ロストケアのレビュー・感想・評価
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心に響かない
テーマは興味深く、簡単に善悪の判断をつけられない問題。高齢化社会を生きる日本人にとっては、身内の介護を巡る心情への共感や理解も深いと思います。
なのに、本作はすごく薄っぺらい倫理観とそれっぽい言葉を並べただけで、綺麗に介護問題描いてみました的なものにしか見えず、全く心に響きませんでした。
俳優陣の演技が悪いとかではなく、映画の作りがひどい…。何度も同じような鏡に映った姿や反射を多用し、ドアップの連続、カメラワークに監督の主張が強すぎてノイズになっています。
とってつけたような由紀ちゃんのその後とか何故差し込んだのか分からないし、介護を巡る当人や家族の想いも中途半端。肝心の介護シーンも、もっともっと目を背けたくなるものなはずなのに、ふわ〜っとしか描かない。
そもそも検事と被告人の関係が非現実的過ぎて入ってこなくてイライラ…。どうしてこの検事は最初から偉そうに説教ばかりするのか…最後の展開も都合の良すぎる…。
きっと原作は素晴らしいのだと思いますが、映画としては残念なものでした。
酷評ごめんなさい。
老後問題と介護問題
普通のサスペンスかと思ったら、老後問題を問うドラマだった。中々面白かったし、色々鑑賞しながら考えてしまった。特に40代以上には刺さる内容だったのでは?
PLAN75と議題はかぶる。
あれは当人が選択する問い、これは第三者の問い
私の父も孤独死でした。リアル。
かなり重い内容である。
この場での議論は避けたいが
松山ケンイチは罪だが許したい。
私の感想。
結局、判決は⁉️
長澤まさみは何を最後言いたかったのか❓
余談
アカデミー賞が終わったばかりですが、この物語といい演技から来年絶対何かはノミネートされるでしょうね。
綺麗事にできない介護の辛さ。
介護の辛さは経験してみないと分からない。特に認知症が出るとコミュニケーションもままならなくなり、映画のように、私も思わず親でも手を上げたくなるときもあった。だからといって殺してはいけないと言うのは、その通りだが、実際に親を殺さずとも、自分が自殺した人もいるのだ。決して綺麗事にできないことをうまくストーリーにしている。
介護未体験の人には分かりにくいと思うが、認知症は記憶がすべて一度に失われるわけでなく、柄本明が演じた父親のように、まだらになるので、クリアに覚えていることも、理屈通りに話せるときもあったりする。だからといって、普段の苦労がそれで償われるかというと、それほど現実は甘くない。
私も親を施設に入れたとき、そして親が死んだときは、正直なところ、解放感があった。後から悲しくなることもあるが、それまでにとっくに涙も尽きている感じなのだ。だから、この犯人を単純に許せないと語ってほしくない。救われたという家族がいてもおかしくはない。それほど過酷なことなのだ。
長澤まさみも松山ケンイチも力演していて、さすがだと思った。綾戸智恵さんのお婆さん役もよかった。
身近な問題、見て欲しいです。
身近な問題で、友人であれ、会社スタッフであれ、口にしにくい、相談もされたくない、みんな抱える問題の映画を見て考えて欲しいです。
松山ケンイチと長澤まさみが良かったです。
選挙課題問題ですよ!
世界中深刻かも。
自然死させて貰えない時代。安楽死の法律を国会の議題に挙げて速やかに決めて貰いたいものだ。時間の問題でどんどん家族間や施設の中で事件が起きてくると思う。ヤングケアラーである子供たちの深刻度なども政治家たちはどれだけ現場を知っているのだろう。先が思いやられる。
去年認知で母を送った私にはしみた
高齢化の日本が抱える大問題
松山ケンイチさんと、柄本明さんには泣けた
わかりすぎる。逃げては行けないのにやはり自分を一番だとしてしまうのは、悪いことなのか
直太朗さんの曲も泣かせる
人を殺してはいけない・・を、問いかけられる
真正面からの問題提起。見終わっても答えが出せない。
自分には関係ないと思っていた事をこんなに深く鋭く突きつけれ胸はずっと苦しいまま。
多分原作の凄さなのだろう。
しかし、監督、演者がその原作から与えられたものを丁寧に道を逸れずに向き合っている事に感心する。
松山ケンイチと長澤まさみの対立のシーンは鳥肌もの。
脇を固める役者陣、誰一人として外さない。
そしてこれは安易な意見かもしれないが、政治家の皆さん、必見です。見る責任があります。
虚実と現実のせめぎ合い
なかなか難しいテーマを扱っていたからこそ観賞しようと思い至ったのですが、意外と演出が過剰というかわざとらしいというか、よく見慣れた役者さんが決まったようなセリフを言わされているなぁという印象が強くて、これは単に民の心を引くために現代的な問題をネタとして劇化しただけのものなのか・・・と不快な思いになってしまいました。
確かに見ていて気持ちの良い内容ではありませんでした。それは覚悟の上での観賞。でも虚飾が酷い・・・と思いきや、物凄く切実に感じる部分が徐々に挟み込まれている気がしてきて、もしかしたら、あのわざとらしい演出や演技はリアルなものをより現実味を持たせたり身につまされるものにするために敢えてそうしているのか!と・・・まぁ個人的な勝手な見方であり、そんなうまい具合に作られているようにも見えないですがねー。
とはいえ、虚実と現実がうまい具合にせめぎ合っているような印象を感じて、それによって非常に感情を揺さぶられ、さらには今の、いやこれからの高齢化社会というものを否応にも感じざるを得ませんでした。
予想よりも演出されたドラマだったけれども、内容から受け取ることが出来る思いは予想通りだったような気がします。
とっても考えちゃう映画でした
ストーリーとキャストの設定がとても素晴らしく、入り込んでしまいました。
他人事ではない、日本が超えなければならない高齢化社会を映し出した作品でした。
長澤まさみや松山ケンイチそして柄本明の凄まじい迫力ある演技が、とても素晴らしく、フィクションのようでした。
「見たくないもの」を突き付けられて、深く考えさせられる
認知症の老人と、その介護で苦しむ家族を救うための殺人を、一方的に断罪するような映画ではないし、ましてや、それを全面的に肯定するような映画でもない。
裁く側と裁かれる側の主張は対等に描かれているし、被害者の家族にしても、「救われた」と言う者もいれば、「じいちゃんを返して」と泣き叫ぶ者もいて、一体何が正しいのかと深く考えさせられる。
中でも、長澤まさみ演じる検事と、松山ケンイチ演じる介護士が、お互いの正義を激突させる取り調べ室のシーンは、2人の演技のぶつかり合いと相まって、この映画の最大の見どころと言っていいだろう。
確かに殺人は許されないことではあるが、個人的には、「安全地帯で綺麗事を言っている人間には、穴の底て這いずり回っている人間の気持ちは分からない」という介護士の主張は心に響いたし、彼の考えを100パーセント否定できる者はいないのではないかと思ってしまった。
切っても切れない親と子の関係性が「絆」にもなり「呪縛」にもなるという双方の主張も納得できるし、介護の問題を親子の問題として帰結させたラストにも、共感することができた。
「ロストケア」の是非はともかく、父親を殺めてしまったことに対する罪悪感と後悔を自覚できた時、介護士の魂は初めて救われたのではないだろうか?
絶対に見るべき空恐ろしい映画でした
高齢化社会に在宅介護に介護疲れ・・・。目をそむけたくなるハードな現実がスクリーンの向こうで繰り広げられ、何万語のセリフよりも真実を突き付けてくる松山ケンイチの眼にグイグイ引き込まれます。
近い将来、間違いなく自分にもやってくる事実だけれど、見事なエンタメ風味で物語の中に取り込まれてしまっていました。
もうこれは、絶対に見て損はない、空恐ろしい一本です。
これからの未来を
目を背けてはいけない未来が限りなくリアルに。フィクションでもこの作品を世に贈り出す意義。人生100年時代。健康、幸せな時間はその中に…。だからこそこれから、いや今から考えなければなことが溢れて。家族、親子で話し合う前にまずはロストケアを。その第一歩に相応しい想い114分。
松山ケンイチの目が語り掛けてくる
自分がしたことは殺人ではなく「救い」だと主張する殺人犯・斯波(しば)。
検事・大友は対話を重ねるたびに介護の現実を突きつけられ、観る人とともに自身の正義を揺らがせていきます。
殺人犯・斯波(しば)を演じる松山ケンイチの目で語る演技がすばらしいです。
ある種の観念に到達してしまった斯波(しば)の激情が、彼の目で伝わってきます。
静かで動きが少なく盛り上げる演出もありませんが、実力ある俳優陣が作品を成立させています。
作中のところどころで余白があるように感じられましたが、「あなたに置き換えて考えてみて」と観る人に問いかけ考えさせる時間のようでした。
いっしょに鑑賞した福祉関連職の友人は、「よい教材になる作品」と言っていました。
知っているつもりで理解していなかった現実を突きつけてくる社会派の作品です。
本作は原作小説とは異なる構成になっているようなので、原作小説も読んでみたいと思います。
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