「リーアム、ぼけますが、まだまだ戦い続けます」MEMORY メモリー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
リーアム、ぼけますが、まだまだ戦い続けます
プロの殺し屋。
完璧に仕事をこなしてきたが、ある日アルツハイマーを発症。引退を決意。
最後と受けた仕事だったが、それは意に反するものだった…。
怒りに燃え、消えゆく記憶の中で巨悪陰謀と戦うは、勿論この男!
リーアム・ニーソン!
戦い続ける男の前に立ち塞がるは、何も敵や陰謀だけではない。
時に病。
ニコケイもアルツハイマーを患ったアクション映画があった。
ブルース・ウィリスはリアルで。(例に挙げるのはちと不謹慎か…)
リーアムとて例外ではない。
ましてや殺し屋なのだから一大事。
あらすじだけ見るとなかなか良さげ。
意に反した最後の仕事とは、ターゲットが子供。子供は殺さない。
やがてその裏に人身売買組織や顧客である財閥など大物の存在を知り…。
記憶が失われていく中、子供を守り、巨悪の陰謀に立ち向かっていく。
メキシコが舞台でもあり、『マークスマン』のようなベタながらシンプルなアクションと思っていた。
が…
子供を守りながらの逃避行とか『マークスマン』の二番煎じはナシ。ターゲットの子供もあっさり殺されてしまうし。
リーアムの孤高の戦いだけだったらシンプルであったろうが、そこにFBI捜査官やメキシコ警察の捜査、人身売買組織や黒幕の思惑などが絡む。
それらが巧みに交錯し、相乗効果で話やアクションやサスペンスが盛り上がっていきたい所だったが、演出や脚本の捌き方がいまいちなのか、ちと分かりづらい。シンプルにイケそうな話をややこしくもしている。
アルツハイマーの設定も巧く活かされてるのか、いないのか…。
要所要所でアキレス腱になってはいるが、終盤撃たれ腹部に重傷を負い、命の危機…。こちらの方が大事!
いつもながらツッコミ所はあるが、その最たるは早々に。そもそもプロの殺し屋がいざその場になってターゲットを知るなんて事あるの…? 入念な下調べするんじゃ…?
何だか『マークスマン』的な旨味を、『ブラックライト』的な今一つ感で打ち消してしまったような、そんなこのリーアム・アクション。
単にリーアム怒りの無双ではなく、ガイ・ピアース演じるFBI捜査官ももう一人の主人公と言っていい奮闘。
殺し屋とFBIながら巨悪打倒は同じ目的で、やがて…の王道の男のドラマ。
モニカ・ベルッチが女ボスとは意外な役所。
そしてリーアムの存在感は言わずもがな。
ここ数日のリーアム祭り。一旦これで終了。
リーアム・アクションって特別秀でたり優れたりではないが、程よいB級グルメ。何だかんだ楽しんだ。
そんなリーアムはまだまだ我々を楽しませてくれる。
『バッド・デイ・ドライブ』『探偵マーロウ』が近々リリース。『探偵マーロウ』は期待しているんだよね。
全米では『マークスマン』のロバート・ローレンツ監督と再び組んだ新作が公開中。(初登場TOP10圏外だったけど…)
今後『アイス・ロード』の続編もあるし、何より気になるのは『裸の銃を持つ男』のリブート! リーアムさん、次はコメディ転身ですか!?
たまには重厚演技のヒューマンドラマも見たいなぁ…。
我々の漢、リーアム!
共感ありがとうございます。
演技派でありながら「96時間」以来アクション作品がはまってますね。
リーアム祭り一旦お休みなんですね。
私は「探偵マーロウ」より「バッド・デイ・ドライブ」の方が楽しめました。