「夢々思わぬ」ブラック・フォン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
夢々思わぬ
7月1週目は作品数が多すぎてキャパオーバーですが、上映回数の少ない作品から観ていこうと思いこちらをチョイス。ファーストデイ効果もありなかなか埋まっていました。
スコット・デリクソン監督最新作ということで、「ドクター・ストレンジ」続編をゴリゴリのR指定に仕上げようとしていた心意気の感じられる作品でした。主人公が犯人に誘拐されるまではかなりゆったりとしたテンポで主人公周りを描いていきます。割とコミカルでもあり、妹の面白いくらいの口の悪さや、主人公がホモ(?)のせいでいじめられていたり、父親が情緒不安定だったりと、光る部分もあれば説明不足な点もありました。ここまでで3、40分くらい使って本筋に突入していきます。
なぜ誘拐されたのか?という細かい点はさておき、いい具合に地下室に閉じ込められ、変なマスクをつけた中年男性に暴力は振るわれないがシンプルイズ監禁をされます。この密室が良い味を出していて、ここからはこの密室と妹の夢と現実のリンクを辿っていくことになります。部屋に設置された黒電話から伝わる死者からのメッセージを聞いて脱出方法を練っていくリベンジホラーと化していくのも中々面白かったです。死者がメッセージを伝えるごとに可視化されてそこに"いる"という見せ方に驚かされました。ジャンプスケアではないですが、あーいう感じには常に驚かされますね。
点と点が合致して誘拐犯を罠に閉じ込め、自らの手で締め殺すというかなり物理だなーとは思いましたが、スカッとするラストでした。何も無駄のないスタイリッシュな締め方なのも好印象です。学校に戻った際にいじめていた奴らが怯えていたのもナイスアクセントでした。
かなり説明不足というか掘り下げができていない場面も多々ありましたが、そこを補える魅力が今作には多く詰め込まれていました。意外にも優しいホラーだったのでオススメです。
鑑賞日 7/1
鑑賞時間 11:40〜13:35
座席 G-15