「的確な演出」聖地には蜘蛛が巣を張る ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
的確な演出
イランを舞台とし、ヨーロッパ映画ながら全編ペルシャ語で撮られているのはアリ・アッバシ監督がイラン出身だからとのこと。
監督も語っているとおり、これは連続殺人についての映画ではなく、連続娼婦殺人鬼をも生み出し許容し英雄視までしてしまうような社会のミソジニー・不寛容、そして狂信についての映画だ。そこにはセックスワークに身を落とさざるを得ないような女性の困難に対する想像力はひと欠片もない。
そうした視点に立って観れば、アリ・アッバシ監督の演出は実に的確であることが分かる。
ラヒミを演じたザーラ・アミール・エブラヒミさんの演技が素晴らしい。
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