ロストケアのレビュー・感想・評価
全416件中、321~340件目を表示
ゴダールは尊厳死を選んだ。
ひとつの天秤があると仮定する。
左の皿に、命、を乗せる。
右の皿に、エチケット、マナー、ルール、法律、憲法を乗せても、
左の皿は下がったまま。
法律も憲法も、
人間が生きやすいように、
作ったもの、
数字や時間も概念に過ぎない。
確かに存在するのは、
地球と命。
法律に従うと、、、
は、
本作には通用しない。
絆、尊厳を右の皿に乗せる?
いや、
左の皿、命、に含まれている?
ゴダールは尊厳を右の皿に乗せた。
ラストの、
マツケンと、
長澤まさみの四つの眼に、
ジーザス・クライスト!
久しぶりに号泣
おもしろかったね。 普通の起承転結みたいな見せ方じゃないし色や立場...
救ったのか殺したのかではなく殺して救ったのである
原作はミステリー小説なのだが本作は推理というかなりおいしい部分をそっくり捨てて松山ケンイチ演じる介護士が42人を殺害したことをあらかじめ観客に知らしめた上で物語を展開しており「羊たちの沈黙」や「死刑にいたる病」などのサイコサスペンスへの期待もバッサリと裏切る真摯極まりなく身もふたもない「社会派」といってもとうてい足りない大問題作である。救ったのか殺したのか、という問いかけが惹句にあるのだがこの映画を見る限りどちらも正解としか言いようがない。検事の長澤まさみから見れば紛れもなく殺人でそれはイコール犯罪なのだが自宅介護で疲れ果て金が無くてホームに入れたくても入れられない家族にしてみれば救い以外のなにものでもない。本来なら国が金持ちからもっと税金を取って貧しい民の老人介護費を公的に支援すべきなのだろうがここにきてネオ資本主義があからさまに正当化され経済格差が広がり続ける日本においては「老人の集団自決」が称賛される日もマジで遠くは無い。うわべの超高齢化が問題なのではなく格差容認自己責任追及民間ホドコシ善意依存型社会こそが問題なのだろう。松山ケンイチのあまりにも純粋で真っすぐなまなざし、長澤まさみが母親との長回しシーンでごく普通の会話から入ってここぞというタイミングで落涙するリアル、主役お二人の演技も見ものだが柄本明がその10倍上をいくとんでもない演技をしていて(未だ3月だが)今年の助演男優賞は確定である。
両親に会いたくなる
あなたは大切な人をどのようにサポートしますか
柄本明さんの演技に自然と涙が出てきました。日本で生きている以上!そして人として向き合わなければいけない問題であり、1人でも多くの人に見てほしいです。正解はない。何歳であっても心の中は子どもであり、体と環境が勝手に成熟な大人に変えていく。何歳になっても死を恐れている子どもであり、自分の一番いいところや楽しい記憶が続くと願うばかりの子どもである。認知症になることは防ぐことができないうえ、体がだめになっていき、脳が勝手にボケていく辛さは本人の心とまだ鮮明さがある脳と思考で悲しくなる。一生懸命闘病したり、認知症と戦っているけどどんどん悪化してしまう。介護する人と介護される人にしかわからない気持ちがある。子に迷惑をかけたくない親と、親を支えたいけど限界が来てしまう子は介護の課題であり、問題である。人が人の命を立たせたら必ず罪にとわれなければならないのか。同じ生命がある命を簡単に立たせている。法律はすべて正しいのか。国の指示はすべて正しいのか。なども考えさせられる映画でした。相手を思う気持ち、為になる行動、事情を把握してから行動するは簡単に見えて難しいことです。感情があるとどうしてもコントロールできなくなります。しかし、感情があることで好きな人をずっと気になっていたり、愛する我が子のためにどんな体や脳になっても最大限の愛情表現を不器用におこなっている。今後を感がさせられる映画でした。あなたは介護する側として認知症のご両親に何ができますか?
どちらが正しいのか分からない…
まさに現代社会に突きつけられた問題に
正面から取り組んだ作品
長澤まさみが扮する検事
対
現代日本が抱える介護問題の代弁者
松山ケンイチ
の構図の映画です
日本の刑法上
人を殺すこと = 殺人罪
となってますが
介護に困窮を極めた人達にとって
果たしてそんな単純な数式だけで
人を裁いて良いのか
ということを
心の底から考えさせてくれる作品です
リアルに
検事である長澤まさみ
人殺しである松山ケンイチ
のどちらが正しいのか
分からなくなるような感覚に襲われます
最後に二人が対峙する場面の
カット割りも秀逸で
本作品のテーマが
監督の力によって
より引き立てられてると感じました
役者、監督を含めたスタッフ
双方共に素晴らしい作品でした
それにしても
柄本明さん
様々な作品に出てきますが
どの作品の演技も
超ナチュラルにハマっており
本当に毎作品
感心させられております
日本を代表する
名脇役ですね
観ているのが辛くなる
長澤まさみと松山ケンイチが初共演を果たし、検事と連続殺人犯として逮...
長澤まさみと松山ケンイチが初共演を果たし、検事と連続殺人犯として逮捕された介護士の対峙を描いた社会派サスペンス。
戸田菜穂演じる梅田が法廷で叫んだとき、大友検事を演じる長澤まさみが正論を語っていると思わせてくれるいい場面なのだぁ!!考えさせてくれるおもしろい映画です。
人にしてもらいたいと思うことを人にもしなさい。
彼の行為を批判はできない自分がいる
日本に住んでいる全員に観てもらいたい。
42人を殺したのか?それとも救ったのか?
久しぶりに、胸の奥に突き刺さる作品を観た。当初、42人の介護ケア老人を殺したサイコパス・サスペンスの要素が強い作品か、と思っていた。しかし本作は、老人介護について、改めて考えさせられる、前田哲監督らしい社会派のヒューマン・ドラマとして仕上げていた。
親の介護というのは、身内だからこそ、簡単には考えられない現実。しかし、いつかは、誰もが辿り着く社会の課題ともなっている現在、寝たきりや認知症を患った親に対して、私達は、どう接すればよいのか?もちろん、私達も歳をとり、介護される側となり、子供の世話になった時、迷惑をかけないようにするにはどうすればいいのか?それぞれの立場において、とても身につまされる内容であり、現代社会に対しての問題提起とも思える内容。
普段は、とても優しく、親身になって老人の介護にあたる松山ケンイチ演じる介護士・斯波。しかし斯波には、これまでに自分が介護にあたってきた老人を42人も殺してきた裏の顔があった。ストーリーの前半で、その事件は判明し、逮捕されるのだが、そこには、「ロストケアは、殺人ではない、救いだ」という、斯波なりの確固たる正義が存在していた。そして、斯波がなぜ人を殺めるようになったのか、彼と父親との過去に遡って、物語は展開していく。
その事件の検事として、斯波と対峙するのが、長澤まさみ演じる大友。大友もまた、シングルマザーで育ててくれた母が、認知症で介護施設に入居しており、仕事を理由に、母の介護をおざなりにしている後ろめたさも感じていた。そして、冒頭のショッキングな事件シーンが、実は大友と深い結びつきがあったことも、ラストに明らかになっていく。
先日、親の介護支援を依頼してきた自分にとっても、正直、とても重い内容であり、斯波の正義と大友の正義の両面での葛藤と、弱い者が生きづらい悲しい社会の状況に対して、後半は、涙腺も緩みっぱなしだった。
そのように感情移入できたのは、松山ケンイチと長澤まさみの、本音と建て前の両端な想いに揺れ動き、感情を露にした演技もさることながら、脳梗塞で身体の不自由が効かずに、認知症も進んでしまった、斯波の父を演じた、柄本明の鬼気迫る演技にあったと思う。介護に悩み、苦しんでいる人々の生活が、非情なまでにリアルに描かれており、柄本明の役者としての底力を、改めて感じた。
絆か呪縛か、答えはバラバラ
なかなか重いストーリー、重いテーマでした。
高齢化社会における、介護、認知症・・・
立場により見え方も感じ方も違うのだろうな。
安全地帯、穴に落ちた家族、それを介護する職員・・・
正解がなにかわからない、いや人によって正解が異なるのか、
尊厳死、安楽死という考えもあるが、さすがに人殺しはどうかと思う。
現代社会の大きな問題を描いた映画であった。
私も同じような立場になったとき、介護する立場、される立場になったとき、
どのように思うのか、何ができるのか。。。
全416件中、321~340件目を表示