「これでもかのアクション連発」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
これでもかのアクション連発
スパイ映画の敵役といえば、かつてはソ連という国家がお決まりだったが、テロリスト組織の人間たちになり、今やAIそのものになったということか。とても今日的で、ある意味切実なテーマでもあるが、それはそれとして、作り手たちはとにかく生身の人間のアクションを追求している。
ローマでのカーチェイス。石畳でタイヤが滑る。スペイン広場での階段落ちなど、どうやって撮ったの?バイクで崖から飛び出すハイライトシーンでは、トム・クルーズの頬が風圧でピクピクするところまで写す本物感!
夜のベニスをはじめ、ロケーションが魅せる。オリエント急行はヒッチコックを思わせるクラシカルな雰囲気。ラストのアクションシーンは、列車を1台づつ見せたかったんだね。
とにかく、これでもかこれでもかのアクション連発で、金と手間ひまをこれだけかけた作品はなかなかない。ただ、2部作にするなら、もう少し短くてもよかったかも。せっかく苦労して撮ったのだから、使いたいという気持もわかるが。
見終わってから、これからのアクション映画において実写と合成がどうなっていくのだろうかと考えた。戦前のバスター・キートン映画を観て、「本当にこれやったの?今なら無理だよね」と思うように、いずれ生身の人間が実演すること自体に違和感を持つようになるのだろうか。
コメントする