逆転のトライアングルのレビュー・感想・評価
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人間の滑稽さが胸くそ悪く炙り出されて面白い
社会的立場の違う人々に天変地異が起きると…
というストーリー。
現代における人間の嫌なところを全部描かれているのではないかと思うほど、胸くそ悪い作品(良い意味)だった。
しかし、これは現実でありそうだなと思えるし、なんとなく心当たりがあるから観ている側がより不快に感じるのではと思った。
現代における私たちへの皮肉がたっぷり入っている。
一本の映画でこれだけの皮肉を交わり合わせることができた制作者へリスペクトであるし、アカデミー賞作品賞にこの作品がノミネートすることも良いものだなぁと感じた。
カタルシスのための皮肉
社会のヒエラルキーに対する
皮肉を込められたブラックユーモアムービー。
三章から成る構成なのだが
宣伝で主に使われている
豪華客船のセレブ乗客とトイレ清掃員の
立場が入れ替わるという設定は第三部。
「逆転」まで些か長いような気もしたが
庶民がセレブを蹴落とす構造には
それに勝るカタルシスがある。
社会的立場が人間を変えてしまう
冒頭の撮影シーンで「ニッコリするのは安いブランド。高いブランドは人を見下すように無愛想にしなければダメだ。」とカールはテレビの司会者からいわれ、ニッコリと無愛想の顔を交互に繰り返す。なるほど、いわれてみれば、ファストファッション、ハイブランドの広告を思い浮かべると、ブランドによってモデルの表情に違いがあったなということが目に浮かんだ。監督の批評精神に感心した。
こういったファッション業界やルッキズムへの風刺からはじまり、金銭至上主義の消費社会の虚しさと滑稽さの描写、果ては階級社会を大転換してしまうというストーリー展開がダイナミックで刺激的であった。
無人島においてお金はなんの役にも立たない、一番大切なのは食料である、食料はお金では買えない、自ら獲得しなければならない、それを獲得するにはサバイバル精神が必要だ。
そこで階級社会の頂点に立ったのはトイレの清掃婦アビゲイルだった。社会的立場が人間を変えてしまう、アビゲイルは無人島においてキャプテンとなった。
社会の中で不遇な環境で虐げられている人にとって拍手喝采の出来事、状況さえ変われば自分だって優位に立てるのだという希望、自分も元気が出てきた。
松濤が眼前に拡がるBunkamuraで観るのが正解。
レストランの支払いから始まる男女の鍔迫り合い。船上のてんやわんやは懐かしのドリフ調。漂流した島では立場逆転。そしてラストに待ち受ける衝撃の事実へ一気に突き進む。
富める者・貧する者、与える者・与えられる者の二項対立と笑いのネタは、ローコンテクストで容易に理解しやすい。
でも観終わった後は、スッキリしたというよりは、何とも言えないザラつきがこびりついた感覚。おそらくこの関係性には終わりがないという救いようのないリアルを、あらためて見せつけられたと言うか。そう考えると笑ってもいられない。
BALENCIAGAとH&Mの二項対立のシーンは、つい頬が緩んでしまうけどね。
人間社会の縮図の詰め合わせセット
レビューを見ると賛否両論だったので心配していたが杞憂だった。
苦手な人がいるとは思うし、その部分がかなり宣伝では隠されている。しかし、それを補って余りあるほどに楽しませてもらった。
合わない人はストーリーを楽しみにしていたのだろうが、社会風刺コメディであればこそ、その過程とやりとりこそが面白い。だから結末もそこまで気にならなかった。
社会風刺にしては直接的でわかりやすい形だが、モデル業界をテーマにして、「女性優位」になっている点、そして女性優位の中での男性の見た目、性についても描かれているのが新鮮である。
3部作になっていて、どのエピソードでも、格差社会と人間の欲にまみれた構図が描かれており、笑いながらも、人間ってどうしようもないなと感じざるを得ない。
邦題と原題(Triangle of Sadness、眉間のシワ)が異なっているが、逆転ばかりがフィーチャーされている作品でもない。原題のままの方が作品をよくあらわしている気がするが、改めてこの手の映画を日本に持ってくるのは非常に難しいとも感じる。
オープニング、そしてエンディング通じておしゃれでよかったものの、ただ、3部目がちょっと長いかな。
ハリス・ディキンソンは、「キングスマン」「ザリガニの泣くところ」と観ていて最近見るなあと思っていたが、今回のが一番ハマり役。
英語ネイティブの人のほうがより面白く感じるのだろうか、劇場に外国人の観客がいて快活に笑っていたので、そのおかげか、とても劇場全体が笑いやすい雰囲気になっていた。
ふと、これも映画館で観る醍醐味であるとともに、コロナも収束して海外の人が増えた流れなのかもしれない。
2023年劇場鑑賞37本目。
トライアングルは不安定
男女の奢る奢られるの不毛な言い合いから始まり、この世の縮図のような階級社会クルージングが出航。
ヒエラルキー上層部たちがやりたい放題、ブラックコメディの連発、いよいよ船内がカオスな状態に…。
ここまで観ていてとても長く感じた。
皮肉ったネタは笑えて面白いが、一つひとつのネタをもう少し短くしてくれたら間延びせず観られたと思う。
いよいよ船が沈み、無人島へ漂着。
ついにここでヒエラルキーが逆転し、トイレ清掃員がリーダーとなりやりたい放題。
しかしラスト ヤヤがエレベーターを見つけた瞬間、また逆転し「雇ってあげるわ。」と一言。
ヒエラルキー(三角形)が逆転した瞬間のガタンという音が聴こえたような気がするぐらいこの一言に衝撃があり、そのときのアビゲイルの夢が終わってしまったという表情がすごく良かった。
果たしてラスト アビゲイルはヤヤを殺したのか、またカールは何を思ってあんな必死に走っていたのか気になるところ。
ヤヤは生きており、あと少しでサバイバルから脱出できる喜びからの懸命な走り姿なのか、ヤヤが殺されたことを知り、ヤヤの元へ駆ける緊迫した走り姿なのか。
前者であってほしいが、草木を気にせず笑顔無しで走っていたのを考えると後者のような気がする。
最低最悪。
久々に評価に値しない映画見た。
星0。
レビュー書くの星付けなきゃいけないのも嫌だね。
終始、「エロ・グロ・ゲロ」の話し。
しかも上映時間が長い。
面白くない。
時間もお金も無駄にした。
見なきゃ良かった。
多少無理してでも多くの人に観て欲しい
長尺で3つのパートに分かれているが、どこを取っても面白い。
パート1はモデルの卵の青年と売れっ子インフルエンサーの彼女のレストランでの支払いをとっかかりにした痴話げんか。男女平等を巡って微妙にすれ違う2人の価値観。高級ディナーに誘っておいて男が払って当然って態度の彼女に抗議すると、このホテルに泊まれるのは私のおかげだしシャツもプレゼントしたし、ただ対等にいたいだけ、と主張する自称フェミニスト。どっちもどっち。どっちかと言うと彼に同情。
パート2は豪華客船。ロシアの肥料会社経営者、英国の非常に品の良い穏やかな老夫婦は手榴弾の会社経営者、と、売れっ子インフルエンサーなんか足元にも及ばないヨーロッパ各国の超金持ちが乗船。しかし船長は酒の飲み過ぎで部屋から出てこない。仕方なくキャプテンディナーは海が荒れそうな木曜日にやることに。クルー達はワガママな乗客のおもてなしに精を出すが、金持ちは、格差なんかない、と仕事中のクルーをムリにプールに入れたりする。船が大揺れする中、超豪華ディナーが始まる。しかしみんな船酔いしてしまい、殆どの乗客が嘔吐を繰り返し、ディナーどころではなくなる。ロシアの資本主義者とアメリカの共産主義者(船長)のやり取りも面白い。そんな中、海賊に襲われて船が爆発、難破する。
パート3は漂着した島。モデル&インフルエンサーの他に金持ちロシア人と1人参加のもう1人の金持ち、クルーの女性キャプテン、「雲の中」しか喋れない半身不随の女性、黒人のクルーと、トイレ掃除係のチームの女性だけが生き残る。ここで、トイレ掃除係の女性が生存能力を発揮し、魚を取り、火を起こし、調理をするという彼らができない全てを彼女が行い、ヒエラルキーが逆転する。他の全員にキャプテンは自分であると認めさせ、モデルの彼を毎晩自分と一緒に寝るように指名する。
いつ助けが来るか見えない中、インフルエンサーが、島の中に探検に行くと彼と一緒に寝ていた元トイレ係に言う。島の奥の岩山をどんどん進むと、リゾート用のエレベーターがあるのを見つける。これで助かったと喜ぶが、元トイレ係は現実社会に戻る=またヒエラルキーが下になるということ。背を向けている彼女を撲殺しようと思うが、彼女に不意に「貴女にはお礼がしたい、私の付き人になって欲しい」と言われ、怯む。一方、モデルの彼は、2人を追って島を走っていた。
2時間半でも中弛みなし!豪華客船に乗るような勝ち組の人達、それを目指している人達への強烈な皮肉。でももしかしたら、渦中の人達は自分のことを皮肉られていると分からないかもしれんな、と思った。
もうちょっと短くできたのでは
2023年劇場鑑賞47本目。
なんの情報もなく鑑賞。
男性モデルの世界にメスを入れる作品かと思ったら全然違ったぜ!
「いい人」が全然出て来ないのでストレス高め。ストーリーは予測不能なようである程度は思った通りの展開に。まぁクルーズの中がああいう状態になるとは思ってなかったですが。
船長とロシア人の会話が長すぎ。他にももうちょっと削れる所あったと思います。
尺他に無駄に使ってのああいうラストは自分は嫌いです。
人間の汚さを笑う
Filthy rich(腐るほど金がある「汚い」金持ち)の話。美人も金持ちも容赦なく嘲られ、ドン底に突き落とされる。見ていて愉快な内容ではなく、出る笑いも乾いたものにならざるを得ない。鋭いウィットはあるが、温かいユーモアはない。
んんんんんんんどっちだ…!!!!
格差社会と差別といろんな風刺がきいててその辺理解してるとほんとうに面白いと思う。オチはあれ、どうなるかはみなさんのご想像にお任せしますというやつでどうしてもモヤッとしてしまうけど…映画の本質考えるとあの演出も理解できるけどでもすっきりはしないよー!笑
遭難したことで最底辺からトップのポジションを得たアビゲイルが、助かるけどその立場をまた失うのか、遭難し続けたままでそのポジションを維持するのか、どちらを取ると思う?って投げかけて、それをきっと観客に考えさせたいんだよな…カールは誰のために何のために走っているのかも…
きれいごとだけどヤヤは殺されないでほしいしアビゲイルも幸せになってほしいなぁ…
あとあの、遭難した島が実はリゾート地の裏手でしたっていうのははなかっぱのやつやん!!!!ってなりました。現場からは以上です。
見方を誤った
セレブ?クルーズ船?漂着?立場逆転??面白そうじゃ~ん!と予告編のイメージだけで見に行きました。胸がスカッとするのを期待して。自分もセレブか清掃員かっていったら断然清掃員寄りの貧乏人なもんで。
で、そういう心積もりで見ていたので、終わってモヤモヤ。予告編やチラシの作り方間違ってるよ!!という不満をレビュータイトルにするつもりでしたが、他の方々のレビューでフレンチアルプスの監督の作であったことを知り、間違っていたのは自分の見方の方だったことに気付きました。金とはとか人間の本性とはとか、最初からそういう角度で見ていたらもっと楽しめたかな。
とはいえ、最後はモヤモヤしたものの、全体的にはちょこちょこ笑わせてもらえました。笑っていた観客があまりいなかったのが意外なくらい。きっとマトモな感覚の人は自分自身も揶揄されていると感じてしまって笑えないのでしょうね。
一点、クルーのセリフでどうにも引っかかりまくった言葉が。
「船酔いの時は食べた方が良い」って
そりゃ絶対ありえないだろ。
ヤヤ役の女優さん、良い感じだったので、これが遺作になってしまったと知ってとても残念です。
どう観れば良かったのか知りたい
色んな皆さんが乗り合わせたすぐ沈む設計の豪華客船が、なんだかそれぞれのネタで悶着してだいぶ上映時間たった後にようやくすぐ沈んで、すぐ近くの無人島っぽい海岸に極少数の人達だけが流れ着き、上陸してすぐ我欲を全開で粗野なサバイバル生活を送る
よく出来てんのは予告編だけ、何一つピンとこない147分
アカデミー賞作品賞ノミネートだっていうから来たけど、なんかキレッキレの足払いくらった感じだ
どう観れば良かったのか知りたい
イケメンのお仕事
モデルカップルが招待されて参加した豪華客船クルーズで巻き起こるトラブルの話。
モデルカップルのいざこざに始まって、お客様は神様な超金持ちの乗客達とチップの為に神様をもて囃すスタッフ達、そしてやる気のない飲んだくれキャプテンの様をみせていく長~い前振りから、低気圧の中始まるディナーと、飄々ととんでもないことや噛み合わないことを言うセレブだったり、カオスでシニカルな展開だったりと確かに面白いけれど、他タラタラみせられし兎に角長い。
いよいよ海賊登場からの漂流は、あらすじ紹介に書かれ過ぎな感じだし…。
話し自体は嫌いじゃないけれど、90分ぐらいでまとめて欲しい内容だった。
作り変わり得るもの
Triangle Of Sadness
上品な老夫婦は手榴弾と地雷で成した財を語って過去に思いを馳せる、笑って良いのかさえもわからない。金は美しく美は正しい、富豪達はそれなりに正当性があり(監督がそう述べる)故に愛とは何かを語るのだが、船長を含め乗組員達は皆うんざりしている。
酒には溺れていても船酔いはしない船長と、資本主義者のオリガルヒの自虐的なやり取りが船内に響き渡る。閉鎖的な空間に自ら乗り込んできた人々を、あるべき結末に導く水先案内人のように思える。
島のシーンでは登場人物が絞られるが、そこからも関係性は刹那に移り変わっていく。問題は最後にもう一度戻そうとするかどうかだが。邦題は逆転のトライアングルだが、変化への悲観的な視点を併せ持つ。
ブラックだなー。
長い。ブラック風刺ネタいれるから140分なんだろうけど長かったなー。単純短絡な話にしたら半分くらいですみそう。金持ち客とトイレ掃除マネージャーの立場が逆転、って軽いノリの予告に騙されるとちょっと違うかも。面白かったけれど…。
全188件中、121~140件目を表示