「人々の本音」夜明けまでバス停で R41さんの映画レビュー(感想・評価)
人々の本音
少し前に実際に起きた事件をモチーフにしている。
幡ヶ谷2丁目のバス停 以前とは違った風景になっているが、そこが犯行現場。
昔ダンサーだった女性 スーパーなどの試食販売の仕事 やがて仕事がなくなりホームレスになる。
いつも同じバス停 その近所に住む引きこもりの男が彼女を殺害した。
動機は、目障りだったから。
この事件は後に多くの反響を呼んだ。
この作品はその事件とコロナという社会現象を掛け合わせてある。
しかし、この作品のテーマは全く違う。
実際にテーマ性は薄いものの、「心身の調和とチームワークと友情」を背景として設定している。
それは最後に救いとなるが、「しーちゃん、あなた爆弾に興味ない?」という最後のセリフにこそこの社会に対して何かしてやりたいという思いが込められている。
どっちかと言えば社会に対する皮肉の方がより濃く色づけされている。
ホームレス 路上生活者
「社会の底が抜けたのに、それを自己責任で何とかしろ」という無責任極まりない政府
昨今の実際の政治家たちの言葉をそのまま作品の中で流している。
無能 そして「いまだけ 金だけ 自分だけ」で突き進んだ東京五輪
あの東京五輪の時、本当に日本は死んだと思った。
そして大阪万博 大いなる闇 日本の息の根が止まるかもしれない。
さて、
コロナの陰で行き場を失った大勢の人々
北林ミチコもその一人
かつての仲間からの連絡にも返事をすることはなく、その日その日だけを生きている。
この部分の設定も実際の事件と類似しているが、なぜ彼女は人を頼ろうとしないのだろうか?
店長にお金を貸してもらうのと、居酒屋のごみ箱の中の残飯をあさるのとどちらがいいのだろう?
結局最後に退職金をもらえるが、この物語の中でミチコは、「でも自分がこうなったのは自分の所為」といっていた。
それは確かのその通りだ。
しかし彼女は爆弾の作り方を教わりながら作り、都庁に仕掛けた。
実際それはただの目覚まし時計だったわけだが、この快感は彼女の心をスーッとさせたのは間違いないだろう。
彼女が決心したように「1度くらい端然と逆らってみたい」
この思いはすべてのテロなどと共通するのではないだろうか?
確かに危険思想ではある。
そしてミチコは、店長が「私も仕事辞めてきた」という言葉に感化された。
店長がマネージャーに逆らったのを想像したのだろう。
それができれば、もっと面白いことができる。
子供のいたずらにそっくりなこのこと
誰かを傷つけるつもりなど微塵もないが、コロナ渦でも平然と暮らせる底辺ではない人々に対するドッキリ
そんなくだらないことでもしなければやってられないという思い。
底辺の人々の強い思い
その思いをこの作品で表現したのだろう。
背景はあくまで「心身の調和とチームワークと友情」
しかし本音は「1度くらい端然と逆らってみたい」
これがこの作品の本質だろう。
面白さには欠けるものの、人々の心をよく描いていると思う。
お返事ありがとうございます。
ホームレスになった被害者の方は、
有名な元劇団員の方、だったのですか!
それなら、分かります。
プライドも、人に頼れないのも。
極秘(私にすれば、)情報ありがとうございます😊
共感コメントありがとうございます。
日本の貧困(精神的そして現実の)が、コロナ禍が落ち着いても
止まりませんね。
政府やマスコミが「本当の事を言わない」
本当の事・・・私にはちょっと、その本当とは?
よく分からないのですが、日本のマスコミは、殆ど機能していませんね。
「言うべき事を言わないマスコミ」
これは実感があります。
政府が怖い、
世論に迎合、
強いものに巻かれる、
それが日本のマスコミ。
「心身の調和とチームワークと友情」
これは美和子が社会から、好んで孤立していた事を指すのですか?
心が萎れると多分、心の病もあるのでしょうね。
ただ、主役の板谷由夏さんがゴージャス美人で体格がいいので、
配役としてはどうなんだろう?
とか思いました。