愛してる!のレビュー・感想・評価
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ファンタジーとリアルが交錯する純愛物語
日活ロマンポルノ50周年を記念したプロジェクト「ROMAN PORNO NOW」で製作された作品の一つとして、白石晃士監督がSMの世界を題材に制作。
元女子プロレスラーの地下アイドルが、SMクラブにスカウトされ、奴隷研修を受けるうち女王様を愛してしまうというストーリー。
実際の地下アイドルでもあった主人公役の川瀬知佐子の、体育会系というか情熱的な雰囲気と女王様・カレン役の鳥之海凪紗のお人形のような冷めた雰囲気のバランスが絶妙。
演技経験が少ない?2人だけではやや心もとないところに、本人役で登場するベテラン高嶋政宏が加わることで映画としてのグレードが上がっているだけでなく、本物にしか出せない空気感が本作に一定のリアリズムを与えている。
逆にSMラウンジ「H」のオーナー役・ryuchellの存在はファンタジーとしての本作を象徴する存在感を発揮していて、高嶋政宏とは鏡合わせの配役になっていると感じたし、リアルとファンタジーが交じり合うことで、主役2人の拙さすら作品の味になっていると感じた。
クライマックスの怒涛の展開は、デイミアン・チャゼルの「セッション」に近い熱量を感じた。
白石晃士作品常連の“あの人”も登場するのでファンは嬉しいかも。
18禁。
後半怒涛のヒートアップ
前半主人公の女の子には感情移入しなかったし
無理して人生送っているなあ、と痛々しかったが
高島政宏が爆発してからガンガン面白くなっていく。
最後は主人公のミサちゃんが綺麗に見えたし応援に気持ちが進化した。
70点
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京都みなみ会館 20221018
個人的類を見ない、ある種印象深い
【”アル愛のカタチ・・。”地下アイドルの女性がSMの女王様に魅惑されて行く姿をポップに描いた作品。今作を面白く感じた私は変態でしょうか?ハイ、立派な変態です・・。】
ー 縄で縛られて鞭打たれるのは、嫌だ!。
オジサンたちが嬉しそうに悲鳴を上げていたけれど、私は、性的傾向としては”S”なんだろうなあ・・。何となくは、気づいていたけれど。
今作は、自分の性癖傾向が分かる、リトマス試験紙の様な映画でもあるんだね。-
◆感想<Caution! 内容に触れています>
・私は、縄で人を縛った事はないし、縛られた事もない。だから、ヒロインのミサが、ツンと澄ました女王様カノンから縛られて行く際に、コーフンしていく気持ちは良く分からないが、こういう人もいるんだろうなあ、と思いながら鑑賞続行。
・SMクラブの内装が、打ちっぱなしのコンクリートが剥き出しの空間にミラーボールが揺れていて、派手な音楽が流れている感じは、何となく分かる。
それにしても、SMって、何で鎖や黒いレザーを見に纏うのかな。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲に、モロにマゾッホの「毛皮のヴィーナス」に影響を受けた「Venus in Furs」というSMを扱った曲があるんだけれど、歌詞が”Shiny,Shiny,Shiny boots of leather・・"という妖しいモノで、ルー・リードの気怠い歌声で歌われるんだよね。
中坊の頃に、ドキドキしながら聴いていたなあ・・。
昔からSMと言えば、レザーにブーツなんだね。
・更にカノンのミサに対する調教は進んでいき、到頭、ヴァイブレーターで街中で弄ばれるようになる。男だから分からない・・。が、ミサは喘いでいる。
・の間に、ミサの地下コンサートシーンなども、盛り込まれ・・。(ギャップが凄いし、物語に起伏がある。)
ミサとカノンの対決(っていうか、一方的にカノンの完勝でしょう・・。)も凄いなあ・・。
ゴックン。
<と言った感じで物語は進むのだが、これがミサがプロレスラーを目指していた事もあり、ライバルのファンにラリアットをかましたり、ミサたちの服装が地下アイドルという事もあって、ポップなんだよね。
作品全体が、ポップな感じで、陰鬱でないのが良いんだなあ。
ラストは、ミサの部屋にカノンが居て、初めて笑顔を見せながら、ミサとキスをして・・。
面白かったなあ。>
<2022年12月18日 刈谷日劇にて鑑賞>
ラリアートは左腕で
白石晃士監督、ドキュメント風
というところで鑑賞することは決めていましたが、
いや〜これは面白すぎました
😺🤘
ドキュメント仕立てゆえの中弛みのなさ。
どうなる、、、どうなる、、、
とテンポよく観られる。
SMプレイならでは(?)の無茶振りのハプニング性の面白さ、
ロマンポルノとしての快感の描き、
剥き出しになる本能、性愛、、、
見事なキャスティングですよね、皆んなが皆んな
嫌味のない芝居で心地よいですよ。
ミサがお客とかにラリアート喰らわすシーンがありますが、
しっかり左腕で叩き込んでいるので感激しましたね。
私はスタン・ハンセンの大ファンなので左腕でラリアートを繰り出しているのは
ツボでした。フォームも近かった
💪
白石晃士監督の舞台挨拶/トークショー付きで鑑賞出来ました。
質問タイムで
私は勢いで
「N田監督やS水監督が目もあてられないことになっているので、もう白石監督しかいません、
また怖い映画撮ってください」
と本心をぶちまけてしまいました🤣
ラスト辺りのライブシーンは本当に感動したんですよ。
目頭が熱くなってしまいました
😿
18歳以上の方たちはとにかく観ましょう
📽🎞
白石晃士監督によるロマンポルノの王道
カノンが平手友梨奈に似てた
『魂の悶絶❤️🔥』
NOはGO。「ヤメてください」が「お願いします。ヤメないでください」になる世界。では、本当にヤメてほしい時には何と言えば?
音楽において売れてる事を否定的に言うロッカー。売れたくて音楽やってねえし、みたいな。よほどそっちのがダセェと思う。単なる負け犬の遠吠えというか、じゃああんたはいざ売れた時その“メガ”な状況にしっかり対応出来るのか?そう問いたい。B'zの松本さんはハッキリと言った。売れれば全てにおいて環境をレベルアップ出来、それをお客様に良い物を見せる聴かせるという形で還元出来ると。また、国民的と称されるバンドのリーダーである桑田さんはいつの時代も今のトレンドの音楽を漁り、取り込む事に必死。そして、自分が生み出した作品に対してはすぐクヨクヨし、後悔をする。もっとうまく出来たはず、と。
その点において、この映画の監督である白石晃士その人も同様。ネオホラーラジオのゲスト回でも言ってたけど、今までの作品で思い通り満足のいった作品はないと。劇中の役ではアワアワしているイメージが強い白石監督だが、本人はいたって冷静沈着だ。そして、それは自分の撮った作品に対しても。頼まれた仕事はあくまで要求を飲む。予算との天秤、妥協。それを分かった上で、今用意されている膳立てにおいて自分だから出来る事、どうすれば面白く?にいつもしっかり取り組んでいらっしゃる。本当に素晴らしいのだが、前述のふたりと白石監督の違うところ。それはそこまで売れていないという事。
どうしてもホラーのイメージは強い。ただ、サム・ライミはじめ大向うの国ではホラー出身監督が出世しまくっている。その点で言えば言い訳が出来る状況では無い。ハッキリ言って今までの大舞台で成功したと言えるものは無いと思う。ただ、それを乗り越えての原点回帰であり集大成とも言える「オカルトの森へようこそ」。そして、その次のタイミングでのこの「愛してる!」が傑作であったという事。この流れこそがドラマチックである!(もちろんクランクアップの報があったコワすぎも楽しみ)
リリースから30年近く経った2022年に桑田さんの「鏡」がCMで流れる世界線。当時そんな未来は予想だにしなかったが、それだけ収録のアルバム「孤独の太陽」が傑作であるという何よりの証明だと思う。前年の「クリスマス・ラブ」はトラック数フルに駆使した装飾にまみれたクドい曲だったのに対し、「鏡」は実にシンプルな編曲。で、当時渋いと思ってたものが現代においては不変のポップスに聴こえる不思議。ただ、その普遍性こそが彼の強みなのだ。
ボクは白石監督にもその強みが備わっていると確信している。とかくホラーを求められがちではあるが、白石監督はもうそういう時期を越えたのではないか?ホラーを求められればしっかりホラーで、しかしそれ以外のしかも装飾少なめの作品の時こそ発揮される才能。それが見事に炸裂した最新作。監督のフィルモグラフィ的に感動してしまう向きもあるが、そんな事お構いなしに素晴らしい作品だと思う。
監督が魂の解放を描くのは今回が初めてではない。今回これは日活ロマンポルノである事から性を通してではあるが、やはり魂の解放が描かれている。ただ、だからこそ例えそれがSMであってもそれに関係なく傑作を撮れる事が証明されている。まさに装飾の無い白石晃士映画。むしろこちらの方こそある意味で監督の集大成映画なのではないだろうか?
主人公の思わぬ覚醒からクライマックスにおける魂の解放は、エモーショナルな音楽も相まって心にどストレートに響く。しかし、2回観て気付いた事がある。むしろ初めに愛を感じたのは“彼女”の方だったのではないかと。その視点で観直す楽しみもあれば、ふたりそれぞれの魂と愛の悶絶にこちらの心がエレクトさせられる興奮もある。また、愛液表現はあったものの汗や身体をねじって身悶えるという様な生々しさの表現には物足りなさを感じたものの、カノン様の孤高とポップ且つ美しくといった風情が感じられたので今回はプラスに作用していたと思う。
ただ、いずれにしろこれが白石監督の「いとしのエリー」でも「真夏の果実」でも「TSUNAMI」でも無い事は間違いない。あくまで「白石晃士が日活ロマンポルノを撮ってみた!」であり、これからの白石晃士作品群こそが白石晃士ヒットソング集になると思う。最後に、予算さえ与えられれば「呪詛」や「女神の継承」より面白いものを撮れると落ち着いて語っていた監督の言葉をボクは本気で信じている。
特にロマンポルノである必要があったのだろうか…。
急に超セクシーになった古川琴音
楽しくて切ない 愛の行為の物語。o(^o^)o"
ストップワードって、いいね。
女子プロ目指してた地下アイドルがバイト先のSM修行で先輩女王様にはまり、、と思ったら実はこじらせキャラの先輩女王様の方が逆にハマってた、、、と言うはなし。
話は悪くないと思う、だって最後みてて盛り上がったから。ただ前半役者の力不足か、リードミスか入り込めなかった。確かに体育会系女子にこんなぶっきら棒な子いるけどね、なんか台詞が棒で会話のリズムが出ず、滑って説得力なく感情移入できない。出演者は高嶋氏がきっっちり自分を演じていたのが凄いと思った以外、他は見るとこなし。
あとモキュメンタリーの仕立ても下手くそだと思った、、ポップ(死語か?)に仕上げるためだとしてもスピード感、リアリティ無さすぎ。
最後まで観れたのはカノン女王様の魅力かなぁ。
「手」と違いは予算を出演者にぶっ込んで外した感じがした。
このシリーズは今回あと一本、期待してます。
登りつめても地下は地下
プロレスラーを諦めて殆ど客のつかない地下アイドルをしている女性が、SMクラブの女王様にスカウトされて目覚める話。
どちらかといえば粗暴な感じでライブハウスを出禁にされまくっている主人公が、そうとは知らず話しを聞きに行ったSMクラブで研修を受けることになり…。
一流の女王様になる為にはMの気持ちを理解しなければという理由で受けたNo.1女王様による奴隷研修で振り幅の広い女になってって、拍手の意味はは解らないけどなるほどねw
寧ろ目覚めたのはM側ですよね。
言っていることや理屈の概ねは、頭では理解出来るけれど、レベルが高過ぎて感情的には殆ど理解出来ません!w
でも、その理解できるところは上手いし愉しいし面白い!
更には理解できない人にも愉しめるおふざけやエロスも結構あるし。カノン様凄いっす!!
そして企画監督頑張り過ぎww
これを感情でも理解できる様になったら☆満点なんだろうけど、多分私には無理だろうな~w
最初から最後までちゃんと面白い
谷口恒平さんの脚本と白石晃士監督のモキュメンタリー技が光る!SM青春にまさかの泣き!
R-18+にα付けてもいいくらいエロい。のに何故か笑って泣ける…。期待値以上のSM×青春モキュメンタリーに仕上がっていて、心がイキそうです…。笑
白石晃士監督といえば、やはりドキュメンタリータッチのPOVな作風。今作も元プロレスラーの彼女を追うところから始まる。SMのイロハを取材カメラを通じて一緒に勉強しつつ、打ち出している青春にぶつかっていく。アイドルとの二足のわらじ、衝撃的すぎるギミックに驚きながらも観ていく。たまたま劇場でかかるだけでピンクそのものな気がするが、それを上回るドラマを乗せてくるのがロマンポルノ、ということだろう。その世界観に縛られ、驚き、泣いてしまった…。なんだかもう、美しく見えて仕方がない。抑圧からの開放を劇的に描く様は圧巻。最後の最後までドキドキが止まらず、今も胸キュン映画を観たような高鳴りを感じている。
といってもSMはSM。容赦なし。色んなタイプのいじめられ方があるのだと感じつつ、奴隷として支配される快感が伝わってくる。それを決して尖りなく、そういうモノだと割り切って優しく届けてくれる。実際、私の大好きな脚本家、谷口恒平さんが描いているのも実は楽しみにしていたことの1つ。ドラマ「初情事まであと1時間」では、エロスが立ちすぎないさじ加減と恋のくすぐったさを表現。そんな彼が描く関係性の変化は、優しくて凄く心地良い。それを白石晃士監督によって上手くモキュメンタリーに落とし込まれ、衝撃的な展開に誘いつつ、しっかりと落としていくから凄い。
主演は川瀬知佐子さん。レスラーに見えるドシッとした体と柔い雰囲気、感じている姿に漂う色気が素晴らしい。体力のいる現場だと思わせるシーンの数々はしびれる。女王様のカノン様は鳥之海凪紗さん。この作品よりかなり前にTwitterをフォローしてもらっており、その存在を知っていたので驚き。可憐で何処か冷徹な姿と容赦ない姿に慄きつつも息を呑む。凄く不思議なオーラがいいベクトルで振り切られている。ホントに凄いシーンばかりで心が揺れる。
今の時代、オープンにすることも何処か内に秘められている様な時代。かつての勢いまでとは行かないが、作り手がポルノの枠組みの中で表現に熱狂していた時代の凄さを思い知る。そう、単純な濡れ場ばかりでなく、全体で語れるモノが届くと知っているから。このスコアもきっと、観れば分かる人もいるはずだ。こんな青春でもいい、愛してる!
脚本も上手い!
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