉である。
金大中の選挙アドバイザー厳昌録の存在は今作で初めて知ったが、金大中も大統領就任後、晩節を汚した事実を考えても、鑑賞後のほろ苦さは、拭えない作品である。>
親の位牌も売るような男
実話を元にしたフィクションなのでエンターテイメントに振り切って楽しい
日本映画もこんなの作ればいいのに(自民党と統一教会、勝共連合の映画なんか出てくる連中の名前だけでもコクがあって日本の昭和史としても面白いのに)
あくまで大義を説く
韓国映画で描かれる政治ドラマはハズレが少ない。軍事独裁を長く続ける中で、政権側があくどいことや無茶なことをかなり行っていたことが明らかになっているからだ。政権側の闇や、実際に起こった事件の裏側、そしてそれに対抗する側の闘いを描くだけでドラマになる。本作は政権交代を目指す野党側の人間たちを描いた政治ドラマ。
実話をもとにしていると謳うだけあって、朴正煕大統領や金大中、金泳三(後に2人とも大統領になることもすごい)といった人物をモデルにした政治家たちが登場する。軍事独裁を続ける大統領とそれに対抗する政治家という構図はどうやってもテンションが上がってしまう。そして汚いことも厭わない選挙参謀との関係という設定は話としてとても深みのあるものになっていたと思う。
60年代から70年代の韓国政治はリアルタイムで経験していないが、概要としては知っている。キム・ウンボムは金大中のことだが、選挙参謀との関係性がメインだから中央情報部に拉致された金大中事件や死刑宣告されたことなんかは省略されてしまう。そして後に大統領になるということも。映画の構成としては仕方のないこと。そう考えると金大中の人生ってなんて波乱万丈なんだろう。それだけでも韓国の政治ドラマはハズレが少ない理由になりそうだ。
正義という言葉が頻繁に登場するが、その意味についても考えさせられるうまい作りだった。こんな深みの出し方がうまい。
キングメーカーではなく、汚れ参謀
金大中が再び脚光が浴びた時代ではなく、朴正煕独裁時代が舞台。汚れ役を担った選挙参謀のインサイドストーリーを中心に物語は進んでいくが、面白くなるのは、野党内での大統領予備選。党の総裁にしがみつくことしか頭がない長老、負けても党内での権力を維持したい候補者が、駆け引きを行う。
タイトルのキングメーカーと聞けば、田中角栄とか北条政子など、隠然たる権力を持っている大物を連想する。が、このイメージと主人公の立ち位置があまりにも違いすぎるので、違和感を持ち続けながら鑑賞することになってしまう。
不適切なタイトル以外にも、実録物にありがちな、盛った感がプンプンと匂ってくるため、リアリティを感じることができない。
金大中大統領の腹心だったという人物のエピソードを元に脚本が書かれた作品だということで、拉致から始まって死刑判決、大統領当選にいたるまでの裏側のドラマを期待していたので、ちょっと期待外れかな。
「タクシー運転手 約束は海を越えて」を観てから
韓国民主化以前のストーリーですが、ラストは民主化後の1988年のシーンで終わっています。そのラストで「タクシー運転手‥」の緑のタクシーがスクリーンを横切る演出がなんとも言えず、ニクいです。
渋柿
金大中とその選挙参謀をモデルに描いたフィクションで1963年、薬剤師をするソ・チャンデが長年にわたり国政選挙で当選を果たせなかった野党新民党議員のキム・ウンボムの影となる話。
韓国の歴史にも政治史にも明るくないけれど、朴正熙大統領の軍事政権、第三共和国時代ですね。
他人の利益は自分の不利益と言わんばかりの妬み嫉み的思考で、収賄、捏造、ネガキャン何でもござれな国民性の中、大人しく堅物で世の為人の為なキム・ウンボムの思想に共感し、キム・ウンボムがスピーチ力でスタッフを転がし黒い動きで戦って行くけれど…まあ、フィクションですから金大中がそんなに聖人の様な人だったかは別の話しですね。
資金力やバックボーンの弱いキム・ウンボムを当選させる為に汚いやり口を繰り返して行くし、さも彼のやることがえげつないかの様にみせているけれど、相手陣営も普通に同じ様なことやっているというね…流石ですよw
どんな戦略でやり合うのかというエンタメ性と、「影」としての立場や抱えてしまったものや扱われ方から湧いてくるメンタルの部分をみせるドラマと、悲しさややり切れなさみたいなものもあって、なかなか面白かった。
「光」と「影」の生き様が、深い問いを投げかける
60年前の韓国が舞台だが、選挙戦におけるネガティブ・キャンペーンの展開や、キャスティング・ボードを握る者に対する駆け引き、あるいは選挙を巡る国民の分断等の描写は、今の時代の、どこの国にも通じるような生々しい面白さがある。
それと同時に、表舞台で光を浴びる者と、影となって彼を支える者との生き様の対比も見応えがある。
そうした権謀術数や人間模様からは、「正しい目的のためには、汚い手段を用いてもいいのか?」とか、「正義が勝つのではなく、勝ったから正義なのか?」といった深い問いかけを感じることができる。
いずれにしても、権力を手に入れるためには、裏で汚れ役に徹してくれる者の存在が極めて重要だということがよく分かる。逆に、権力者には、「この人のためなら自分は影でいい」と思わせるような「人としての器の大きさ」が必要になるのではないか?そんなことまで考えさせられた。
ところで、終盤、「影」は、自ら身を引いたということが分かるが、それが「光」を大統領にするためだったのなら、なぜ、敵陣営に寝返ったのだろうか?それとも、単に、自分が切り捨てられることを悟り、先手を打っただけなのだろうか?あるいは、目的と手段をはき違えて、自らの力を誇示したかったのだろうか?もしかしたら、自分が「光」になることがふさわしいかどうかを、確認したかったのだろうか?
と、最後の最後まで、考えさせられた映画だった。
政界に夢はあらず。
信念やらなんやらだけでは生き抜けない政治の世界を淡々と見せられる。何を信じるかは結局は選ぶ側次第。世の中がどう転ぼうとその一翼は国民にあり。勝つ為の策略というよりは騙しあい。実話ベースのためか派手さがないのが物足りない、かな。
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