劇場公開日 2022年7月8日

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「悪魔の老夫婦」X エックス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5悪魔の老夫婦

2023年1月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

萌える

良作を発表し続けるA24。
ヒューマン・ドラマの秀作が多いが、意欲的なホラーも印象的。ロバート・エガースの『ウィッチ』、アリ・アスターの『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』…。
本作はA24初の3部作でのシリーズ化が決定。
それには作品の出来映えが伴ってないといけないが、俊英タイ・ウェストの手腕は、ショッキングさとインパクトと斬新さと、何処か映画愛溢れるノスタルジックさを兼ね備えたホラーであった。

舞台は1970年代。田舎町を訪れた若者たちを襲う惨劇…。真っ先に『悪魔のいけにえ』が思い浮かぶ。不穏と異様な雰囲気がまさに。70年代~80年代のスラッシャー・ホラーにもたっぷりのオマージュ。
アメリカン・ニューシネマの影響も。若者たちの退廃さ、無軌道さ。
若者たちの目的は自主製作のポルノ映画。ポール・トーマス・アンダーソンの『ブギーナイツ』を彷彿。
ホラーファンや映画通には堪らない。

ホラー映画の殺人鬼と言うと、怪力と不死身のバケモノ的やイカれた奴らが定番だが、本作は異色。
話題にもなっているが、最高齢の殺人鬼。
若者たちに撮影用の離れを提供した農家の老夫婦。
ホラー映画に登場する老人キャラは強烈インパクト。M・ナイト・シャマランの『ヴィジット』やワンシーンだけだが『IT/イット』。不気味で醜悪で。
本作で老人を殺人鬼に設定したのも、若者は早く大人になりたいと思い、老人は若さに執着する相反する感情から。
加えて本作の老夫婦殺人鬼は、敬虔なクリスチャン。
若者たちの若さと自由奔放なSEXに歪んだ感情剥き出しにする。
老人だから非力…? 否!
不意を突かれた凶行に、一人また一人と血祭りに…。ナイフで首をめった刺し、猟銃で即死。遺体はワニのいる池へ。
途端に欲情に燃え、ベッドイン!
ヤ、ヤバ過ぎる…!
老婆を特殊メイクを施して、主演のミア・ゴスがヒロインと一人二役なのが驚き! ミア・ゴスは前日譚『パール』で同役の若き頃も演じ、絶賛されているとか。(年内公開予定の『パール』にも期待!)
そのミア・ゴスの怪演や『スクリーム』やNetflixドラマ『ウェンズデー』も話題のジェナ・オルテガら新進女優たちも老夫婦殺人鬼に負けじと奮闘。

TVから流れる何かの宗教団体も意味深。ヒロインと意外な関係…!
第2作は前日譚。この老夫婦の秘密が明かされる…?
3部作最終章は『マキシーン』。生き延びたヒロインのその後か…?
A24が仕掛ける新たな惨劇は始まったばかり!

近大
琥珀糖さんのコメント
2023年2月8日

こんにちは。

あの老婆がミア・ゴスのふた役。
驚きました。
前日譚の「パール」でも若き日を演じた!
なるほどですね。それでこちらでは老婆を詳しく描かなかったのですね。

琥珀糖