劇場公開日 2022年10月21日

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「日本の善いところを写した絵」線は、僕を描く aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本の善いところを写した絵

2022年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

普段の生活ではほぼ出会うことのない水墨画の世界。どこまでがリアルで、どこからが演出なのかもわからないが、ほんの少しでも雰囲気を味わえたのは、映画ならではの体験ですね。

横浜流星、清原果椰の若手2人が役としても、役者としても真剣に向き合っているのが、なんとも清々しいです。清原果椰の20歳とは思えない落ち着きようと、横浜流星の大学生っぽさが、役と実年齢の逆のギャップながら、妙にバランスが取れていて安心感がありました。師匠役の三浦友和が、伝統を守るパワハラ爺さんではなく、優しく優しく諭すところは、今どきの世相ですかね。江口洋介、富田靖子のベテランもしつかりアクセントを効かせていました。

ストーリーは「水墨画を通して、残酷な過去と向き合うまでの再生の話」で、それがすべて。ただし、周りの人たちがみな善良で、悪意がまったくないのが特徴。収まるところに全てが収まった、簡単なジグソーパズルのよう。何かの刺激を求めたりせず、完成された絵を見るのが目的で観れば、スッキリすること請け合い。ホッとする良作です。

AMaclean