「【”愛の哀しみ:Nothing Compares 2 U"僅か39歳で癌に斃れた男が、”自分の人生を狂わされた”と思っていた母に言った最後の言葉が心に響く。男の医師の死生観が印象的な作品でもある。】」愛する人に伝える言葉 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”愛の哀しみ:Nothing Compares 2 U"僅か39歳で癌に斃れた男が、”自分の人生を狂わされた”と思っていた母に言った最後の言葉が心に響く。男の医師の死生観が印象的な作品でもある。】
■劇場で若者に演劇を教えるバンジャマン(ブノワ・マジメル)は、母クリスタル(カトリーヌ・ドヌーヴ)とともに訪れた病院で、末期の膵臓癌であると、告げられる・・。
クリスタルは自分が"若すぎる"と言って、別れさせた、バンジャマンの元恋人に連絡する。
元恋人は、認知されていなかった息子を独りで育てていた。
そして、息子は一人、会った事のない父パンジャマンの元を訪れる・・。-
◆感想
・バンジャマンと、母クリスタルに、余命を素直に伝える医師、ドクター・エデ(本当の医者だそうである。ブノワ・マジメルの演技と並び、名演だと思う。)の死生観が、印象的である。彼は、バンジャマンに余命宣告をしながらも、彼に寄り添う。
ー ドクター・エデのネクタイの柄を揶揄うバンジャマンの姿。-
・一方、彼にケアを施しながらも自らも苦しみ、彼とキスを交わすユージェニー(セシル・ド・フランス)の姿。
ー 非常に、フランス的だな、と思ったシーンである。-
■沁みたシーン幾つか
・バンジャマンが人生の整理をするために、残した遺言書。彼は、自らの財産を全て認知していない息子に贈る事を決める。
・息子は一人、会った事のない父パンジャマンの元を訪れる、病室のドアノブに手を差し伸べるが、扉を開くことなく去る。だが、彼は、母の元には戻らない。
そして、パンジャマンの友人が、彼が好きだったという”愛の哀しみ:オリジナルは、プリンス(けれど、好きなのはシンニード・オコナーヴァージョン。)のNothing Compares 2 U"をギターでパンジャマンのベッドの脇で、弾くシーン。
パンジャマンは、静に息を引き取るが、部屋に入って来た彼の息子が、”愛の哀しみ”を初めて会った父に弾くシーン。
ー ここは、沁みた。”Nothing Compares 2 U"が好きな事もあるが、沁みたなあ。-
<”いつか癌に負ける日が来る”と言う前提で物語は四季に亘り、綴られるが、末期にパンジャマンが、母クリスタルに言った言葉。
”僕を赦して・・”
”僕は赦す・・”
”ありがとう・・”
”さようなら・・”
”愛している・・”
このシーンでのクリスタルを演じたカトリーヌ・ドヌーヴの姿。
そして、彼の死を、休暇のドライブの際に病院からの電話で知った、ドクター・エデの少し微笑みながら軽く頷いた姿も印象的な作品である。
過剰な演出もなく、病院スタッフの明るさや、日本とは少し違う諦観した死生観も”成程・・。”と思った作品である。>
NOBUさんこんばんは
コメントありがとうございました。
男気ある“告白”をドキドキしながら読ませて頂きました。
NOBUさんのそのお言葉をお連れあいがご覧になったら、どんなにか喜ばれ、頬を桜色に染められることでしょうね。
お二人の幸せを心から祈らせて頂きます。
そして健康と長寿を!
長生きなさってください。
きりん