劇場公開日 2022年7月9日

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幻の蛍のレビュー・感想・評価

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3.5【正しくも懐かしき日本の緑濃き夏休みの風景は、少しささくれだった少女の心を優しく癒す。ある姉妹が、一夏のある日、蛍を探す小さな旅をする中で改めて家族の大切さに気付く過程を描いた作品。】

2024年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■中川かなたは14歳の中学生。 両親の離婚により、転校した学校で淡々と日々を過ごしている。夏休みに入り、かなたは母に提案されて余り気乗りがしないまま祖母の緑深き谷あいの家を訪れる。
 そこで待っていたのは、離れ離れになったかなたの事が大好きな父と暮らす妹のすみれだった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作は、ドラマディックな物語展開がある訳ではない。比較的淡々と進む。

・登場人物には、悪者はいない。かなたの学校の先生も彼女を気にかけているし、一緒に暮らすバーで働く母も優しい。

・だが、かなたはどこか不機嫌だ。理由は大好きな父と会えない事だろう。父が作る大好きなハンバーグを食べれない事だろう。
 故に、かなたは父と住む久しぶりに会ったすみれに対し、愛想ない返事しかしない。

・けれど、かなたはすみれと一緒に蛍を見に行く。山間を走るバスに乗って。
ー 今作の、祖母が住む緑深き谷あいの家を含めた自然がとても美しい。自然光で撮影したのであろうか。正しい日本の夏休みと言う感じが、濃厚に漂って来る。そして、どこか懐かしいのである。ー

■かなたとすみれは、結局蛍は見つけられない。けれども、かなたは心配して迎えに来た自分を何時も大切に扱う母の存在を改めて感じ、久しぶりに会った大好きな父に抱き付くのである。
 かなたとすみれにとっては、忘れられない夏休みになったであろう。
 そして、かなたはすみれの”又、来ようね。”と言う言葉に、優しく返事をするのである。

<今作は、両親の離婚によりささくれだった気持ちになっていた多感な時期に入りつつある少女が、祖母の緑深き谷あいの家で久しぶりに会った妹と蛍を探しに行く中で、少しづつ優しい気持ちになって行き、自分を大切に思う両親の心を改めて思い出す物語である。>

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NOBU

3.0富山の大自然と中山うり氏の主題歌の絶妙なマッチング

2022年9月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

正直スクリーンからこれでもかと言うほどに溢れ出る富山のマイナスイオンと虫の鳴き声の響きの心地良さに、若干意識が遠のいた瞬間がございました(寝不足だった)。切ないストーリーと中山うり氏の主題歌がとても良かったです。夏の終わりに見たかった。

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BONNA

3.0ベストは尽くします

2022年7月10日
Androidアプリから投稿

単純

幸せ

萌える

両親が離婚し母親と暮らす中学生の姉が、父親と暮らす小学生の妹と1年ぶりに祖母の家で再会する話。

ジャージにヘルメットでチャリンコ通学って、富山ではデフォですか?
学校では掃除や図書委員を頑張り、夏休み中もどこにも出かけず毎日母親の営みスナックのお手伝いをする姉。
同級生達と上手くいっていないわけではないけれど、ちょっと大人しく良い子ちゃん過ぎだけど、父親からの祭りの誘いは、そこは焼きそばでは動かない中2女子w

母親に促さ訪れた祖母の家ではちょっと中2病っぽいところを醸し出しつつも、そこはやっぱりお姉ちゃんというところをみせてくれて、なかなかホッコリ、そして胸アツ。

少し大きくなったメイとサツキという感じがした。

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Bacchus

3.0丁寧すぎるくらい丁寧な

2022年6月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

地元富山出身在住の新人監督に主演新人女優という、地元ウケしかしなそうな要素満載の映画(^-^*)
その新人の監督が息子の友達という縁で先行上映(舞台挨拶付き)を見に行った。

というわけで、映画そのものに対する期待値は決して高くはなかったのだが…

思ってたよりずっと良かった。

おそらく多くの観客からは「テンポが悪い」と評されるだろうな、と思うほど、1つ1つのシーンが長い。
屈折したものを心に抱えている中学生が主人公なので(屈折していない中学生がこの世にいるとも思えないが笑)、誰かに何か言われたりした時に頭の中で大量の言葉がぐるぐる渦を巻いてどんな言葉を吐こうか考えに考えた挙げ句に出てきた言葉がボソッとした「うん」という一言だけ、という"間"をそのまま超リアルに演じるものだから、特に冒頭でこの映画のテンポに慣れていないうちは呆然とするほど間が長く感じる。

これが高校生くらいになると、その頭ぐるぐるを大人に対してぶつけるシーンもあったりするのだろうけど、まだ大人に対してぶつけることができないのが中学生、というあたりもリアルというかリアルすぎるというか(^-^*)
主人公のかなたが一度だけ、心情を言葉にして吐き出すシーンがあるのだが、その相手が妹、というのが何とも"中学生" らしい。

周囲の大人(離婚した両親や祖母、中学の教師など)がまた、その頭ぐるぐるの末のぶっきらぼうな一言をちゃんと待てる立派な大人ばかりで、むしろこの両親がなんで離婚したのか分からん、と思うほど(笑)
ついつい「言いたいことがあるならはっきり言え!」というセリフを吐いてしまうものなんだけどなぁ(笑)

妹との小さな冒険を経て、かなたの心情にほんの僅かな、でも本人にとってはけっこう大きな変化が訪れる、というだけの映画なのだけど、それを徹底的にリアルに表現しきっていた、という意味では見応えがある映画ではあった。
テンポは悪いけど(笑)、でもこのテンポでしか表現できなかったことは分かるような気はする。

ラストシーンまでかなたは大人に対しては多くを語らないのだけど、僅かな表情の差や歩く後ろ姿でそれを見せるのは、バカ正直な演出と演技の到達点なのだろうな。

ひとつだけ、どうしてもツッコミたいところがあるのだけど、ホタルならあんなに遠くまで行かなくても、ばあちゃん家の周りでいくらでも出ると思う(笑)
…時期は致命的にハズレてるけど(笑)

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flying frog