「擁護も同調も出来ないが、理解出来る。」ロストケア foolさんの映画レビュー(感想・評価)
擁護も同調も出来ないが、理解出来る。
クリックして本文を読む
超高齢化社会を迎え、あらゆる面で私達は逼迫している。
反面、高齢者介護や在宅医療介護、在宅看護などで、儲けている会社があるというのも現実であり、生活が締め付けられ、少ない年金生活を強いられている人々との対比は皮肉だ。
が、40年間年金を払い続け、定年後貰える金額は
生活出来るような金額ではない。
定年後の生活を考えると、今から憂鬱でしかない。
プラン75でも同じ様な事を語ったが、認知症になると、本人に選択肢は無くなるに等しい。
寝たきりになり、意思を伝える事が出来ない状態になると、選択肢は皆無である。
死ぬという選択が出来るのならば、そうするのではないか?
こんな事になる前に、逝ってしまいたいと
健康な時は考えていたのではないか?
そう思わずにはいられない。本当に切実に
犯行の動機は理解出来る、が擁護は出来ない。
心情も理解出来る。
途中、モヤモヤした
他の方のレビューを見たら、その原因がわかるかもと思ったが、解決しなかった。
多分、救いを与えたという所謂「死の天使」という位置付けというか、主張がしっくり来なかったのだと思う。
自分の父親を手にかけ、更に介護職に就き
同じ境遇の家族を救う事で、父親を殺害した事実を正当化しようとしたように思えた。
税金や年金、健康保険料金を引き上げ、その割に定年後の生活は保証されない。
政治家は私腹を肥やす傍らで、在宅介護を勧めながら、生活は保証されない。
これで生きて行けとは、なんとも理不尽である。
松山ケンイチの演技は実に素晴らしかった。
葛藤を感じる事で、どうにか重い気持ちと
モヤモヤが少し軽くなった気がした。
コメントする