「【イーサン・ホークの魅力少なき、サイコ・スリラー。だが、後半地下室に監禁された少年が、死地を脱しようとする姿には、ハラハラした作品。スティーブン・キングの諸作品に似た雰囲気を感じられる作品でもある。】」ブラック・フォン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【イーサン・ホークの魅力少なき、サイコ・スリラー。だが、後半地下室に監禁された少年が、死地を脱しようとする姿には、ハラハラした作品。スティーブン・キングの諸作品に似た雰囲気を感じられる作品でもある。】
ー 私は、イーサン・ホークのファンであるが、今作では、サイコ・キラーを演じた彼の魅力は殆ど発揮されない。
だが、序盤のフィニーや妹のグウェン、そしてフィニーと交流の合った子供たちが、サイコ・キラーの常に気味の悪い仮面を被っているグラバー(イーサン・ホーク)に誘拐され、ついにフィニーまでもが地下室に囚われた辺りから、物語は恐ろしく、哀しくも動き出す。
◆感想
・フィニーとグウェンの愚かしき酒浸りの父親の姿。平気で子供を鞭打つ姿に、嫌悪感を覚える。
・フィニーが囚われた地下室には、マットと黒い電話が置いてあるだけ。電話は繋がってはいない。
・だが、時折黒電話は鳴り、グラバーに同じ地下室に監禁されていたと思われる複数の少年から謎めいた電話が掛かって来る。
ー 野球相手だった少年は、懸命に脱出のヒントをフィニーに与えようとし、年上の問題児だった少年はぶっきら棒ながらも、幾つかのヒントを同じく与える。-
・霊感があると思われる、妹のグウェンは、自分が見た夢から、兄が囚われている場所を探そうとするが・・。
・皆の協力で、死地を脱したフィニーの姿にホッとするとともに、今までの自らの行為を泣きながら謝る父親の姿に、”更生しろよ!”と内心激しく突っ込む。
<1970年代のコロラドが舞台と言う事で、作品テイストは原作を書いたジョー・ヒルの父、スティーブン・キングの諸作品に似た雰囲気は感じられる。
フィニーが、グラバーに殺された子供たちから、数々のアドバイスを黒い電話を通じて与えられ、脱出方法を幾つもトライしていく姿には魅入られたが、気味の悪い仮面を被っているが故に、イーサン・ホークの表情が殆ど伺い知れずに、隔靴掻痒感が募った作品。
何故に、イーサン・ホークはこの作品に出演することを決めたのであろうか・・。
それが、私にとっては一番の謎である。>