「神経を逆撫でするような生々しい映像に圧倒される」ノースマン 導かれし復讐者 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
神経を逆撫でするような生々しい映像に圧倒される
人間の原初的な部分をえぐり出すかのような、生々しくて、荒々しい映像に圧倒される。
人と獣の境界線や、文明と自然の境界線が、まだ曖昧だった頃の物語であるということが、スクリーンから、肌感覚で伝わってくるのである。
荒削りで、洗練されていないアクションが、逆に良い「味」になっているし、神話的な要素や超自然的な描写も散りばめられていて、ファタジーやホラーの味わいも楽しめる。
極めてシンプルな復讐の物語ではあるが、主人公の目的が、父親の仇を討つことから、産まれてくる子孫を守ることに変質するところも面白い。
ただ、復讐の相手である叔父を殺すチャンスは何度もあったはずなのに、なかなか本懐を遂げられないところにはフラストレーションがたまるし、話がもたついた感じになってしまったのは惜しまれる。
もう少しテンポがよければ、復讐のカタルシスも増したのではないだろうか?
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