「肩ひじ張らずに見れるホームコメディ」向田理髪店 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
肩ひじ張らずに見れるホームコメディ
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キャストの布陣を見て想像した通りの内容。
刺激が無いとも言えるが、逆に言えば安心して観られる。
介護、結婚難、後継者不足、財政難など過疎が進む全国の地方都市が共通して抱える多くの問題を深刻にならずにサラっと、且つ漏れ無くなぞっているのが好印象。
劇中劇の安っぽさも作品全体のバランスを考えたら、丁度いいし、何故この街がロケ地に選ばれたのかという必然性や国際映画祭でグランプリを取るほどの深みを何処にも感じさせないのが、かえっていい。
(売れっ子俳優役の本宮泰風がサインを求める本人の目の前でマネージャーに代筆させるというのは、やり過ぎ感があったが・・・)
余談。
どうでもいいことかもしれないが、物語は「筑沢」という福岡県の架空の町を題材にしていて、登場人物達も自分たちのまちを「筑沢」と口にしているのにも関わらず、途中、街の庁舎が映る場面で、「大牟田市」と書かれた垂れ幕が・・・
最初は編集ミス? と思っていたが、後から考えると筑沢という街は衰退に伴って近隣の大牟田市と合併したんだ、ということを表すための演出だったのかな?
にも関わらず、作中では「大牟田」というセリフは一度も出てこず、全て「筑沢」で通したあたりに郷土愛を示す地元民の矜持を感じることができた。
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