NOPE ノープのレビュー・感想・評価
全283件中、261~280件目を表示
斬新で見応えはあるけど
終始ヒリヒリした緊張感が続き、不穏な空気に覆われて、なんとも言えない不気味さや恐怖が満ちる、さすがジョーダン・ピール。主人公の兄妹も個性的でカッコ良いし、ダニエル・カルーヤの大きな瞳がより恐怖を際立てていました。
これまでのビジュアルとはかなり異なる未確認物体の造形も見応えがあり、且つ、西部劇のような舞台設定もまた独特で新鮮。
視覚的な部分や全体の不快感(良い意味で)は良かったけれど、やや短調で、スリルに関してはかなり期待値を下回ってしまった印象。また、主人公たちの目的や行動の動機もイマイチ分かり難かったり、説明のないまま終わった謎も多く、消化不良な面もあり。
とはいえ、観賞後にこのあたりを深掘りしていくのもまた面白いところかも。
どうにもこうにも評価が無理…。
今年252本目(合計528本目/今月(2022年8月度)28本目)。
結局、ネタバレしないように書こうとすると、ここの特集などに書いてある範囲である「突如現れた不気味な飛行物体」の話になってしまいます。
ただ問題はそこからで、他の方も多く書かれていますが、キリスト教文化やアメリカの1970~80年台の文化(その割に、WindowsXPか10かを想定できるパソコンは出るけど…。少なくともノートパソコンはその時代には存在しない)が「そのまま」でるかと思えば、設定の関係上スペイン語もちらっと出て(ただ、特定の場所で出るだけ)、どのような知識を要求しているのか理解がちょっと想定しづらい、そこに全部つきるんじゃないか…と思います(逆に1度見ると、要求される知識は何かはわかるが、2回見ようとは思わない類の映画)。
決してダメな作品ではないですが、アメリカ映画等でも、日本の文化から推測がつくものとつかないもの、つかないものでも既存の日本の文化からある程度推測が足せるものと全く無理なもの、また「できるもの」でも、本人の知識力(学力)次第か…といろいろ分かれていくのですが、この映画はおそらく、(日本人ないし、日本人と実質同視できうる外国人も含めて、ここに書き込めるような日本語の知識を前提として)かなりの年数向こうで暮らして相当知識を持っている…という前提でようやくわかるか…という「妙な部分」があり、しかも「その部分」(これをかくと一発ネタバレアウト)がかなりマニアックなので、「そんなのわからないよ…」というところに大多数の方がいかれるのではなかろうか…というところです。
今週(8/26の週)は作品こそ少ないものの少数精鋭でそろっていて、その中でこれを推せるか…となると、2番手3番手以下ではなかろうか…と思います。
---------------------------------------------------------
(減点0.3/趣旨がかなり理解しがたい)
・ もちろん日本映画ではないのである程度は文化を推定する知識はいるし、映画のタイトル名や予告などからある程度の知識を引っ張っていくこと自体はもう観客がすべきことですが(逆に、日本映画が韓国・アメリカその他で流される場合も逆に日本文化は当該の国で見る方には要求される)、この映画は「そんじゅうそこらの知識では足りない」「おそらく要求される知識範囲(カテゴリ、領域…といったほうが良いかな)がバラバラで、しかも分野違いにすぎてその「複数の知識」を全部把握できる人が少ない」という部分、究極論でいえば「そもそも日本で見ることが想定されない」映画の類なのではないか…と思えます。
結局そうなると、「見る人の知識がどうこう」というより、「配給会社側のチョイスミス」「かりにそれでも選択するなら字幕を工夫するなり」が必要なのに何もない…という状況で、かなりの人が力尽きる(ただ、人を見下したり、不快なシーンは一切存在しない)映画ではないか…と思えます。
(減点0.1/語法ミス)
・ 動詞 appreciate (~に感謝する、~を高く評価する)は「人」を目的語に「とらず」「人の行為」を目的語に「とる」ため、 appreciate your action (あなたの行動に感謝する)とは言えても、 appriciate you (あなたに感謝する)とは「言えない」ので注意です(英検や、TOEICのライティングテスト等でこれをやると、容赦なく減点されます)。
※ ただ、appreciate は中学英語で習うような多義語ではなく、結局「感謝する」「高く評価する」という意味しかないので、こうした語法ミスがあっても「意味理解の妨げにはならない」という点はありますので、減点幅はそこまでです(中学英語のgive や take などのミスは0.1どこではすまない)。
---------------------------------------------------------
悪い未知との遭遇
解釈によって賛否両論どちらも取れる作品
ゲットアウト、アスで人種差別から格差社会をスリラーやホラーを軸に融合させその圧倒的な世界観と現実社会を皮肉った!ジョーダン・ピール監督今までとは全く異なるジャンル
SFのUFO作品が表立ってストーリーはごくシンプルに見えるも、その裏側に隠れているテーマはやはりジョーダン・ピール節健在。
所々に散りばめられたヒントのピースを見逃さず見えて来る完成とその下地とエンターテイメントも忘れず、スティーブン・スピルバーグやM・ナイト・シャマランやAKIRAからエヴァンゲリオンのオマージュといたせりつくせりに一筋縄ではいかない怒涛のスピード感ある展開に目が離せない!
特にUFOを監督曰く、スティーブン・スピルバーグの代表作JAWSを海から空にシフトチェンジした感性はユーモラスで見ててハラハラさせられた。
今までの、ゲットアウトやアスの人間視点で見る部分からUFOの視点で、普通のエンタメと思ってしまうが根っこに隠されたテーマを理解するかしないかでかなり賛否両論する作品と言えよう、個人的には観終わった後に語彙力消失して何て言えばいいのか困惑する面白さをSFホラーで見事に描いた手腕は凄い、アスの時もそうであったが、1回では理解し得ないのでもう何回か見たくなる、スルメの様な噛めば噛むほど味が出る作品である!
解りやすくて楽しみやすい間口の広いピール作品
この手の作品はモヤモヤしながら
劇場を後にすることが多いのですが
珍しく清々しい気持ちで退館しました。
ジョーダン・ピール監督は
AKIRAやエヴァが好きと公言していました。
庵野秀明はエヴァで総監督以外に
音響としてクレジットされています。
使徒など未知の生命体を表現する上で
音響効果が与える印象はかなり大きいです。
本作でもそれを強く感じました。
音だけで観客の想像力を掻き立て
不安を煽り、劇中の人物と同じ緊張感を共有。
そして誰もが知っている
AKIRAでの金田のバイクのあのシーン。
予告でも観られますが
やはり本編で観るとニヤリとしてしまいます。
そしてラストがとにかく好きです。
ネタバレ禁止の予告では
どんな作品か想像し難いですが
解りやすくて楽しみやすい
とても間口の広い作品だと感じました。
最後、、
UFOの正体がすべて
登場人物達の目的が、UFOをやっつけることや、自分達が生き残ることではなく、スクープ映像を撮ることだというのが、いかにも今風で面白い。ただし、今の時代、映像をSNSにアップしようとしないところには違和感があるので、電力の消失のためにスマホが使えなくなるというところは、もっとしっかり描いてほしかった。
前半は、UFOの正体を含めてジワジワとサスペンスが盛り上がるが、後半は、VFXを駆使したアクション描写が主流となり、やや尻すぼみな感が否めない。
チンパンジーのエピソードや父親の死が、伏線として十分に機能していないし、それぞれに個性的な登場人物達のキャラクターも、物語に上手く活かされているとは思えない。何よりも、この監督ならではの人種問題に関するヒネリがないのは物足りない。
結局、特筆すべきはUFOの正体だけで、それがすべての映画だった。
ジョーダン・ピール監督遂に本格SFへ
ジョーダン・ピール監督の第3作目。
前作「US」でSF要素を取り入れ始めた辺りから次作はかなりシンプルにSFで攻めてくるような気がしていたが予想通りだった。CMを見たならば期待していたものは得られるだろう。人間の動物との関係という裏テーマはありつつも基本的には未確認の何かを追求する映画だ。ただ本作には監督のこれ迄の2作のようなドンデン返しみたいなのは無い。そこを気に入っていたファンからは批判されそうだがスティーブン・スピルバーグの「未知との遭遇」やM・ナイト・シャマランの「サイン」のようなSF映画が好きな人は気にいる作品だと思う。そもそもサプライズやドンデン返しみたいなショッキングなものばかり期待するのも映画好きとしてどうかと思う。
緊張感とミステリアスかつリアリティー溢れる演出に視覚的に貢献しているのはクリストファー・ノーラン監督作品で知られる撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマであることは間違い無いだろう。ジョーダン・ピールはハリウッドにとって美味しい監督だ。少ない予算で一定のクオリティを必ず見せてくれるとこの作品でも証明してくれた。これで彼も次回監督作も決定だろう。
とにかくSF映画を見たいなら映画館へゴーだ。黒人ばかりだー!ポリコレだー!とか騒ぐようなセンスの無い奴には間違ってもオススメしない。君たちは映画を見る前にやるべきことがある。
最初の1時間の不気味さはどこへ行った?
上空の何か
ジョーダン・ピールが描く「スリラー映画」は古典的で王道なわりに、どこか新しさを感じるところがあります。それはおそらく、登場人物の強烈なキャラクター付とテンポ感が大いに影響することで、作品に独特な「個性」を生んでいるような気がします。
陰キャで頑固な兄貴OJ(ダニエル・カルーヤ)と陽キャでイケイケな妹エメラルド(キキ・パーマー)の兄妹。そして抜け目ないわりに律儀な“技術担当”エンジェル(ブランドン・ペレア)や、壮絶な過去を今も追い続けるリッキー(スティーブン・ユァン)他、個性豊かな面々が織り成すアクションは、緊張や恐怖に時折オフビートなユーモアが利いていて絶妙な面白さがあります。
ただ、前2作品が「人間の奥底にある怖さ」を描いた作品だったのに対して、今作は「上空の何か」が相手。実際、映画が進むにつれその「何か」が姿を見せるのですが、正直あまり「ピン」ときません。おそらくこの手の「超常現象」に対する興味が高くないことも影響しているかもしれませんが、まぁ、そこはいわゆる「設定」として見れば十分に楽しめる作品にはなっていると思います。
何なら、前述したリッキーの過去「ゴーディ事件」が一番恐ろしいのも、ある意味「いいスパイス」になっている気がします。
得たいの知れない巨大な物体が襲う恐怖
全283件中、261~280件目を表示