「IMAXカメラの醍醐味がガッツリ味わえる、極上のスペクタクルサスペンス!。」NOPE ノープ Y.タッカーさんの映画レビュー(感想・評価)
IMAXカメラの醍醐味がガッツリ味わえる、極上のスペクタクルサスペンス!。
ホラーサスペンスの名手、ジョーダン・ピールの面目躍如といったところ。今作はそのサスペンスのスリルにIMAXカメラを活かした大画面ならではのスペクタクルな興奮もプラスされて、2時間弱の時間、劇場映画の醍醐味をお腹いっぱいになるまで楽しませてくれる。
冒頭いきなり、チンパンジーが人間を撲殺するという映像で強烈なインパクトを与えた後は、常に何か起こるぞという焦らし方の妙で前半は静かに不穏な空気で見せていく。そして未確認生物の正体が明らかになり始める中盤以降は何か大変な事が起こる前触れにIMAXに切り替わるという、こちらの不安を煽る演出が秀逸。後半はこれぞIMAXという迫力で未確認生物との対峙を描いていく。
動物という支配されている側の生物との言葉を介さない人間の一方的なコミュニケーションがこの作品の根底に流れるサスペンスのテーマになっていて(ご丁寧に動物の名前が付いたチャプター仕立てになっている)、それが未確認生物の対処方法へ繋がっていくあたりも面白かったし、人生に疲れた感じの市井の主人公がその未確認生物と対峙して成長していくあたりもエンターテイメントの作りとして抜かりない。何よりも、IMAXで見せるサスペンスとして、たっぷりと怖がらせてくれる極上の作品。
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