逆転のトライアングルのレビュー・感想・評価
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多彩な登場人物だが・・
パート1:カール&ヤヤ(26分)、パート2:ヨット(1時間)、パート3:島(1時間)の3部構成。冒頭から上半身裸の男性モデルが多数登場、オーディションの様なシーンは気色悪い、何なのだろうと半信半疑。ファッションモデルのカールとヤヤ、相思相愛のカップルかと思ったらレストランの支払いをめぐって一悶着の怪訝なカップル、次は豪華客船の旅、大富豪や船のスタッフたちが繰り広げる皮肉たっぷりのブラックコメディが見せ場なのだろう、続いて船が海賊に襲われ爆破、近くの島に漂着した、カールとヤヤ、富豪とスタッフなど8人のサバイバル篇、中でも掃除婦のアビゲイルが魚を捕まえたり火をおこしたりするなどのスキルを発揮し皆を采配することに、船の中とは異なるヒエラルキーの逆転ということかな。
てっきり無人島かと思ったら、ヤヤが崖にエレベータを発見、なんとリゾート・アイランドだったの?、支配を続けたいアビゲイルがヤヤを襲おうとしたり、森の中を走り回るカールのシーンでThe END、恐らく助かったのだろうが良くわからない終わり方でした。
カンヌでパルムドール受賞など評価は高い映画らしいが、個人的には登場人物に興味が持てず無駄に長いだけの俗っぽい群像劇でした。
滑稽な人々
「バルタザールどこへ行く」をリスペクトしてるね。
・フローレンスダイヤモンドが28000€!!
・生牡蠣はやはり銚子の岩牡蠣だね。スリル満点で美味い。
・社会主義の難点は最終的に他人の金を使い果たす事。
間抜けでシュールなブラックユーモア。
しっかりした脚本だと思うが、使われるユーモアのネタが古すぎるしありきたり。
「二年間の休暇」と言うよりは「蝿の王」ですかね。
追記
色々な国をディスりまくるが、スウェーデンの映画だそうで、ロシアの件で一番冷静でいてもらいたかったお国。
因みに、兵器大国と言っても過言で無い。
キリスト教に於けるロバはジーザスへのアプローチ。それを食するとはかなりタブーなのか?
眉間のシワ
原題「Triangle of Sadness」は眉間のシワのこと。苦労すると眉間にシワが寄った人相になる的なことらしい。邦題は「逆転のトライアングル」で、映画の中で起きる出来事を想起させるようなタイトルになっているが、リューベン・オストルンド監督が本当に描きたかったことはむしろ「苦労が人を変える」ということにあるんじゃないかと思う。
でも「眉間のシワ」っていう邦題じゃあ、いくらパルムドールでも売れないよな。「眉間のシワ」て。
簡単に書くとこれで終わっちゃうので、なんで私が「苦労が人を変える」というテーマにたどり着いたのかをつらつら書くことにしよう。
着目したのはチャールビ・ディーン演じるモデルのヤヤ。彼女のラストシーン、掃除のおばちゃん・アビゲイルに対して「あなたには感謝してる」「あなたの為にしてあげられることを考えていた」というセリフ、登場した時のヤヤからは考えられないセリフであった。
ヤヤは無自覚に傲慢なモデルとして登場する。同じくモデルの彼氏・カールとの食事ではスマホに夢中で、「私がご馳走するわ」と言ったことも忘れ、仕方なく会計したカールの苦言には逆ギレ。
相手を慮る態度とはほど遠く、グルテンを摂らないのにパスタを注文し、インスタ用の写真を撮る。当然食べない。生まれついての自己中みたいなキャラクター、それがヤヤだったのだ。
船が遭難して、ヤヤの価値であった美しさなど何の意味もなくなる。不器用で力もなく、役立たず。グルテンの塊みたいなクラッカーを、カールが身を売って分け与えてくれることに縋り、生きていくことがやっとの状態はヤヤにとってショックな状況だろう。
他人のことなどどうでも良かった自分が、他人の情に頼って何とか生きている。そのことが、彼女を大きく変化させたのが、上に書いたラストシーンに集約されるのだ。
食べ物を入手することも出来ず、力仕事も向いていないヤヤだが、アビゲイルのリュックを借りて島内を探検するうち、遭難したと思っていたこの島がリゾートであったことが判明する。
後をつけてきたアビゲイルも同様に事実を知るが、そんな折にヤヤはアビゲイルに感謝するのだ。
この状況から脱出出来たら、多分みんな遭難する前の生活に戻るのだろう。ヤヤはモデルに復帰し、アビゲイルはまた低賃金でキツい仕事に就かなくてはならなくなる。
それ以前に、やりたい放題の女王だったアビゲイルは他のメンバーに仕返しされてもおかしくない。
いっそ、原始的でも頂点に君臨出来る今の状態を続けたい、とアビゲイルが考えてもおかしくない状況だし、現にリゾートへの入り口を見つけたヤヤに襲いかかりそうなシーンでもあった。
ヤヤがそんなアビゲイルに気づいていたのかは分からない。アビゲイルが自分の後を追ってきていたことさえ気づいていなかったかもしれない。
それなのにヤヤは今まで支えてくれたアビゲイルに、何か、恩返しになることをしたいと考えていたのだ。
自分に出来ることは、ほんの些細なことしか無いかもしれないけれど、それでもアビゲイルの苦労を軽減できるのなら…。
そんな風にヤヤが考えることになるなんて、最初に想像できただろうか。
アビゲイルは遭難前に苦労してきて、遭難というまた違った苦境に立たされ、能力が開花したことで傲慢さをさらけ出すようになった。
これもある意味「苦労が人を変えた」という変化なんだろう。
それに対してヤヤは遭難という苦労の中で、他人の有り難さや自分の無力さを痛感し、生きていくというシンプルな目的の為に、沢山の他人の力を借りていることを自覚した。苦労の中でも明るさを失わない人、自分に出来るベストを尽くそうとする人、自分が苦しい時にも他人の面倒をみられる人。
いつもの生活の中では気づけなかった諸々に、ヤヤは気づき、等身大の自分と向き合い、他人を思いやる気持ちまで獲得したのだ。
アビゲイルの「苦労が人を変えた」があまり良い方向に進んでいるとは言い難かったのに対し、ヤヤの変化は間違いなく良い変化だと言えるだろう。
監督はあえて誰か一人に焦点を当てないことで、映画の中で語られることを大袈裟に表現しない方法をとったのだと思う。
ヤヤの良い変化だけを切り取ると、なんだか胡散臭い説教映画になってしまうし、なんなら人間の愚かさを皮肉った部分の方が多いし、面白い。
しょーもない人間たちの群像に、キラッと光る微かな希望。そんな風味の映画だった。
色んな意味で"醜い"映画
チャールビ・ディーンの遺作
わかる人には面白いが、万人受けではない
根底にあるのは権力のピラミッド構造と、その権力要素の変遷。
第一部はスノッブなヨーロッパ貴族社会、第二部は下品な成金、第三部は労働に支えられた共産主義。
それらを風刺画風に描いた作品。
だからゲラゲラ笑うのではなく元ネタに思いをはせてクスっと笑う作品。
最後のシーンが意味不明だとの意見があるが、
・脳梗塞の彼女は言葉が通じない/情報が伝達できないから現状を仲間には伝えられない。
共産圏や圧政圏での情報統制のアナロジーだから、ブランド物の行商人との邂逅は仲間には伝わらなかったろう。
・続くシーン、エレベーターを見つけたヤヤをアビゲイルは殺そうとするが、そのシーンは描かれない。
しかし社会主義や共産主義における施政者は、自ら権力を手放すことはなかった。
当然、アビゲイルもそうするだろう。
・最後にカールが走っているシーン、なぜ彼は走っているのか、が謎になるわけだが、そもそも閉鎖空間でアビゲイルとヤヤがどちらも相手を生き延びるためのチームとして見ている状況ではどちらも相手を殺すことは無い。だからカールは二人を送り出している。
閉鎖空間ではなかったと知って初めて、アビゲイルとヤヤの間の殺意が現実味を帯びて来る。
が、行商人のシーンがアナロジーとして挿入されたのなら、その情報は最後まで仲間たちには伝わらなかったはず。
としたら、おそらくアビゲイルがヤヤの死を事故による墜落死として伝え、その現場に走っている。
監督はそのあたりは好きなように解釈できるようにと説明を放り投げているけど、そういう「好きに理解してちょ」的な描き方は好きじゃないな。カンヌはそういう方が受けが良いけど。
面白かった。
観たかったけど劇場で観られなかった映画。
配信で観られるようになったので少しずつ観る。
内容知らずに観たので、一体この話はどこに行くのか??と思いながら。あらすじに結構内容書いてあったけど、ちゃんと読んでなかったから、かえって面白く観られた。
最初のヤヤとカールのやり取りから面白かった。船でのお祭り(?)シーンからの島に漂流、そういう話だったのか〜からの、最後までずっと面白かった。
話が進むにつれて、ヤヤが段々好きになる。カールも悪い奴じゃないんだよなぁとか、島でなんとなく男たちが仲良くなったりするところとか、最後アビゲイルとヤヤの山登りシーンのシスターフッド的な美しさとか、それもまたひっくり返るのか?!な展開とか、コロコロと変わる面白さ。
ヤヤ役の人がすでに亡くなっていると知って悲しい。
フレンチアルプスで起きたこと、の監督だった。というのをあとから知って納得。
終始吹きすさぶブラックユーモアの雨あられ
むしろ海外ドラマ向き!
CSで録画視聴。
やっと2023年の注目作品を観る事ができた。
しかし、ありきたりなストーリーだし、もの足りなさを感じた。
時間も長すぎる。観て退屈さを感じる。
海外ドラマ向きの作品か。
ブレイク中のハリス・ディキンソンを観るだけの作品。
豪華客船の旅を否定するような皮肉
ラストのシークエンスはすごく好き
汚物まみれの群像劇
最初は??
最初の方は何がなんだかさっぱり分からないけど、我慢して見ているうちにだんだん深みに入っていった感じ。しかしあんなに吐くシーンを映画で見せつけられたのは初めてだ!
船上では船長が業務放棄で「これはまさかタイタニックのようにならないよなぁ・・」と思っていたら本当にそうなってしまうし、最後は映画LOSTみたいになって。
まさかの連続。
色々な立場の逆転現象が次々と起きて面白かった!!
中でも掃除係の豹変ぶりには驚かされるが、極限状態だとそうなるのかなと思ってみたり。
結末はどうなったのか視聴者が考えてって言う終わり方。
若いモデルをしているカップルがレストランの支払いで揉めるという細かな出来事から始まり、次の場面では何故かその二人が豪華クルーズ船に乗っていて驚かされたし、こんなに先の読めない映画は初めてだったかも。そういう点でとても印象に残る映画でした。
人はみんな平等
Balenciaga or H&M
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