女神の継承のレビュー・感想・評価
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テーマは良かったのに
他のかたも書いてますが、一言で言えばタイ版エクソシスト。
それにアジア圏ならではの土着信仰、アニミズムを絡めていますが…
正直、絡め方が淡々とし過ぎていてあまりホラーとして機能しておらず、怖いと感じるシーンが皆無です。
ダラダラ話が続いてようやくクライマックスに怖がらせにはきましたが、これまたありがちなジャンプスケアばかり、かつ同じやり方ばかりで白けてしまいました。
ヒロイン?の豹変に対して、周りの反応が薄いのもリアリティに欠けました。あんなにはっきり人格変わってたら、その時点でもっと大騒ぎになりそうなもんですが…
元々わたくしは「コクソン」からして微妙だなぁという感想だったので、本作もああやっぱり、という感じで。
少数派なのかも知れませんが、まぁこんなホラー好きもいますよということで。
度し難い怖い悪霊ホラー!
えげつない…!度し難いくらい怖いしえげつないホラーでした!
「哭声/コクソン」を作ったナ・ホンジンがプロデュースと原案に関わって製作されたタイのホラー映画であり、内容はまさしくタイ版コクソンでありエクソシスト(+後半は少々パラノーマル・アクティビティが入る)。
本作の魅力を語る前に...
今作を観た後に思いました。自分は宗教系のホラーや人間が大きく関わるホラーが一番怖いのかもしれません!
ホラーも様々な種類がありますが、その中でもゾンビや妖怪は怖くても「結局存在しないじゃん」という考えが自分にとってフィルターとなってしまいます。
しかし、悪霊に取り憑かれたとは言え人間は存在しています。人間だからこそ抗えないですしリアリティがある分怖く感じてしまいます。
劇中ではミンと呼ばれる祈祷師の姪が悪霊に取り憑かれますが、取り憑かれた時が女優さんの演技力も相まって本当に怖いです!
ミンを演じたナリルヤ・グルモンコルペチさんは顔立ちが整っていて綺麗なのですが、綺麗である分近づき難い部分も感じられます。その分、取り憑かれた時の不気味さと気持ち悪さが余計際立っていたと思います。
そして、モキュメンタリーなのでカメラ目線で襲われる時は容赦無くて、文字通り戦慄しました(笑)
その他、祈祷師のお祈りする時の道具(蝋燭や皿等)や神様の像の造形等もタイの地方に在りそうなリアルさで素晴らしかったです。
一応突っ込みどころとしては、モキュメンタリー方式なのに時折フィクションのホラー映画感が出てしまう撮影方法が少し残念なのと、終盤の展開での犬や子供へのセキュリティが変に甘かったり首を傾げる所はありました。
ただ、ここ数年の新作ホラー映画の中でもトップクラスに怖くてえげつないホラー映画でした!
※犬好きはかなり注意です!
ポスターの宣伝文句に偽りなし
前半は静かなものの、後半は“怒涛の恐怖エンターテイメント”とはよく言ったもの。ラーメン屋で言えばトッピング全部のせの“スペシャルラーメン”というか、とにかくホラー映画を見にくる観客を怖がらせてやろう、という製作陣のサービス精神が凄い。
プロレスで例えるなら前半はロックアップからのじっくりしたレスリングが続くかと思いきや、後半はかつてのスタイナー・ブラザーズもかくやという必殺技の大盤振る舞い。
ありがとう、おいしく頂きました。
追記
製作のナ・ホンジンの監督作『哭声/コクソン』は本作の原案でもあり、ホラー映画と見せかせてイエスの復活と最後の審判を描く話だった(もちろん、ただ毒キノコを食べて皆が狂ってしまった村の話なのかもしれない)。
本作もタイ王国が舞台でありながら、タイの国民教である仏教は葬式シーンの背景でしか登場せず、本筋に関わるのは土着のアニミズムとキリスト教。さては…としばらく会社で仕事をするふりをしながら考察してみたのだが、今のところコクソンのような裏ストーリーを読み取る余地は無さそう、かな。
ある程度の前提知識は必要。
今年226本目(合計502本目/今月(2022年8月度)2本目)。
他の方も書かれている通り、いわゆる地域に住まう精霊を信仰する趣旨のホラー映画。
この観点でいわゆる「シャーマン文化」という考え方が前提にあるので、その知識があると理解にかなり助けが出るかなというところです。
R18ですが、いわゆる「大人のシーン」はせいぜいPG12扱いで、残酷な描写や特定の「通常ではない食文化」でひっかかったと思います(この点で、セルビアン・フィルムとは違う)。
ホラー映画の体裁をとりつつ、「あたかも」実話ものと見せるようなドキュメンタリー映画のようなタッチをとっており、「この意味で」ネタバレが結構発生してしまいます。それらはすべて省略します。
映画の作品自体としては気になる点もあったものの、R18指定という扱いであり、映画のストーリーとしてもわかりやすいという部分も考慮して減点なしフルスコアにしています。
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(参考/原題タイトルの The medium って何?)
・ medium という語はあまりききませんが「手段・方法」「保存媒体(ハードディスクなど」、さらに「(宗教における)媒体物・巫女」などの意味があり、この映画では最後の意味で用いられています。
英単語で名詞のうち、-um で終わる語はラテン語語源のものが多いです。これらの単語は単数形で、複数形にすると -um を消して -a をつけるというルールです。例えば、おなじみの「データ」(data)は実は複数形で、単数形 datum が存在します。
ただし、medium は特殊で、複数形はこのようにルールを適用して media という形をとるものももありますが(「メディア」はおなじみの語ですね)、「宗教における、媒体物・巫女」という意味では通常の複数形をつくる(つまり、-sをつける)という特殊なルールがあります。
このあたり、原題タイトルがすこしわかりにくい(複数形 media がおなじみだが、「宗教における媒体物・巫女」の意味では mediums が正しい)ので、参考までに。
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エンドクレジットで救われました。
古典的名作から「お分かりいただけただろうか?」までオカルトホラーの美味しい所を何の衒いもなくドシドシ入れてきて逆に潔さがあった。
冒頭が地味なのでアート系映画なのかなと思って観ていたので、中盤くらいからてんこ盛り盛りのジャンル映画になってたまげた。
『マッハ弍』のラストは唐突にカルマがどうのと言って主人公が壮絶な死を迎える。
そうなんだよ。タイにおける前世のカルマは女子供無関係に容赦なく厳しいものだったんだ。タイ国民はあのラストは腑に落ちるのだろう(?)
犬肉食の話をしょっちゅうするものだから嫌な予感がずっとしてて、案の定最悪(褒)なシーンが出てきたけど、エンドクレジットで「動物に危害は加えてません」というのを見て心底ホッとしました。
タイと韓国が見事に合体。
なんとも不思議な感覚にのめり込ませるホラー映画。ドキュメンタリータッチがコレ本物?と思わせつつバシバシ怪異現象乱発。中盤でサラッと根っこの恨み話もしっかりさせてラストまで突っ走る。エクソシストベースなこけおどしでないPOVの見せ方がうまく作られてるなー、と。タイのジメッとさと韓国らしい明確なストーリー展開で見応えたっぷりなホラー作品になってました。
新たなるレガシー
面白い!エクソシスト、ブレア・ウイッチ・プロジェクト、ロメロのゾンビに数々のホラー、スプラッター映画のエッセンスをテキスト作り出した素晴らしい内容の映画。特に美術が秀逸。儀式、聖地等の美しくも怪しさ漂うセットは圧巻である。俳優陣も素晴らしく、緊張感が持続する秀逸な作品である。アジアメイドの作品は最早金満映画でしかないハリウッド製を感性上では越えている。製作者たちの才能が発揮された金字塔のような作品。これからのアジアメイドの作品に対する楽しみが尽きない。邦画は大きく水を開けられている。いつまでペラペラの作品を撮り続けるのか?今の日本には映画でさえ未来が無いのだろうか?考えるだけで暗澹たる気持ちに苛まれる。
悪霊に取り憑かれたミン役の凄まじい怪演
悪霊に取り憑かれたミンを演じた
ナリルヤの怪演が凄過ぎます。
エクソシストのリーガンに匹敵する衝撃。
作品が成功するか否かは彼女次第。
そんな肝となる人物を全身全霊で
演じたナリルヤの俳優魂に心から拍手。
女神VS悪霊。
観客としては祈祷師ニムに
ポルターガイストに登場した
最強霊媒師タンジーナ並みの活躍を
当然期待しますが…。
祈りを信じる人達を激しく挑発?する問題作。
恐ろしい作品でした。
タイトルからこんな作品だとは、思いもしませんでした。
超苦手な分野です。
ミンの変貌にビックリ!最後までつづくなんて!
母もミンのこと妹のニムに頼んだけど、ニムの突然死。
とにかく死人だらけで、作品として完成したことがスゴいことだと感じました。
女優だけは良かったが他はダメ
ナホンジンの前作がダメだったので、期待はしなかったが、やはりダメでした。怖らがらせたいのか娯楽としてみて欲しいのかよくわからない。オチは更に微妙。
最後まで見たが全く見る価値が無かった。
途中で帰る客も数名いました。
女優さんはこれから人気出そうな美人でした。
【良かった点】 中盤から後半にかけての恐怖演出のたたみかけには痺れ...
【良かった点】
中盤から後半にかけての恐怖演出のたたみかけには痺れた。除霊バトル?みたいなのが始まった時のワクワク感がたまらない。カメラを通して観ている観客がラストに殺される側になるという展開もありそうでなかった演出。女神バヤンがいるかいないか曖昧なのも良い味を出している。信仰するしないに限らず邪悪なものは存在するよ?っていうあの感覚、好き。
【良くなかった点】
モキュメンタリー作品の運命でもあるが、この映像はいったいどうやって手にいれたんだろう?が常に脳裏をよぎっていた。だって全滅じゃん。あいつらがカメラ綺麗に残しておくかな?
ナリルヤ・グルモンコルペチの怪演
タイ東北部の村で祈祷師一族の血を継ぐミンは、原因不明の体調不良に見舞われ、凶暴な言動を繰り返すようになってしまった。ミンの母は、祈祷師である妹のニムに助けを求めた。ミンを救うため、ニムは祈祷をおこなうが、ミンにとり憑いていたのは想像をはるかに超えた強大なものだった。という、実際に有った話を基に作った作品。
途中までミンがどうしたのかな?程度のおかしな行動をしていたのだが、監視カメラを設置してから、除霊の儀式に至る内容はなかなか凄い。
エクソシストだったり、カメラを止めるなだったり、ゾンビ映画や怨霊、悪霊のオンパレードでどのシーンも観たことあるような内容なんだけど、怖かった。
主演ミン役のナリルヤ・グルモンコルペチがすごい演技をみせてくれる。
何人の男とセックスしたり、犬を煮て食べたり、誰かれなくナイフで刺したり、取り憑かれた人の行動がもの凄い。
彼女の怪演がほぼ全てと言っていいくらいの内容だった。
若くて可愛い女優さんがあそこまでやるとは・・・彼女にプラス評価です。
拙いモキュメンタリー映画
名作コクソンのナ・ホンジンが関わってると知り鑑賞。結論としては粗のあるストーリー、モキュメンタリー形式に製作陣側の大人の事情が透けて見え始終乗れず凡作としかいいようがない出来で残念でした。
食人族に通じる土着信仰をメインとした最高のホラー要素を題材として取り扱っており、主要キャストがいい味を出していた分ほんとに勿体ない。
大まかな話の流れとしてある土着信仰をTV?の撮影陣が追って次第に怪異に巻き込まれていくのだけれど、肝心の撮影陣がストーリーの都合でしか動かない、例えば人が殺害されようとしてるのに無言で撮影を続ける?助けを求めてるのに冷静に撮影を続ける?...そういう細かい部分がノイズになって積み重なり逆にリアリティを削ぎ落とし、ストーリーが破綻してしまう。監督の腕の所為だろうが...
常々、モキュメンタリー映画には疑問を持っているのですがこれが予算の都合、監督の未熟さを埋める為の手法ならば映画業界から早くなくなってほしいとさえ思ってしまいました。
圧倒的に邪悪な悪霊の前にはなすすべもないのか。
もはやデビュー以来、韓国映画界の鬼才中の鬼才と言われるナ・ホジン。彼の映画が単なる悪魔祓い映画に落ち着くわけがない。
前作の「コクソン」をモキュメンタリー形式とPOV方式でさらにブラッシュアップさせた本作は緊張感が一切途切れぬ稀有な恐怖体験を観客に味合わせてくれる。
もちろん隠しカメラ映像の件はシャマランの「ヴィジット」を彷彿させるも、しかしどうみてもドキュメンタリーにしか見えない役者のリアルな芝居や、どこからがロケでどこからがセットなのかわからない美術の凄さ。それらが相まって本作を説得力ある一級のスリラー映画に仕上げていて、総合的にみてかなり完成度の高い作品だった。
ラストのある人物のインタビュー映像は本作の絶望感に駄目押しする点でも秀逸だった。
汗が止まらないイヤな感じ
2022年劇場鑑賞175本目。
タイの悪霊憑きの話。まぁこう書くとよくあるホラーの設定なのですが、タイという国の持つもともとの熱帯という感じと、モキュメンタリーという設定もあって、怖いというより終始イヤな感じで進んで行きます。もう最後はコメディでいえばドリフのオチくらいめっちゃくちゃになるので映画はこれでいいけど実際どうすんだこれくらいになっています。
今日はそもそも熱中症危険アラート発動するくらいの暑さではありますが、一本前のバッドマンを見ていた時はそんなことなかったのに、この映画では汗を拭いても拭いても噴き出してきました。
ウコンの力はどんな力?
タイ東北部の村に住むシャーマンの家系の娘に何ものかが取り憑く話で、巫女の主材をする映像という体でみせていくモックドキュメンタリー。
巫女になることを拒み改宗した姉に変わり女神バヤンを宿らせる次女の主材の様子から始まり、程なく姉の旦那の葬式に。
そして姉の娘ミンが時々おかしな行動をする様になって行くストーリー。
バヤンがミンに!!という姉ちゃんだけど、イヤイヤバヤンだとしたら行儀悪くない?
人の話も聞かずよそに頼っちゃってもう…。
そこから急激に憑きものの影響が加速していき、なかなかエグさもあるけれど、ちょっとクドさも感じる。共食いだし。
所謂業ってことですか…実はカルマの継承ですね。
なかなか面白かったし見応えもあったけれど、意外だったのは巫女のあっさりさ加減ぐらいで意外性はなく、どこかでみた様な内容という印象だし、深いドラマがあるわけでもなくこの尺はやっぱり長かった。
全110件中、81~100件目を表示