「風刺はいいが、それなら正面から勝負してほしかった」NOPE ノープ けやきさんの映画レビュー(感想・評価)
風刺はいいが、それなら正面から勝負してほしかった
風刺や、細かい作り込みについては、「丁寧に作ってあるなあ」と確かに感心します。
技術的なところでも、アマプラで観たので貧弱な視聴環境でしたが、それでも音響や、だだっ広い土地や空の描写など、すごいなあと素直に感心しました。
ただ、それらの細部や仕掛けが映画の面白さや感動につながっているかというと、うーん・・という気がします。
よく解説されている、見る/見られる関係についての風刺的な描写はそうなのでしょうが、それがホラー映画として怖さのプラスになっている訳では無い気がします。
怖いといえば、かえって補助的なエピソードであるチンパンジーの暴走シーンの方が怖かったかも・・。
「風刺が効いている」で終わるのではなく、それを正面から恐怖として描いてほしかったと個人的には思いました。
後半は完全に単なるバケモノ退治で、全然怖くなかったので。
エヴァやAKIRAへのオマージュもありますが、個人的には、そういう小ネタより本体で楽しみたい!派なので、あまり響きませんでした。
でも雑な部分は全く無い映画で、この監督の他の映画も観てみたいと思いました。
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