「重厚感のある男たちのドラマ」神々の山嶺(いただき) kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚感のある男たちのドラマ
山登りは全く好きになれないのに、登山もののマンガは妙に好きだった。村上ともかの「岳人列伝」、石塚真一の「岳」、塀内夏子の「おれたちの頂」とか。ザイルで繋がれた仲間との絆、命の危険にさらされながらも未登頂の山に魅せられてしまう男たちの物語に震えてしまうのだ。
本作の原作漫画は未読(登山ものが好きなくせに)。マロリーの所有していたカメラの行方とエベレスト初登頂の謎を追う山岳ミステリー。と思っていたが、ミステリーより、男はなぜ命をかけて未登頂の山に挑んでしまうのかを描く物語だった。ミステリーとしてスッキリする結末は待っていない。それでもあまり残念な気持ちにはならなかった。山岳シーンの映像がとにかくキレイだし、声優(日本語吹き替え版)の演技も素晴らしくて、重厚感のある人間ドラマだったから。でも、個人的にこの重厚感は大塚明夫さんの声の効果が大きいと思う。
そして、山に魅せられた男たちのドラマが好きだから、基本的なベース点数が高めなことも影響している。それは仕方ない。
コメントする