逆転のトライアングルのレビュー・感想・評価
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○○映画
そういえば、スクエアを見たときも、期待値がかなり高かったけどなぁ・・・という思いが、観賞後に思い起こされた。
オシャレでウォットある出だしから、なかなか刺激的な中盤・後半と、長い割りにはかなりの吸引力と集中力を持って観賞できたが、内容や描写はかなり辛いものがあります。
刺激的なものこそが芸術というものだ─何かでそういった言葉を幾度となく聞いてきたけれど、そういった意味ではこの映画はまさに芸術と呼ぶにふさわしい。
色々と考えさせられるところも多いし、笑いどころも豊富なのに、なんか嫌なんです。とにかく知的で、ものすごい創造性豊かだと思うのですが、なんか・・・イヤなんです。
訳分からんし、とにかくどんな感情でもいいから刺激してやろうというこの作品は、敢えて言います、クソ映画です。
ウッディ・ハレルソンは今回も本気でふざけてます。
大きく3つのシチュエーションで構成される物語は、いずれも共通して「上下関係」、そして「サバイブ」です。日常から非日常、そして非常へと展開する物語ですが、そこはやはりリューベン・オストルンド作品ですので、当然一筋縄ではいきません。そして一見意外に思えるのは、バランス感覚はシチュエーションと比例しません。
中でも、ことごとく共感できるのは「非常」シチュエーション。勿論しっかりおかしみはあるものの、その状況下での言動としては切実です。勢力図が完全に書き換わっても、バランスさえ取れてしまえばこれほどの「非常」も案外笑っていられ、いつしか「新しい日常」かと感じてしまうほど。それでも、その状況に不満をもって展開を模索する一人の行動があれば、シチュエーションは変わり、そしてまた上下関係も変わるのです。
そしリューベンらしいのが、「日常」における「理解はできるけど、ついつい度を越え気味」の議論に発展するカールとヤヤ。周りの人にとっては迷惑なレベルで、まずレストランでの一揉め(第1ラウンド)、そして移動のタクシーでも収まらず言い合い(第2ラウンド)、それを聞いていたドライバーにけしかけられてさらに、エレベーターで第3ラウンド。いよいよ絶交状態かと思えばそこは結局「男女関係」。こんな風に書くと「勝手にやってろ」と思ってしまいそうですが、ヤヤのしたたかさに結局やり込められるカールのただただ興奮するところは、観ていてついつい笑ってしまいます。
で、この作品の最大の見どころであり、リューベンの真骨頂と言える「非日常」シチュエーション。一番多くのキャラクターが表れてさらに一癖も二癖もあり、そして立場上はっきりとしたヒエラルキーを巧く利用して笑いにしています。そこから、それぞれのキャラクターが解ってからの宴「キャプテンズディナー」からのカオスはもう笑いが止まりません。多くを語れませんが、滅茶苦茶下品で酷い。いや、最高です。で、このシチュエーションの締めとなるあの夫妻に起こることに痛烈な皮肉が込められ爆笑です。
それにしてもヤヤを演じたチャールビ・ディーン、彼女の出演作品は初めての鑑賞でしたが、最後のシーンも印象的ですが、(昨年)亡くなってしまったことが残念でなりません。更なる活躍を見たかったな。。
現代版タイタニック¿
この宿題、春休みだけでは終わらない❗️(ところで、最近、ゲロ映画が流行りなのですか?)
あなたがこの状況におかれたら、どう行動しますか?
無人島に辿り着いた人たちのキャラクターが極端に描かれていないので、実際の自分と置き換えるのに、それほど無理がない設定となっているのが、とても巧い。
ロシアの大富豪だって資産や権威を振りかざすのはほどほどで、割りと素直に環境に適応していました。
あのイケメンくんもそこそこクズな部分を見せるので、それほどおこがましいとは思わずに、自分の立場と置き換えることもできます。
ラストも、シャマラン監督が狙うような〝大〟のつくものではなく、一応、〝どんでん返し〟と言っても差し支えないよね⁈というやや遠慮気味な感じです。
〝奇想天外〟のほうに寄せて作られていないぶん、誰もが登場人物の誰かに置き換わってイメージできる。
しかも、比較的短期間の話なので、極限状態に追い込まれてからの〝本性剥き出し〟的な、見る方もしんどくなるような悲惨な描写もありません。
だから、物足らないと感じる方も多いかもしれませんが、これは、日常の社会生活の中でも起こり得る逆転現象なのだと発想を変えて捉えてみると、とてもハッとさせられます。
男女を問わず(コラっ!そこの君、大きな手振りや指を差しながら人に話しかけるのはやめなさい❗️)、人事異動で上司が変わった時に、その部署の決裁ラインの力関係が、微妙に(だけど当事者にとっては大きく)変わることがありませんか?
予算や人事の権限を持つ部署の長の交代がどれほど、属人的な影響を及ぼすのか。これだけシステムやネット環境が変化してるのに…
ところで、あのラスト、いったいどうなったのか?
彼女がヤヤの発言をどう感じたか、どう行動したのか?
それを考えることが監督から与えられた我々の宿題として残ります。
彼女があそこで10秒でいいから、衝動を抑えてこの先の未来を想像したのか、それともカッとなったまま、両手を振り上げたのか?
ここでのさまざまな選択肢も、あなたの未来を決定づけることになるのだよ。根深い差別意識や〝分相応〟
という概念との向き合い方など、考えることは山ほどあるよね。
そう言われた気がしてます。
対等な関係になりたい
監督らしい "気まずい" の先は、"人は皆 平等"…?"悲しみの三角形" = 眉間にシワが寄る。『フレンチアルプスで起きたこと』など以前の素晴らしい作品群と比べるとアメリカ的になったとでも言うか、些か直接的すぎる部分があって、機知に富むシニカルさが身を潜めてはいる。説教臭いけど、相変わらず監督らしいユーモアと毒があって、人間の醜さを可笑しさに変えてみせていた。彼のフィルモグラフィーにおいてベストな作品ではないだろうけど十分楽しめる。
例えば男女での支払い、あるいはモデルや船長という仕事(役職)。当然のようにそうあるべきだと期待される未だに根強い先入観イメージ = ジェンダーロール(性役割)みたいなもの。階級差含め女性の社会進出に、何やっているのかよく分からないインフルエンサーという仕事に象徴されるSNS(中毒)など痛烈な社会批判。
最初から掴みはバッチリ!男性モデルのギャラは女性モデルの1/3。ハリス・ディキンソン演じるカールとヤヤ。あれだけハッキリと言われて、なおあれだけ好きと言えるカールもスゴい。モデル兼インフルエンサー(?)のヤヤがかなりの曲者なのだけど、彼女が言っている理論にも納得できる部分があって、だからこそ最後の部分にも意味があるのかなと思った。
怒れる"クソ社会主義者"ウディ・ハレルソン = 監督!一人の乗客の顔色窺って乗務員たちがコック含む全員出払ってウォータースライダーしたり(しかもそれがロシア人というのがプーチンに…)、大酒飲みな船長の気分でしかない一存でよりによって最悪な日にキャプテンズ・ディナーをセッティングしたりなど、いくらなんでも現実ではありえないことが地獄絵図まっしぐらな"最悪の一夜"の引き金となる…。ドス茶色い汚物ポセイドン・アドベンチャー!!
この世はサバイバル!作品中盤以降、後半パートだけにスポットを当てたミスリード予告は主人公すら差し替えてしまうよう。あの島での生活は掃除婦だけでなく、カールにとっても案外心地よいものであったに違いない。だからこそあのダッシュ…!!
勝手に関連作品『ザ・メニュー』『ファイト・クラブ』
バランス悪し
タイトルなし
才能や力は認めるけれど、この手の映画はあまり好きではない。人間と現代を描いてはいるけれど、風刺というよりは、アル中船長に見られるような絶望しかなく。どの人間も低劣で、ほぼ誰にも感情移入できない。
豪華客船でのゲロの連発はすごい。
男の子が最初からすごく気持ち悪い。女の子も最低だけど。イケメンが性の奴隷になるあたりは、現代的か。
さらには、最低の場面で、平等とか愛が語られるのも、風刺なんだろうけど、ほんとに最低。ヒューマニズムのかけらもない。
フレンチアルプスはクールだったし、スクエアはもっと破壊的力があり、この映画は面白いけど、好みではない。
タイタニックのパロディ?しかし、作品のできは素晴らしく、鑑賞後のインパクトも大きい。ラストを知りたくなる。
物語は、愛する恋人に対して、つまらないことに異常にこだわる若者のやりとりから始まる。それが、突然、二人の狭い空間から日差しが降り注ぐ大海原のクルーズへと舞台が変わっていく。若者たち二人を基軸に物語は展開していくのだが、決して、二人が主役とはいえない。彼ら以上の主役といえる存在が何人も存在しているのである。今、話題のロシアの富豪(オリガルヒ?)の登場から、物語は悪い方へ展開していく。このほか、泥酔する船長、サバイバルの環境の中でたくましい女性乗務員が物語を面白くする。ちょっと前のアメリカドラマLOSTが好きだった人ははまると思う展開。人間の極限環境で、人間の本質をさらけだす、これまでにないおもしろい映画でした。
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