X エックスのレビュー・感想・評価
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なんと魅力的なジジイとババアか
シチュエーションは古典的で所謂ホラーとしてはビックリ系に当たる。
ただとにかくまともからかけ離れた位置からぶっ放していく爺さんと婆さんのキャラ立ちが凄い。登場から被害妄想が激しく思い込みの強い爺さんと窓からじっとこちらを見つめる干からびた婆さんはそこにいるだけで背筋をゾクッとさせてくる。
特に婆さんのいい具合にみすぼらしい格好とシミだらけの顔にボサボサの白髪頭は非常に感情を掻き立ててくる。
若さへの執着と異様なまでの愛への渇望が衝動へと移り変わっていく様は見ていて恐ろしくもありつつ、何故かワクワク感も引き出された。
それもこれもやはりキャラクターのインパクトによるものか。
ただ老いへの恐怖というのは誰しも共通で、どこかシンパシーも覚えてしまった。好き勝手に振る舞い、若さにあぐらをかきながら欲に溺れる男女を前に本能が暴走するのも無理ないか と思えてしまうからまあ困ったものである。
またゴア描写もそれなりに激しくもあるが、A24だけあって色彩と場面の描き方が美しい。特に婆さんが血飛沫の飛んだヘッドライトに照らされ踊るシーンは何故か妙な高揚感を覚えてしまった。
前日譚も描かれるようだが、今作によって婆さんが若さを謳歌していた過去というのがより引き立つ構造にもなっており非常に楽しみ。
「X」が指す意味はいろいろあるけど、おそらく「正しい」意味はラストに出ます。
今年205本目(合計481本目/今月(2022年7月度)17本目)。
7月は全般的に大阪市の放映基準でみても4本もあり、そのうち2本目。
「こくひ」がR18だったのに対し、こちらはR15です。とはいっても、かなりグロい表現やら大人の営みなど多数にわたるので、これら両方の耐性がないと厳しいかな…という状況です(人によってはR18か、それを超えるような見方になってしまう)。
多くの方が書かれている通り、ストーリー上わかりにくい点は結構あります(加害者側の動機が何なのか等)。とはいえ、この映画はそれはわかるものの、そこは引いても0.1程度ではないか…と思います。ホラー映画である以上、やることすること全部支離滅裂なので「加害者の動機が謎」といってもわかるほうがある意味変なので(G指定やPG12指定ならまだしも)、ここも減点対象にはしづらいです。
一方で、この映画は1977~79年のようで、モノクロ放送でテレビが映る部分がありますが、そこで描かれているのは、キリスト教をベースにしていると思われる何かの宗教(少なくとも一般的に信仰されるプロテスタントやカトリックではない)のですが、この説明がまるでないので、当時(この1970~80年台)の宗教観がそうだったのかという点は映画内で何も説明がなく、この点が致命的にわかりづらいです(この点がわからないと、ただ単に「大人の営み」と「よく趣旨がわからないホラー」を延々と見るだけになってしまう)。ここはある程度減点幅なのかなぁ…という気がします。
こちらこそR15ではありますが、「ホラーの描写」と「大人の営み」が両方入っており、人によってはR18かそれを超えるような状況になりかねないので、そこは正直「こくひ」以上に「人を選ぶかな」という印象です。
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(減点0.3) 上記の通り、この映画のひとつのテーマとして「よくわからない宗教がテレビで流れてくる」ように、当時の宗教観があることが前提にされていますが、日本ではほとんどなじみがないですし(日本ではプロテスタントかカトリックかという論点はあっても、それ以外の極小流派を見ることがない)、この映画の理解の「一部」は結局全部ここに帰してしまうので、この点の説明が少ない(というか、まったくない)映画はある程度引かざるを得ないかな…というところです。
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夢に出てきそうで怖い
今のアメリカで起こっている人工中絶、キリスト教右派、共和党の問題をも内包する今見るべき映画でアメリカはこういう作品を作れるのが素晴らしい。
内容はツッコミ処満載ではありますが、薄気味悪い素晴らしい作品でした。映画として正当に、記憶に残るおぞましい内容でした。婆さんがベッドに潜り込んでくるシーン、夢に出てきそうです。化け物でもなんでもないのに、、、
意外に当時の若者のそれぞれの考え方があり割ときちんとした人物描写だった。それにしても現像したフィルムを見たらまた頭抱えてしまうシェリフをイメージしてしまいます。
さすがA24作品でした。
ジェネリック悪魔のいけにえ おっぱいマシマシ
これはいったいホラーなのか?
80年代ホラー作品ファンにはたまらない作品
想像の斜め上を行くサプライズ
動機や編集が秀逸
2022年劇場鑑賞158本目。
ポルノ映画を撮影するために農場の離れを借りた男女6人が、その家主の老夫婦(大体おばあちゃんの方)に襲われる話。
ただの老人であり、どこぞの盲目だけど的確に殺しに来る老人と違い、うまいこと不意をついて殺していくので「抵抗したら勝てるんじゃない?」という疑問を挟めないようになっています。
動機がまた今までのホラーにはあまりない理由で斬新でしたが、殺害シーンも油断してたら急にくる感じで、その油断してら急にくる、というのも今までのホラー映画だと「今油断させていますのでしばらくお待ちください」みたいなのかホラー見慣れているとわかってしまうのですが、そこを完全に外してきたシーンがあってめっちゃビビりました。全部ではないですが・・・。
池の上からのショットとかも良かったですね。
エンドロールで殺人鬼役のキャストを観たときが一番驚きましたけどね。
モチベーションは若さへの羨望?…だけじゃないよね?
こういうので良いんだよ (by A24)
ここ最近、A24の外れ率の高さ、と言うか、狙い過ぎて滑ってるんじゃない?、的な「尖ってるけどクオリティがしょぼい」様とか。個人的には、こりゃA24終わったか?くらいの感覚だったんですが。
もうね。本当に。こんなので良いんですよ。精鋭化不要。大ヒット狙いは不要。豪華キャスト不要。チャンガラ感は要。低予算感も要。AとBの間の、微妙なエリアで作家が好き勝手やってます。的な。
今回の狩人はヨボヨボの老人です。動機は歪んだ性欲と自己愛です。好きで殺してるわけじゃありませんが、単に気に食わないから殺すわ、な要素も入ってます。と言うか、そういう映画なんだから、どんどん殺します。
テキサスのですよ、さほど大きいとも思えない池に、あんなどでかいアリゲーターがいるなんて!ってのはありましたが、ワニワニパニック映画にならなくて、ホントに良かったw
兎にも角にも。
夏です。ワタクシたちの様に下世話でくだらない人間が、しょーもないホラー映画を見て、ギャーギャー騒ぐ季節です。そういう時は、こういうので良いんだよ。と言うか、こう言うのが良いわw
楽しかった。そこそこ。
と言うか。
全然ビビらなかったぁw
それと。
ミア・ゴスのノーブラのサロペット丈オーバーオール姿に萌えw
タイトルなし(ネタバレ)
【良かった点】
性欲爆発老婆の恐怖!、車の前で踊りだすシーンは恐怖を通り超して爆笑してしまった。
老婆の殺人衝動のエンハンサーであるポルノシーンが本格的!、そりゃ老婆も発情しますわ。
【良くなかった点】
70年代ホラーのオマージュはもう少し抽象的でいいかも。
シャイニングはまんま過ぎてちょっと冷めてしまった。
哀しいホラー
奇をてらわない真面目なホラー映画
最近見ていたホラー映画がコメディ要素が強かったり、これまでのホラーに追加である設定を加えてみました的なのが多かったので、この映画もあらすじを見たとき同じように奇をてらった作品なのかと思っていた分期待を裏切られてよかった。
個人的に期待を裏切る展開の映画は得てして評価も高くなります。
あと、ちゃんとゴア描写と老夫婦の不気味さを演出できているのがホラー映画としての質を高めているなと。轢かれた牛だけでわからされました。
使い古された定番のホラー設定なんですが、コメディ要素はなく(笑えるところはある)普通に怖い。
これまでホラー映画をいくつも見ているのである程度展開の予測が立つんですが、上で言った演出ができているから予測が当たった外れただけで終わらせないのがいい。
微妙なところを挙げるとするならばことが起こるまでは結構時間があることだけど、音楽の使い方もよくてあまり退屈には感じなかったです。
エンドクレジットの途中で退席する不届き者がそこそこいて、最後そんな奴らに勝った気がして幸福感も得られました。この映画を作った方の意図は別にあるのかもしれませんが、ありがとうございます!
そうきたかー!
えじき形式映画を知的におしゃれにリメイクした感じ
面白かった。怖かった。洒落てた。
「いけにえ」形式のオーソドックスな設定にポルノ撮影隊をクロスさせて(わざわざ70年代=70年代ファッションandテイストというのが洒落てる訳です。エンドロールも、その後の細工も一貫してる)どういった新しさが加わるか、な訳だけど、基本はオーソドックスの殺戮。但し、怪しい婆さんが思いの外ハッスルする。
予告編見てる限り、この農場夫婦にどんな特殊設定が、と思っていると、さすがポルノ撮影隊がえじきなだけあって、まさかの老廃の色魔、肉体的に滅びた後の色魔だった。ルックはスペースバンパイアの吸い取られた後の、みたいな婆さんがゆらゆら現れるのが笑えもし、かつまたおぞましい。
かつて餌食になったであろうヒッピーや、そして時代の先端をゆくかのようなこの女性陣の更に先をゆく本物のミセスフリーダム、みたいなのに次々に殺されるという悪夢。そしてそのおぞましさのピークとして醜悪な殺人鬼のセックスの下敷き、というかなりのエグさ(笑える)。ある意味ロジカルで丹精な演出(地面に釘を見た時には吹き出しそうになったけど)。音の付け方はかなりのオマージュ的な音付けだけどもそれが本当にいい怖さを演出していた。
タイトルにもなっている「X FACTOR」とは何だったのか?
典型的な「田舎ホラー」だが、欲求不満のお婆さんと偏屈なお爺さんが、間抜けな若者たちを殺しまくるだけで、何の「ひねり」もサプライズもないのは、どうしたことか?
そもそも、ヨボヨボの老人たちが殺人鬼では、サスペンスとしてのハラハラドキドキも感じられないし、かといって、心に響くエピソードや台詞があるわけでもない。「これはコメディーなんだ」と割り切ろうとしても、見たくもない老人同士のセックス・シーンを見せられて、笑うに笑えない。
いったい、何がしたくて、何を伝えたいのか?製作者の意図が、まったく分からない。そんな思いでエンドクレジットを眺めていたら、いきなり次回作の予告編が始まるが、もしかしたら、そこで、驚くべき事実が明らかになるのだろうか?そうとでも考えないと、何を見てしまったんだと、やりきれない気持ちになる映画だった。
ジャンプスケア多めのミッドサマー
まず、普通に怖かったです。いや、怖かったというより、びっくりしたですかね。
感覚的にはドントブリーズとミッドサマーを合わせた感じ。ドントブリーズのような、暗闇からいきなり現れるようなジャンプスケアが多く見られ、そこがビビりながらも、楽しめた点だった。
ミッドサマーと比べると素直に楽しめた。ただ気持ち悪いだけで終わらず、最後は主人公のマクシーンが最後に勝つ(脱出に成功)できたことは、スッキリできて個人的に楽しめました。ただ、性がテーマと見せかけての、老化に対する恐怖がテーマでしたね。じいさん婆さんがセックスするシーンはなかなかキツかったが、ミッドサマーの時よりは気持ち悪さを感じなかった。
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