「圧倒的惨劇!」哭悲 THE SADNESS はまたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的惨劇!
かなりグロい映画でしたが、突然の音などで驚かせるような演出は最初だけで、あとはもうとにかくいつヤバいことになるのかとドキドキしながら見ることになります。何も起こらないシーンでも「なにか起こるのでは…」とドキドキ。
あとはほぼ残虐シーン。ナイフで刺すにしても何度も刺しますし、ナイフがなければ首元や鼻に噛み付いて噛みちぎります。目に指を突っ込むのは当たり前で、目を潰したらその穴を性器に見立てて犯します。
どうなってんだ。さすがにそれは思いつかんやろ。
なぜか感染者同士は殺し合わないようで、殺す相手がいなくなると仲良くセックスしたり死んだ人を切り刻んで楽しみます。
これだけひどい表現をできる台湾、そして上映できる日本はまだまだ素晴らしいなと思います。
出演者たちの演技力に舌を巻きました。全員名優です。特にオジサンはすごかった。あとジュンジョウが道中に出会う感染者たちも良い顔してる。目が真っ黒になるだけであんなに異常性が表現できるとは。
フライヤーに書いてあった「もう二度と見たくない傑作」はそのとおりだと思います。一度見て、あとは気になったら下記のあらすじを読んで見直すことはないと思います。
ほぼすべての話を書いているので、未見の方は以下は読まないでください。
アルヴィンウイルスが蔓延する台湾。人々は感染しても死亡者がまだ出ていないことからあまり深刻に受け止めてはいなかったが、突然変異の可能性があることから専門家は注意を呼びかけていた。
ある日、ウイルスは突然変異し人々は凶暴になる。恋人を郊外の駅まで送ったジュンジョウはコーヒーを買いに馴染みの店に行くと、朝方家のベランダから見かけた老婆が吐瀉物を撒き散らす。そして客の一人にに熱した油を浴びせ皮膚を剥がしていく。吐瀉物を受けた客が次々に凶暴化し、未発症の人を痛めつけ始める。全力疾走で命からがら自宅に戻るが、隣人の林さんに剪定バサミで襲われ、指を二本失う。どうにか林を撃退するが、すでに街には凶暴化した住民が溢れていた。ジュンジョウは恋人を助けるためにバイクで台北へ向かう。
一方カイティンは通勤電車でサラリーマンのオジサンに声をかけられ言い寄られたため、強めに撥ねつける。オジサンが怒りを抑えていると、駅から乗ってきた乗客がナイフで次々に刺し始める。社内はパニックになり、同時に感染者が増えていく。カイティンは隣りにいた太めの女の子と怯えていたが発症したオジサンが傘の先で女の子の片目を刺す。他の乗客がオジサンを引き離している間に電車は駅に到着、一目散に逃げ出す乗客と追いかける感染者。カイティンと女の子はオジサンから逃げるがオジサンはしばらくぼんやりしたあと、傘を持ってニタニタしながら二人を犯すために猛ダッシュを始める。
命からがら台湾大学病院に逃げ込んだ二人。そこには未感染の人たちが身を寄せていた。国営放送でウイルスによる異常事態であることが発表されるが、解決策はこれからだとし、放送中に国防大臣?が発症し総統を手榴弾で爆破してしまう。人々は戸惑い争いを始めるが、そこに電車のオジサンが感染者を連れてやってくる。
カイティンはすぐに病院内へ逃げ出す。治療中だった太った女の子はオジサンに刺された目を犯されてしまう。その後、女の子も感染し人を殺していく。カイティンは借りたスマホでジュンジョウに連絡を取り到着を待つが、感染者に追い詰められていく。死ぬまで犯してやるとやる気まんまんのオジサンを産科病棟で撃退すると、他の感染者に追いつかれる前に、隠れていた医師が閉鎖された新生児室に匿ってくれる。医師はカイティンが発症していないことから抗体がある可能性があると考え助け、全身を消毒する。医師は研究により、ウイルスは攻撃性と欲望を抑える大脳に機能不全を起こし、考えられる残虐行動を抑えられなくなってしまうこと、残虐行動中も罪悪感はあるため、感染者の多くは泣きながら行為を行っていることを説明する。カイティンがジュンジョウに連絡を取りつつ着替えていると、ゴミ箱に新生児が捨てられていることに気付く。医師はカイティンにウイルスを注射し手錠で身動きを封じる。医師は新生児たちに抗体がある可能性を考えウイルスを投与し発症させていた。ウイルスを打ったカイティンが発症しないことを確認し、医師はカイティンを連れて政府が迎えに来るヘリポートへ向かう。廊下に出たところで感染者に襲われ、医師は吐瀉物をかけられてしまう。3Dプリンタで作成した銃で撃退するが、そこにジュンジョウが現れる。ジュンジョウはすでに発症し、二人に襲いかかる。医師が銃で重症を負わせるが、次は暴発してしまいジュンジョウに殺されてしまう。二人が争っている間に屋上へ向かう階段に入るための鉄格子を開けて入ったカイティンは、ジュンジョウに今何を願っているのかを聞く。ジュンジョウはカイティンが自分を必要としていて助けにきた、ずっと一緒にいるというが、そのあとに切り刻んで殺したいと凶暴性を抑えることができず、カイティンは一人屋上へ向かう。
ジュンジョウはカイティンを見送り、満足した顔で絶命するが、屋上からは銃声が響いてくるのだった。