夜明けまでバス停でのレビュー・感想・評価
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コロナ禍で直面する厳しい現実
コロナによって長年働いていたバイト先をクビになり、転職しようにもコロナで募集がなく、一人彷徨う。
コロナ禍で苦しむ人たちを描いた作品を観たことがなかったのでなかなか新鮮。
理不尽に切られた
明日こそ目覚めませんように。
想像してた内容と違い、結構衝撃の展開でした。今の時代を切り取った重厚で社会派な物語。前半はコロナによって徐々に奪われてゆく仕事、人間関係、そして帰る場所。きっと少なからず誰しもが経験したここ数年のまさに実体験。
バス停のベンチで夜を明かす日々。コロナで何もかも失ってしまった三知子。そんな中目の前に現れたのは誇らしく武勇伝を語る自称爆弾魔のホームレス。この出会いをきっかけに後半から全く異なる要素を含んだ物語へと変わってゆきます。
生々しい政治ワード、あるいは流行りの意識高い系YouTuberをまるで揶揄するかのようなシーン。過激になってゆく三知子の思考。このくそったれな社会への不満をどこにぶつければいいのか。バス停のバイ菌か。セクハラ上司か。はたまたこの国そのものか。いや~板谷由夏さん本当に素晴らしかったです。
映画を見て、他者への思いやりを考えて欲しい
社会派と言われる作品、社会問題を切り口として取り上げた映画が自分の好みです。
それは映画を見た後、いろいろと考えることが好きだから。
娯楽性よりもドラマ性、社会性を映画に求めていると自覚しています。
そんな私に、この作品は「今見る作品」として心にぴったりとはまってくれました。
映画の元になった、幡ヶ谷バス停での事件があまりに悲しく、心に何か尖った破片が刺さったように感じていたので、これを映画でどう描くのかを非常に興味深く見ました。
結果、映画から、高橋伴明監督の世代(70年代の学生運動世代)ならではの、力強い、拳を振り上げるようなメッセージの打ち出しやそれを伝える勇気を受け止めました。
「映画的クライマックス」とそこからつながるラストの流れが本当にすごいと思いました。
自助という考え方が真っ先に来る今の不寛容な社会、そして、今回の題材のような事件が起きる元になる今の世間に対して「全て自分のせいだと思うのでなく、ちゃんと怒っていいんだ」と言われている気がしたのです。
その怒り方として、監督から最高の映画的決着の付け方が提示され「そう来るか」と思い知らされたのです。
その昔、学生たちが「政治」や「社会」に対して同志の集団と全力で戦ったように。
私の目から見ると、今の若い世代はこの先に希望を見いだすことなく、それを受け入れて「自分たちで変える、良くする」ことを諦めてしまっているように見えます。この先、事によっては不幸を感じたり悲しい気持ちになるのは彼らなのに。
若い人たちに、映画を見て、かつて70年代若者だった人たちが「世の中を変えたい」ため何を考えてどう生きていたか少し興味を持って欲しい、そこから調べたり何か知ることをして欲しい…と強く思ってしまいます。
この「若者の諦観」に関する問題は、現代の日本の教育やスマホやSNS中心のネット社会など、複数の要素が構造的に絡み合っているため、単純にこうすれば解決できる…という糸口はそう簡単にはないと思っています。
ですが、少なくとも「人はみなすべからく平和や幸せを感じて生きる権利がある」(憲法が定める基本的人権)という事に基づいて「今の自分は良くても、いつ健康や経済的自立を失うことになりかねない」
…といった想像力をつけるため、周りの大人や社会が彼らに何か示すことはできる気がするのです。
事件で報道された「邪魔だから痛い目に合わせれば居なくなると思った」という容疑者の供述。
こんな身勝手な理由で、住む場所もない弱者の命が奪われる。
少しでも想像力や思いやる気持ちがあれば、こんな事件は起きなかったのでは、と思います。
難しいとは思いますが、この映画の言わんとすることを届けたい、特に若い世代に…と心から思いました。
(6月に見た『PLAN75』のテーマに少し通じるものもあると思います)
でも、そのために私たちが出来ることは何でしょう。考え続けたいと思います。
エンドロールとはいえ国会議事堂爆破は蛇足
2022年映画館鑑賞60作品目
11月7日(月)フォーラム仙台
スタンプ会員デイ1200円
監督は『愛の新世界』『光の雨』『痛くない死に方』の高橋伴明
脚本は役者としてもひっそりと活躍している梶原阿貴
梶原作品は初鑑賞
映画のオリジナル脚本は初挑戦らしい
バス停の椅子に座り野宿するホームレスの60代女性がカッとなった男に殺される事件がモデルになっている
男は逮捕されたのち自殺したそうだ
居酒屋で非正規雇用として働く中年女性がコロナ禍が影響し突然解雇され再就職に失敗しホームレスになる話
傑作だが着地点は好みじゃない
助けを求めなかった老婆をモデルにした女性をテロリストに仕立て上げるのはあまりにも突飛だし高橋梶原の思想なのかも知れないが平和に生きたい僕は好きになれない
解雇された三人がめでたく職場復帰し悪徳マネージャーは社長を務める父親から勘当され会社を追われホームレスになり殺されそうになるオチの方が良かった
国会議事堂爆破までいくと話が大きくなりすぎて興醒めする
そのくせそれをしっかりと描いてないので尚更おふざけが過ぎて酷い
そもそも国会議事堂は国家権力の象徴ではなく民主主義の象徴でありそれを破壊するという日本の左翼の発想は人間として間違っている
パヨクはそれで溜飲を下げた気分になるだろうが僕はパヨクではない
嫌韓厨でもないし夫婦別姓同性婚外国人労働者受け入れ概ね賛成なので保守ではないけど
それでもまあ作品の良し悪しとして致命的ではないし選択肢として悪くはない
板谷由夏が演じた北林三和子はポスターを見る限りホームレスに見えなかった
モデル体型の細長い足にジーンズ姿の着こなしに悲報感が感じられなかった
板谷由夏の芝居に不満はないがミスキャストだと思う
ルビーモレノは懐かしい
三浦貴大が演じたマネージャーは酷い男だが孫に客の残飯を食べさせるマリアを批判するやりとりはわからないでもない
マネージャーのやり方はありえないが残飯の扱いに関してはフィリピン人だからでは片付けられない
なぜ北林は如月にも寺島にも助けを求めなかったのか理解に苦しむ
それでいてテロリストになるのでは辻褄が合わない
監督も脚本家も感情論が先に出て論理的思考ができないんだろう
いろいろと残念な点はあるが傑作は傑作
星5は与えたい
これと同様アベガー映画の『新聞記者』は駄作だったがこれは間違いなく傑作
居酒屋の従業員で働くもコロナ禍が影響しホームレスになる北林三和子に板谷由夏
北林が勤める居酒屋の店長・寺島千春に大西礼芳
チェーン店を営む社長の息子で店のマネージャーの大河原聡に三浦貴大
北林が働く居酒屋店の同僚で育ち盛りの孫を育てている石川マリアにルビー・モレノ
北林が働く居酒屋の同僚で実家が農業を営んでいる小泉純子に片岡礼子
北林が働く居酒屋の同僚で大河原からセクハラを受けている土屋志央梨
転職しようとやって来た北林の出勤初日に内定取り消しを宣告する介護職員にあめくみちこ
YouTuberに唆されバス停の椅子で寝ている北林に対し石を振り上げ殺そうとする男に松浦祐也
バカな男を唆すYouTuberに柄本佑
北林のアトリエのオーナー如月マリに筒井真理子
明日こそ目覚めないようにと神頼みする古参のホームレスのセンセイに下元史朗
元芸者の古参ホームレス派手婆に根岸季衣
元過激派の古参ホームレスのバクダンに柄本明
普通に暮らしていただけの人がホームレスになる恐怖
2022年劇場鑑賞258本目。
女性がホームレスになるというふわっとした情報で鑑賞。
今までいくつかホームレスが主人公の映画を見てきましたが、全部ホームレス一歩手前の人生を歩んでいました。しかしこの主人公は居酒屋でパートをしており、多少お金には困ってはいそうですが、ホームレスになりそうにない生活を送っています。携帯の電波が3Gの表示が見えたので少し昔の話なんだろうなと思いましたが、ああそういうことかと。さすがにこういうことはないだろうとは思いながらもなくもないかなということが起こって無事(?)ホームレスに。
コロナ禍ではこういうこともあるのだろうな、こういうちょっとしたことで生活が崩れた人にほんとになんの補償もないのなら怖い国だなと思いました。
まぁなんか普通に政治の話が始まったし、最後の最後のシーンがあれだから監督が相当国に不満もっているのはよく分かりました。
いや、なんにも解決してないよ!
もっともっとこんな映画が見たい
実話をもとに制作されたと聞き、上映を待っていた作品。
誰もが未知のウィルスに怯え、なんの対策も取れずに引きこもるしかなかった頃、生きるか死ぬかの瀬戸際まで追いつけられた人々がたくさんいたであろうことは想像できる。でも、その人々がどんなふうにあの時間を過ごしたのかはよく見えてこない。
コロナ禍の社会も4年目となり、あの静けさが嘘のようだ。
我々の社会にはちょっと違うなと思うことがたくさん溢れている。それで割を喰らうのはいつも普通の人たち。まじめに、コツコツと生きている我々一般の普通の人たちである。諦めず声を上げ続けることが「爆弾」なるうるのか。どんなに声でもいい。「助けてほしい」ということは恥ずかしいことではない。声を上げよう!
希望のつながるラストでよかった。
国は国民の肉親ではない。
更に言えば、人類史上「国民の為」の国は存在した事ない。ただのシステムだからね。なんて、映画に乗せられてキナ臭い事を言ってみる苦笑
ラストカット手前まで主人公が嫌いだったのでなんともモヤモヤする鑑賞でしたが、締め方が良かったなぁ。好き。当時一歩間違えれば同じ様な境遇だったであろう飲食業界人間だったので思うところは色々とあり。そしてなんとも苦笑いな総理大臣イジリ。そんな感じで左側な匂いが色濃く漂うので、好みは分かれる所でしょうかね。
でも時代を映す作品として一見はありなんじゃないでしょうかね。
期待が大きかっただけに残念
実際にあった事件をベースにどう言う話になるのだろうと期待していたが、もう少し様々な事に鋭く切り込んでいるだろうと勝手に想像していたので肩透かしでした。
ただ、箇所箇所に見える弱者への優しい視線に救われた気持ちになれたのはよかった。
自由業の身には全く他人事とは思えず。
2020年に実際に起こったバス停でのホームレス殺人事件をモチーフにしていて、社会派作品ではあるものの重たさはあまり無く高橋伴明監督らしいエンターテイメントに。
昼間は手作りアクセサリーを販売、夜は居酒屋で住込みで働く主人公を板谷由夏さんがリアルに演じ、とても真面目な彼女がコロナ渦で仕事も住む処も奪われやむなくバス停で夜を明かすホームレスになる姿は見ていてとてもつらく、全く他人事とは思えませんでした。これは今の時代、誰にでも起こり得る問題でしょう。
政治批判な面も強く、そこを担う古参ホームレス役を小劇場出身の柄本明さん、根岸季衣さんがやっているのが何ともキャスティングの妙!アングラって言葉はもはや死語でしょうか。。
お久しぶりのルビー・モレノさんにも驚かされました。93年「月はどっちに出ている」で映画賞総ナメでしたよね~可愛かったですよね~。
後半の『バクダン』部分は安保や学生運動の時代を知らない世代にはよくわからなかったかも知れませんが、今観るべき作品であり考えるべき問題を提示した一本です。
それにしても、70年代ははるか昔になったんですなぁ。
テイピカルな描き方という意味では、映画の快楽は少ない。柄本がすごく...
テイピカルな描き方という意味では、映画の快楽は少ない。柄本がすごくいいし、板倉も店長もいい。爆弾という要素もいい。先生があんなに駄目に描かれているのは、高橋のインテリ批判か。最後が何ともいい。全体にリアリティもある。行くところがなく板倉が歩き回る映像は切ない。支援の人たちが外在的にしか描かれないのは残念
憤りしかない。
以下によって自己責任を蔓延させ、国としての義務を果たそうとしない現実を描いた内容。
菅義偉・内閣総理大臣は、「自助・共助・公助、そして絆」を掲げている。自然災害を例にとり、それぞれの意味を考える。自助とは「自分の命と財産等を守るために、自分で防災に取り組むこと」である。共助とは「災害に関連して、近所や地域の方々と助け合うということ」になる。公助とは「市町村をはじめ警察・消防等による公的な支援」と捉えられる。
劇中で自民党議員、安倍晋三氏、菅義偉氏がテレビで発言する内容はやっぱりカルト。
自民党政治の在り方を考えるにはとても良い映画だった。
フィクションだけど、現実あるあるの内容。
想像力の大切さ
社会の不条理さを感じた映画でした。
柄本明さんのインパクトがとてもすごかったです。
一人一人それぞれの生き方があるんだという当たり前のことを改めて感じました。
目の前に見えているだけでなく、潜在的な本質的な部分まで想像できるように余裕や意識を持って行きたいなと思いました。
とても印象深い映画でした。
実際にあった事件にヒントを得た完全フィクション
実話ベースだと思って見ていました。
コロナだけでた無く、いろいろなアンラッキーが重なり、他人事だとは思えないと思って見ていました。
いかに、コロナ禍で飲食店の非正規職員が大変だったか、政府やマスコミで言われるようなことが、届かない人もいるの、知っていたことのはずなのに、実感しました。
私は飲食業では無いので、
「平気で飲食店に行く人が嫌い」
「飲食店は当然休業すべき」
「飲食店だけ休業補償は羨ましい」
も思っていましたが、そんなに単純では無いのだと実感。
後半に行くにつれて、政治メッセージが強くなり、同時に本当にこんなことあるのかな、、、と思い始め、途中で、これフィクションの要素ご入ってるな、、と思いました。ラストシーンで、いやフィクションの方が多そうだと思います。
ここまで脚色が強いと、どこまで本当なのだろうと穿った見方に。
前半は素直に観れましたが、後半は味付けが濃いので、素直に楽しめなかった。政治メッセージが強いので、意見が合わないと胸焼けしますのでご注意を。
ただ、単純にエンタメ映画だと思えば、映像も見応えあるので良い映画です。私の心構えの問題ですね。
後半の「腹腹時計」以降は見るに堪えないギャグ映画、笑えもしない
前半は社会の理不尽さが描かれて”まあまあ”の感じだけど、後半「腹腹時計」(これが分かるのは60歳代以上かな)からは完全にギャグ映画、それも笑えないギャグで辟易してまう。
監督を始め、この映画を作った人は多分、私より年上、60歳代後半から70歳代だと思います。
政治が悪い、社会が悪い、国が悪いと言っていれば共感を得られると思ったら大間違い。
YouTubeか何かで無料で見るならばともかく、映画館でお金を払ってまで見る価値はありません。
そのためでしょうか、平日の夜でしたが、映画館に観客は3人のみ
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