仕掛人・藤枝梅安2のレビュー・感想・評価
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前作に匹敵する程の高品質な時代劇。 本年度ベスト級。
1作目は映像やストーリーに加え音楽等全てが素晴らしかったけど、本作も同様に素晴らしい作品。
時代劇が面白いと思ったのは本シリーズが初めてかも(笑)
本作は梅安と彦次郎が仕掛人となった理由が明かされ、その過去から引きずった復讐を軸に展開するストーリー。
梅安も彦次郎も壮絶な過去が明かされるんだけど、彦次郎の過去が凄すぎた。
彦次郎には同情するしか無い。
一方、梅安の過去も辛い感じで針医者の師匠との出会いには救われた。
だけど仕掛人になった理由は身から出た錆って印象(笑)
本作は2つの復讐がテーマって感じ。
この2つの復讐が良い塩梅で繋がっているストーリーが良かった。
本作で初めて登場する椎名桔平さんと佐藤浩市さん。
この2人のポイントがかなり高い。
特に椎名桔平さんは1人2役で相反する役を上手く演じていた感じ。
本作は女性陣の活躍が前作より少なく男臭さが目立っていた感じ。
そんな中でも菅野美穂さんは良かった。
3作目もある様なラスト。
次作も期待してしまいます。
前作は食事のシーンが美味しそうだったけど、本作は汁物が多目で残念だった感じ(笑)
TKGはいつの時代でも最高な食事ですね( ´∀`)
全体的にはよい時代劇だが、仕掛けのカタルシスはない
ストーリーは勧善懲悪的でわかりやすく、展開はテンポよく、チャンバラの見せ場もあります。
全体的にはよい時代劇作品だと思いますが、仕掛けによるカタルシスは弱く、強く印象に残るものはありませんでした。
本シリーズは二部作構成のわりにつながりは薄く、前作を観る必要はないでしょう。
前作「仕掛人・藤枝梅安」では静かで陰鬱としていましたが、本作では対照的なストーリー展開です。
悪役として描かれるのは傍若無人なド畜生で、懲らしめるのに何ら疑問を感じません。
複雑な人情の揺れ動きや執念の描写を期待していたので、この点は残念でした。
本作では人間模様の一端は描かれているものの、仕掛けを依頼する人・仕掛けられる人、それぞれの背景があまり描かれていません。
梅安の過去の行いの因果、彦次郎の復讐に焦点があるため、登場人物が多いわりに広がりがないように感じられました。
また、本作では彦次郎との共闘ともあって、梅安の仕掛けのインパクトは小さいです。
前作の仕掛けはあまりに美しすぎました。
役者陣はみなさんすばらしく、特にゲストキャストの二人はお見事です。
椎名桔平は、品行方正な峯山又十郎とド畜生の井坂惣市を演じ分けます。これにはぞっとするものがあります。
佐藤浩市が演じる井上半十郎は、行き着く先の鬼気迫る様子がすさまじいです。
役者陣を活かしきるストーリー構成・演出であれば、なおよい作品になることでしょう。
また別の池波正太郎作品の映画化が予定されているようなので、今後に期待したいです。
前作に負けないおもしろさ
時代劇を超えた傑作
これまで時代劇にまったく興味がなかったのですが、豪華キャストとビジュアルセンスの良さ惹かれて試しに足を運んでみると、すっかり虜になりました。時代背景や歴史が苦手な方でも、愉しめる映画です。
パート1もパート2も、夫と、母と、それぞれ2回ずつリピート鑑賞させていただきました。
パート1は、涙し、梅安先生にうっとり引き込まれてしまう作品、パート2は、仇討ちと敵討に緊張感あふれる作品。
どちらも威厳と影を合わせ持ったストイックな梅安を豊川悦司さんが見事に演じられ、いままでにない「仕掛け人」の深みと情緒を感じる最高傑作でした。この世界観は豊川悦司さん以外には表現できないし、ちょっと代役は考えられない存在感ですね。
菅野美穂さんの自然体の演技力が素晴らしかったです。梅安先生に絶妙にマッチする彦さんも愛嬌があってかわいい。天海祐希さんのおみのと盗賊の桔平さんともハマり役。高畑淳子さんのおせきがホッコリいい味出してます。石橋蓮司さんと小林薫さんは少しのご出演でしたが、大物俳優ならでは、声の出し方からして本当にうまい一流俳優さん、と母が大絶賛でした。
佐藤浩一さんの井上半十郎はご高齢で、仕掛け人としての手強さには欠けるものの、佐藤浩一さんらしいいい味出てましたねー。
ただ半十郎にお供していた一ノ瀬颯さんは、洋風ジャニーズ顔なので、この映画のなかでは、違和感がありました。カムイ伝とかキングダムとか、ゲームや漫画を映画にしたような軽めの時代劇作品なら適役ですが、今回のように風情や重みのある作品には向かないキャスティングだったと思います。
ほかにも書ききれないですが、いまからパート3が待ち遠しいです。松本幸四郎さんが何を見せてくれるのか、、、!
そして最後はなんといってもこの映画にどっぷりと浸れたのは、映像美と感情を揺さぶるカッコいい音楽の融合。ひとつの芸術として、何度も込み上げてくるものがありました。
半年おきにシリーズ新作の公開をお願いしたいです。制作チームと俳優さん方、みなさんの一体感が伝わってくる本当に素晴らしい映画作品でした。
続編は…
必殺仕事人をイメージして観ちゃダメ
劇場で時代劇を観るのってすごく久しぶりな気がする。
私にとって時代劇と言えば「遠山の金さん」と「必殺仕事人」という世代。
「仕事人」が好きなら「仕掛人」もアリでしょ、ということで、1作目は見逃してしまったが、この2作目からでも大丈夫という声を聞き席を予約。
個人的なことで言うと、そもそも私は豊川悦司という俳優があまり好みではない。
背が高くてスクリーン映えする俳優だとは思うけど、あの声と演技が、なんか「違うなぁ」といつも感じている。
で、本作なんだけど、その豊川悦司扮する藤枝梅安が、いろいろ闇を抱えたキャラクターである割に、まぁしゃべることしゃべること。
原作を知らないので何とも言い難いが、主人公が過去や状況や心情をこんなにセリフで説明してくれなくてもいい気がする。
(ここからネタバレ)
あと、サイコパスな双子の弟。
毒で動けなくして絞首刑なんだけど、本人も暴れることなく受け入れてて、おそらくコレ、本人も覚悟があったという演出なのかな?
ただ、もう少し膨らまさないの?って感じ。
梅安さんが、ステルスによるハリ攻撃。彦次郎さんは吹矢と毒ってことになると、どうしても剣術勝負にならない。
前作含め、登場人物同士がみんな実は関係性ありすぎってのもねぇ。
いや、私が「必殺仕事人的なモノ」を何となくイメージして来てしまったのが悪いんだけど、全般的にやはりケレン味が非常に薄くて、敵をを倒すカタルシスがすごく少ない。
ただ、役者達はさすがの存在感で、特に高畑淳子のクセの強さ。シーンは少ないのに、確実に記憶に残る。
次回作はもう仕掛人やってそう。
石橋蓮司も良いね。話し方とか、ウチの取引先の爺さんソックリだし。
全体として嫌いじゃない。
テンポも良いし、味もある。
ただ、エンターテインメントとしては地味な印象は拭えない。
あ、あといつも思うけど川井憲次の音楽仕事。
安定の「川井節」ね。
原作の最後までこのキャスト&スタッフで映像化希望
ただただかっこよかったです。
一作目同様、いやそれ以上に川井憲次サウンドの美しさが引き立つ!!!
VFXが、言われなきゃわからないくらいの綺麗な融合で、それもまた見応えあり。
梅安の人としての業の深さに、キャラの深みは増し。
あー、このスタッフ&キャストでずっと、年1~2回の映画シリーズ続けてくれないかしら?
舞台となった京都と江戸によって、宿敵・白子屋も登場したことだし、原作の最後まで映像化してもらいたいものです。
シブかっこいい大人の映画
壱より数倍面白いというかこれだけで良かった
2023年劇場鑑賞89本目。
壱が仕掛人のめんどくさい掟と業を描いた作品だとしたら、こちらは基本勧善懲悪もの。まぁ佐藤浩市パートがややこしくはしていますが。
椎名桔平演じる浪人が悪党すぎてあの最期でも物足りないくらい。あっ、このシリーズで悪党死ぬというのはネタバレじゃないですからね。決定事項です。本題はその後どうケリをつけるかなので、そこをお楽しみに。高畑淳子がでかい声でセリフを言うたびに笑ってしまいました。
エンドロールで「あれ?この人いたっけ?あー、じゃ多分この後か・・・」と思ったらその通りなので席を立たないよう。
ちなみに完全に終わって明るくなったあと若い男の人が「○○○○だ!」と興奮して叫んでたのが印象的でした。
仕掛人は単なる「殺し屋」。
一作目は梅安中心の物語であったが、二作目は梅安と彦次郎の物語になっている。二人が仕掛人になったいきさつが描かれていてとても興味深い。似ている二人は、表向きは真っ当な仕事をし、良識ある人間でありながら、裏では仕掛人として殺しを請け負っている。そんな矛盾した自分の生き方に「悲しみ」や「諦め」みたいなものを二人とも持っている。お互いに似たもの通しであることを感じるから、友情のようなもので結ばれている。その絆は、一作目では料理を一緒に食べるシーンに象徴的に表現されていたが、今作は仕掛の仕事を二人で本気で力を合わせてやりとげるシーンに直接的に表現されている。
殺しという「悪事」を行っているのに、生かしておいては世のためにならない人間を消すという「正義」を行っているかのような勘違いが、「仕掛人」の倒錯した世界の魅力でもある。梅安は仕掛の世界に身を委ねたために、この世の裏表が良く見えるようだ。善と悪は突き詰めていくと境界がなくなってしまうのかもしれない。善人も平気で悪事を行い、悪人も良心をどこかに残している。梅安は、自分のしていることが善悪を超えた単なる「殺し」であることを自覚している。梅安と彦次郎が、そんな自分たちの定めをしみじみ語るのがとても印象的であった。
二作目でドラマに深みのようなものが出て、三作目も楽しみである。
池波正太郎の世界
最後の晩餐
前作に引き続き「時代物、面白いじゃない!」と思わされてしまったのでした。
作品への力の入れようがひしひしと伝わります。ちゃんとやれば素敵なモノを創る事ができるお手本のようです。
トヨエツさんと愛之助さんの言葉使い・声が魅力的、菅野美穂さんとの濡れ場も艶っぽい。
今回は食事シーンが少なかったですが、それでもハゼの鍋には喉が鳴りましたし、決戦前のTKGも良かったなぁ。
こういった作品をもっとメディアで取り上げてくれたら邦画の勢いも増すのだろうなと、感動しつつも寂しくもあり。
個人的には高畑淳子さんのまるで恋する乙女のようにパッと輝くような笑顔を浮かべるところや椎名桔平の毒蝮振りに役者の力をものすごく感じ入りました。
そしてエンドロールでの「あれ?このヒトどこで出てた?見逃しちゃったの?」またしてもやられました。
良質な作品に出会えるこことができて幸せでした。
地味なシーンが多いのがミソ。
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