劇場公開日 2022年8月12日

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「ドキュメンタリーの難しさ」ブライアン・ウィルソン 約束の旅路 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ドキュメンタリーの難しさ

2022年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

単純

ザ・ビーチ・ボーイズは『サーフィンU.S.A』と『グッド・バイブレーション』の曲ぐらいしか知らず、メンバーに関する知識は全くもって皆無。そのためバンドの中枢を担っていたというブライアン・ウィルソンの事も、本作を観るまで未知数だった。
いきなり結論めいた事を言うが、バンドもしくはブライアンを知っている者でないとかなり辛いかもしれない。内容こそ被写体の半生を自ら綴るというドキュメンタリーの定石パターンだが、インタビュアーがブライアンの信頼を得ているという人物が務めているせいか、終始気を遣って接している感が拭えず。
薬物中毒や怪しき精神科医との関係、亡き兄弟との確執といったドキュメンタリーでは欠かせない辛い過去にも触れてはいるものの、どれも表面的にサラリとしていて、どこか淡泊。大のインタビュー嫌いで、今もメンタル面に不安を抱えているという本人が喋っているだけで良しとすべきかもしれないが、どうにも物足りない。
ドキュメンタリー映画は、被写体となる人物を全く知らない状態で観るケースが大半。最初は知らなくても、その人物がいかに壮絶な人生を歩んできたのかが伝われば作品に没入できるし、感情移入もできる。ただでさえドキュメンタリーは観る人を選ぶジャンルなので、そういう点で本作はいろいろと惜しい。
ただ、今年80歳になるブライアンが、今もなおステージにこだわる姿は素直に感服。というか、むしろそちらの方に重きを置いて密着して欲しかった気も。

ブライアンについては、伝記映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』がある。こちらを先に観ていたら、本作にもより没入出来ていたかもしれなかったのが悔やまれる。

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