「正義とは、社会とは?」聖地には蜘蛛が巣を張る hiwaさんの映画レビュー(感想・評価)
正義とは、社会とは?
クリックして本文を読む
まず、文化が違うという事はこれほどまでに通念や考え方が違う事なのかと驚いた。
17人を殺害しながら、本人だけでなく周りもそれを浄化だと言う構図は、外から見れば異常だが、狂気は1人でなければ狂気ではなくなるのだといわんばかりの描写にぞっとする。
サイードは徐々に殺害に快楽を感じているようにも見え、報道されないことに苛立ち自己顕示欲までもをさらけ出していく。
さらに逮捕後、ますます自信を帯びた顔になり、支持者の存在を得て自分の正当性に確信を得ていく様がおぞましく表現されていく。
笑った顔がだんだんと気味が悪くなっていく演技が凄まじい。
娼婦たちを、狂った信念で絞め殺したのがサイードとそれを支持する世論だとすると、サイードを絞め殺したものはなんだったのか。彼らの神とは、どちら側なのか。この社会の法とは?
社会全体が狂っていたとしたら、その犠牲者はどうなるんだろう。どこを正義とするのだろう。
いつでも、人は社会と隣り合わせだ。
そして、ラストシーンは戦慄だった。
コメントする
humさんのコメント
2023年7月18日
おはようございます。
共感ありがとうございました。
ぞっとするような実話に基づく物語でしたね。しかし、世界中のあちらこちらにある構図でもある。
目を背けずに観たことに意味を持たせるなら、つらく感じたことを言葉にしなきゃ。。。そう思いながらの帰宅だったのをおもいだします。
〝狂気は1人でなければ狂気でなくなる。まさに。。。
ネット社会の闇や、年々凶悪になる犯罪のしくみも然りですね。