X エックスのレビュー・感想・評価
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A24映画である故に
懐かしさとお手軽感てとこ。中身スッカスカの80年代ホラーをまんま観てる感覚。確かに残酷描写レベルや時折のしつこさ(ミッドサマー的と言えば良いのか)は、現代風味付けなんだろうけど。まんまポルノとバイオレンスのセットていうのもやはり懐かしい。思い浮かぶのは、近しくはデスプルーフ、古くはソドムの市てとこか。
ま、これがA24映画である事の先入観が手伝い.....ここは計算されてる、わざと安っぽくしてる、少しA24的ホラー感出してる、少しイッチャッタ感出してA24は意外性狙いか...とか捻った考え方となり、それなりに良作に見えて来るから不思議w
A24ブランドが引き上げた感は否めないかと。
あ、ここへ来て今、もっとエグいポルノ+グロな作品を思い出した。セルビアンフイルム、あれは何もかもが相当ヤバかった。観た後に凄く後悔し、暫く経つと何故かまた観たくなる。で、また後悔するw究極のゴア&タブー満載作だった。
本作はセレビアンに比べると、振り幅はおとなしい、つうか別物。A24版80年代風カジュアルホラーといったところか。
殺人鬼老夫婦と言うけれど…
伝統芸的なスラッシャー
失礼さの塊で、若さを浪費しているような頭の悪い若者たちに、加齢で美しさや体力を失った老夫婦が怒りの鉄鎚を振り下ろし、惨殺しまくるゴアホラー。
79〜80年代頭の洋ピン・ポルノの再現性の高さと、容赦のないアトラクションみたいな流血の連続は、最近のコンプライアンスを意識した作品たちとは違って、ちと懐かしい伝統的スラッシャー・テイスト。
シナリオも凝っていて、見応えありました。
エンドロール後にはちょっと長めな次回予告のおまけつき。
暗転して音楽が流れたからといって、帰らないことをおすすめします。
続編が楽しみ
A24製作の過去作と比べると、古き良き70〜80年代のスラッシャームービーをオマージュした様な本作は、やや違う趣の作品かもしれない。だが、静かながらも丁寧な人物描写の数々や、得体の知れない怖さはかえってパワーアップしている様に思える。また、エキゾチックな目鼻立ちの主演女優、ミア・ゴスのなんとも言えぬ空気感と相まって、上質なホラー作品を味わう事が出来た。
前半のポルノ撮影のシーンにやや尺を使いすぎな気もするが、それがあってこのストーリーが成り立つ訳であり、決して無駄という訳ではない。観客の中にデート中と思しき若いカップルが複数組みいたが、ちょっとデート映画にしては不向きかも知れないが。
監督がイーライ・ロスの申し子、タイ・ウエストという事もあり、ホラー愛溢れる設定にも笑みがこぼれる。例えば、老夫婦の家のすぐ裏にある池にワニが棲んでいたり等は、トビー・フーパー監督の「悪魔の沼」を連想させるし、斧で扉を壊すシーンはもろ「シャイニング」だ。リスペクトすれば良いという訳では無いにしろ、ホラー界では名の知れた腕利きの監督が撮ると自然な形で盛り込んでくれる。冴えたスプラッタ描写も中々の物である。ホラー好きにはぜひオススメしたい。
「X」が指す意味はいろいろあるけど、おそらく「正しい」意味はラストに出ます。
今年205本目(合計481本目/今月(2022年7月度)17本目)。
7月は全般的に大阪市の放映基準でみても4本もあり、そのうち2本目。
「こくひ」がR18だったのに対し、こちらはR15です。とはいっても、かなりグロい表現やら大人の営みなど多数にわたるので、これら両方の耐性がないと厳しいかな…という状況です(人によってはR18か、それを超えるような見方になってしまう)。
多くの方が書かれている通り、ストーリー上わかりにくい点は結構あります(加害者側の動機が何なのか等)。とはいえ、この映画はそれはわかるものの、そこは引いても0.1程度ではないか…と思います。ホラー映画である以上、やることすること全部支離滅裂なので「加害者の動機が謎」といってもわかるほうがある意味変なので(G指定やPG12指定ならまだしも)、ここも減点対象にはしづらいです。
一方で、この映画は1977~79年のようで、モノクロ放送でテレビが映る部分がありますが、そこで描かれているのは、キリスト教をベースにしていると思われる何かの宗教(少なくとも一般的に信仰されるプロテスタントやカトリックではない)のですが、この説明がまるでないので、当時(この1970~80年台)の宗教観がそうだったのかという点は映画内で何も説明がなく、この点が致命的にわかりづらいです(この点がわからないと、ただ単に「大人の営み」と「よく趣旨がわからないホラー」を延々と見るだけになってしまう)。ここはある程度減点幅なのかなぁ…という気がします。
こちらこそR15ではありますが、「ホラーの描写」と「大人の営み」が両方入っており、人によってはR18かそれを超えるような状況になりかねないので、そこは正直「こくひ」以上に「人を選ぶかな」という印象です。
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(減点0.3) 上記の通り、この映画のひとつのテーマとして「よくわからない宗教がテレビで流れてくる」ように、当時の宗教観があることが前提にされていますが、日本ではほとんどなじみがないですし(日本ではプロテスタントかカトリックかという論点はあっても、それ以外の極小流派を見ることがない)、この映画の理解の「一部」は結局全部ここに帰してしまうので、この点の説明が少ない(というか、まったくない)映画はある程度引かざるを得ないかな…というところです。
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ジェネリック悪魔のいけにえ おっぱいマシマシ
これはいったいホラーなのか?
80年代ホラー作品ファンにはたまらない作品
想像の斜め上を行くサプライズ
動機や編集が秀逸
2022年劇場鑑賞158本目。
ポルノ映画を撮影するために農場の離れを借りた男女6人が、その家主の老夫婦(大体おばあちゃんの方)に襲われる話。
ただの老人であり、どこぞの盲目だけど的確に殺しに来る老人と違い、うまいこと不意をついて殺していくので「抵抗したら勝てるんじゃない?」という疑問を挟めないようになっています。
動機がまた今までのホラーにはあまりない理由で斬新でしたが、殺害シーンも油断してたら急にくる感じで、その油断してら急にくる、というのも今までのホラー映画だと「今油断させていますのでしばらくお待ちください」みたいなのかホラー見慣れているとわかってしまうのですが、そこを完全に外してきたシーンがあってめっちゃビビりました。全部ではないですが・・・。
池の上からのショットとかも良かったですね。
エンドロールで殺人鬼役のキャストを観たときが一番驚きましたけどね。
モチベーションは若さへの羨望?…だけじゃないよね?
哀しいホラー
奇をてらわない真面目なホラー映画
最近見ていたホラー映画がコメディ要素が強かったり、これまでのホラーに追加である設定を加えてみました的なのが多かったので、この映画もあらすじを見たとき同じように奇をてらった作品なのかと思っていた分期待を裏切られてよかった。
個人的に期待を裏切る展開の映画は得てして評価も高くなります。
あと、ちゃんとゴア描写と老夫婦の不気味さを演出できているのがホラー映画としての質を高めているなと。轢かれた牛だけでわからされました。
使い古された定番のホラー設定なんですが、コメディ要素はなく(笑えるところはある)普通に怖い。
これまでホラー映画をいくつも見ているのである程度展開の予測が立つんですが、上で言った演出ができているから予測が当たった外れただけで終わらせないのがいい。
微妙なところを挙げるとするならばことが起こるまでは結構時間があることだけど、音楽の使い方もよくてあまり退屈には感じなかったです。
エンドクレジットの途中で退席する不届き者がそこそこいて、最後そんな奴らに勝った気がして幸福感も得られました。この映画を作った方の意図は別にあるのかもしれませんが、ありがとうございます!
そうきたかー!
えじき形式映画を知的におしゃれにリメイクした感じ
面白かった。怖かった。洒落てた。
「いけにえ」形式のオーソドックスな設定にポルノ撮影隊をクロスさせて(わざわざ70年代=70年代ファッションandテイストというのが洒落てる訳です。エンドロールも、その後の細工も一貫してる)どういった新しさが加わるか、な訳だけど、基本はオーソドックスの殺戮。但し、怪しい婆さんが思いの外ハッスルする。
予告編見てる限り、この農場夫婦にどんな特殊設定が、と思っていると、さすがポルノ撮影隊がえじきなだけあって、まさかの老廃の色魔、肉体的に滅びた後の色魔だった。ルックはスペースバンパイアの吸い取られた後の、みたいな婆さんがゆらゆら現れるのが笑えもし、かつまたおぞましい。
かつて餌食になったであろうヒッピーや、そして時代の先端をゆくかのようなこの女性陣の更に先をゆく本物のミセスフリーダム、みたいなのに次々に殺されるという悪夢。そしてそのおぞましさのピークとして醜悪な殺人鬼のセックスの下敷き、というかなりのエグさ(笑える)。ある意味ロジカルで丹精な演出(地面に釘を見た時には吹き出しそうになったけど)。音の付け方はかなりのオマージュ的な音付けだけどもそれが本当にいい怖さを演出していた。
タイトルにもなっている「X FACTOR」とは何だったのか?
典型的な「田舎ホラー」だが、欲求不満のお婆さんと偏屈なお爺さんが、間抜けな若者たちを殺しまくるだけで、何の「ひねり」もサプライズもないのは、どうしたことか?
そもそも、ヨボヨボの老人たちが殺人鬼では、サスペンスとしてのハラハラドキドキも感じられないし、かといって、心に響くエピソードや台詞があるわけでもない。「これはコメディーなんだ」と割り切ろうとしても、見たくもない老人同士のセックス・シーンを見せられて、笑うに笑えない。
いったい、何がしたくて、何を伝えたいのか?製作者の意図が、まったく分からない。そんな思いでエンドクレジットを眺めていたら、いきなり次回作の予告編が始まるが、もしかしたら、そこで、驚くべき事実が明らかになるのだろうか?そうとでも考えないと、何を見てしまったんだと、やりきれない気持ちになる映画だった。
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