「Trap」聖地には蜘蛛が巣を張る ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Trap
カンヌを湧かせたという情報を頼りに鑑賞。あらすじもざっくりとしか知らない素面状態です。
中々にエグいというか胸糞というか…こうやって文章にするのがとても難しい作品でした。モヤモヤは上映が終わった後も続いています。
殺人犯、早い段階で顔が割れるので、ここからどうやって物語を展開していくのだろうと思ったら、少しだけ前の時代背景と差別的感情と殺人犯の中身を深掘りしていくというとても濃いものになっていました。
序盤で記者の女性が1人で泊まることを、正式な予約をしているのにシステムエラーを理由に宿泊拒否するというなんともムカっとする描写から入り、記者ということを明かすと途端にシステムエラーが無かったことにするなど、序盤のこの描写だけで20年前にはこんな差別が当たり前のように行われていたというのをサラッと説明してくれるのが巧いなと思いました。
R指定作品ではありますが、そこまでグロさには身構えないでいいと思います。殺人の描写自体は複数回登場しますが、基本的に首絞めや軽い殴打なので苦手な人は苦手かもしれませんが、耐性がある人は余裕だと思います。
宗教の恐ろしさが後半になってまじまじと伝わってきました。常識という名の洗脳によって、考えがパターン化してしまった結果、殺人に走ってしまう。しかもそれを悪びれたりしないというものに恐怖を覚えました。
日本でも数多の宗教がありますが、過去に大きな事件があった事もあり、他人事ではないのかもなと思いました。基本的には平和であって欲しいものですが、どうにも街中での勧誘には身構えてしまうもので。
ただ、全体的なテンポはかなり悪く、退屈なシーンが多かったのは残念でした。宗教が絡みながらここまで面白くできたのは凄いと思いますし、もう少し見やすさが改善されたら良かったのになとは思いました。
鑑賞日 4/17
鑑賞時間 11:10〜13:15
座席 H-7