劇場公開日 2022年7月1日

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「黒電話から聞こえてくる声は…?」ブラック・フォン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0黒電話から聞こえてくる声は…?

2023年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

『ドクター・ストレンジ』や『フッテージ』を製作してきたスコット・デリクソンが描く、サイコ・スリラー。そこに、ホラーの世界観も入れ込んだ異色作。そして、犯人役のサイコパスを演じるのがイーサン・ホーク。これもまた、彼にしたら新境地の作品だろう。

グラバーと名乗る謎の人物に、街の少年達が次々と誘拐される事件が発生する。いじめられっ子のフィニーも、その日、「自分はマジシャンだ」という男の口車に乗せられて、黒いワゴン車に押し込められて誘拐されてしまう。気が付くと、地下牢の様なベットとトイレ、そして黒電話だけがある暗い部屋に閉じ込められていた。

そして、その黒電話は、既に回線は遮断されていたにも拘わらず、犯人が居ない時に、ベルが鳴り響く。恐々、受話器を取ったフィニーの耳に聞こえてきた声は、誘拐されたはずの少年達からの声だった…。

一方、フィニーの妹は、母から授かった予知夢の能力を手掛かりに、最初は、嫌っていた警察とも予知夢の情報を共有して、兄の行方を捜し始める。

原作からしたら、もっと不気味で、ホラー要素の強い作品に描けたであろうが、これはこれで、誘拐されたフィニー少年の勇気ある行動に共感し、一緒になって犯人から逃れる緊迫感や臨場感を楽しめる作品として仕上がっている。

そして、最後に親子愛を前面に描くことで、後味が悪くなるようなイヤミス作品とならないように、配慮しているのがよいと思う。作品的には、サイコパス、ミステリー、スリラー、ホラー、ネグレクト、友情、親子愛等、いろいろな要素を絡めた作品となっている。

bunmei21