X エックスのレビュー・感想・評価
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Grindhouse Picture in 2022
The old-fashioned slasher film gets the colorful A24 treatment in X, which is basically a sexed up version of Texas Chainsaw Massacre, without the chainsaws. In 1970 a troupe of pornographers settle on an Air Bnb hosted by a couple of disturbed and ugly old people raising an alligator. A simple yet psychologically damaged film with artful edits and contrast. A tad long but noticeably singular.
80年代マインドをもった不謹慎ホラー。
タイ・ウエスト監督が海外のインタビュー記事で語っていた「80年代はホラー映画はポルノと紙一重の扱いで、好きだというのも憚られたものだが、今ではホラーはブロックバスター映画になった」というコメントが強く印象に残っている。設定的には70年代の『悪魔のいけにえ』オマージュと思われがちだが、むしろ本作の本質はレンタルビデオ全盛だった80年代オマージュにあるのではないか。ポルノ映画を撮る若者たちとセックスレスの老人夫婦を対比させ、セックスとワニとあっちこっちに放り込んだスプラッターホラー。不謹慎だし、バカげているし、人に勧めるのも憚られるようなタイプの作品をA24で撮るというこの倒錯感。そしてそういうヤバさを狙った作為をも超越してしまうミア・ゴスの存在感。前日譚となる『Pearl』の予告編は、今度はガッツリ70年代的なグラインドハウス風味になっていたので、併せて観ることで70年代80年代のホラーを総括することになるのではないかと期待しています。
「なんだこれは!?」と異様な汗が噴き出した
年々、変わり種のホラーが次々と生まれているが、それでも本作を見終わって「なんだこれは!?」と問わずにいられなかった。舞台は1979年のテキサスの田舎町(だが撮影はニュージーランド)。序盤から映画の中に二つの相反する要素がムクムクと立ち上がる。一つは若者たちがポルノフィルム撮影に勤しむ姿で、そのノリはいかがわしさよりもむしろ『ブギーナイツ』に近い。もう一つは、牧場主の怪しい老夫婦。銃を手にする夫も危なければ、夢とうつつを彷徨う妻もまた危なし。そこには悪霊や超常現象的な何かが介在する訳でもないのだが、やがて「人間」という名の最も不可解な闇が二つの要素を絡ませ、阿鼻叫喚の惨劇へ引き摺り込む。ホラー描写に身構えながら、もっと胸えぐられるのは若さと老いという、ある種の避けられぬ運命がもたらす感情と肉体の叫びだ。何も知らずに臨んだ私は、老女役が誰か知ってまたビックリ。なんと怪しく、奥深い映画なことか。
骨と皮みたいな痩せ細ったババアが不気味で怖い
骨と皮みたいな痩せ細ったババアが不気味で怖い。目を開けたら全裸のババアが横で寝てるのはちびるわ。心臓が止まるの覚悟で老人夫婦がハッスルシーンは気持ち悪い...遠目のカメラで助かった。
美人だった昔の面影は無く、旦那とも行為が出来ずに女としての魅力を失ってる様子はちょっと可哀想だった。特に昔が美人だと老いていく身体を痛感して辛いだろうなぁ。自分は男だけど老いて今の魅力が失われると思うと怖くなった。
全盛期の頃を観てみたい...と思ったら前日譚があったのね。これは観るしかない。
大人しい音響の子が自分から出演したいと言うのは驚いた。彼氏からしたら仕事とはいえ、他の男との行為を見るのは地獄だろうな、しかもカメラマンとして...。自分だったら彼女が別の男とやってるのを撮影とか絶対無理だね。
タイトルなし(ネタバレ)
1979年、米国テキサス。
若手女優のマキシーン(ミア・ゴス)は、恋人でプロデューサーのウェイン(マーティン・ヘンダーソン)が製作する映画に出演することになったが、緊張が絶えない。
というのも「X指定」の映画なのだ。
映画は田舎の農場の一軒家で撮ることになっている。
一行は全部で6人。
もうひとりの主演女優、ブロンドのボビー・リン(ブリタニー・スノウ)とベトナム帰還兵で黒人男優のジャクソン(スコット・メスカディ)。
撮影兼初監督を務める学生RJ(オーウェン・キャンベル)と恋人で録音担当のロレイン(ジェナ・オルテガ)。
日が沈まぬうちに、と撮りはじめたが・・・
といったところからはじまる物語で、訪れた農場の老夫婦が殺人鬼だという、まぁ、米国都市伝説「アメリカン・ゴシック」の系譜。
田舎町なので、皆が旧弊でガチガチのクリスチャン。
途中寄った売店では、キリスト教の説教番組が絶えず流れている。
殺人老夫婦もガチガチのクリスチャンで、新しい価値観に反感を抱いている・・・のは確かなのだが、妙にヘン。
老いた妻がいつまでの性欲が抜けず、老いた夫を求める。
が、夫は心臓が悪く、応えることが出来ない。
と、新旧二世代のお色気コメディでもあるので、これ、本国ではゲラゲラ笑いながら観られたんだろうなぁと推察。
RJが撮る16mmフィルムの映像と、映画本来のデジタル・シネスコ画面のクロスカッティングや、デ・パルマもビックリなスプリット・スクリーンと、映画表現の計算されたお遊びも、なかなか楽しい。
なお、スプリット・スクリーンは、映画のもうひとつのお楽しみ(後述)への伏線と読み取ることも可能。
で、後半は、ゴア描写満載の殺戮オンパレードなのだが、『サイコ』(沼に沈んだ自動車)や『悪魔の沼』(ワニに食われちゃう)などを彷彿とさせるシーンも登場。
若手女優のマキシーンの正体(物語上の)がわかる最終盤の演出なども才気を感じるし、老いた妻の正体(こちらは役者。スプリット・スクリーンの伏線の回収)なども驚くギミックが仕掛けられている。
なお、映画最後にRJが撮影していたカメラが発見され、「何を撮っていたのか」という警官の答えも面白い。
これは『食人族』のパロディね。
ということで、ゲラゲラ笑いながら観るのがよろしい、ホラーコメディということで。
『ロッキー・ホラー・ショー』のようなイベント上映があってもいいでしょうね。
(もう、あった?)
これは人にお勧めすると
友達を失うタイプの映画やな…。
1979年のアメリカはテキサスの片田舎、ポルノ映画の撮影をするために6人の男女が老夫婦の経営する農場に到着する。
なんだか偏屈そうなおじいさん、なんか儚げな雰囲気のおばあさん。そんなことを気にも留めずにポルノ映画の撮影をおっ始めるのだった。
1979年のテキサスの片田舎に男女グループ、しかもビッチ揃えてポルノ映画撮影に来たとなれば、そりゃあ無事に帰れると考える方がお門違いな王道スラッシャーホラー設定。
ところが!エロいことばっかりしててなかなかお待ちかね??のシーンが始まらない。
いや、一部の人には既にお待ちかねの牌牌シーン満載なのだが。
主人公のビッチ一号マキシーンが撮影の合間に近くの湖で泳いでいると、それを遠くで見つめる老夫婦の妻パール。パールは泳ぎ終わって戻ろうとするマキシーンを家に招き、自分の過去を話し始める。
この辺り、エロ→ばーさん→エロ→ばーさんのくだりが続き若干ダレる。
でも、じつはこの一部の方のお悦びエロシーン…ではなくばーさんパートが重要になってくる。何しろばーさんとんでもない悩みを抱えていて…
あることをきっかけに、殺戮は唐突に始まる。しかも、通常のスラッシャーホラーでは鉄板の法則となっているビッチ度の高さ=殺される順番の法則が通用しない。あれ?そっちから?え!つぎそっち?みたいにやられていくのでちょっと展開が読みにくい。
にしても人を殺めるのってパワーいらんのかな、あんなヨボヨボでいけるんかな。
もちろん一つ一つの殺戮描写も、うわーってなる描き方をしていていい意味でイヤなんだけど、実は一番の嫌悪感じる描写は全然別のところにありまして、もうこれは観てもらうしかない。僕はたまたま観た直後にご飯食べましたけど味しなかったです。精神的ダメージ極大です。
それにしても、なぜ主人公のマキシーンとパールばーさんのキャストが一人二役だったのやら。でも反対にリアルおばあさん女優さんがこの役やったとしたら、それはそれで何というか、アカン気がする。これは特殊メイクよ、と言い聞かせることで少し冷静を保てたことは間違いないが、じーさんお前は別だ!リアルじーさんやないかい。
結局はあれかなー、老いや衰え、倫理観や自由がテーマなんやろな。歳喰ってからじゃ遅いぞー、若いうちに一杯自由を謳歌しとけよーってこと、かな。
まあ、見せられたこっちはたまったもんではないですが…。
最後に、観た人だけに分かるキーワード
・キミも参加するんかーい!
・ワニそんなに浮いてないやろ
・デカいのは分かったから穿きなさい
・ばーさんまさかのどっちも系?
・最後までできたの?だとしたら偉過ぎるやろ
🌀『欲情したおばーちゃんはそれだけでホラー』★彡おぞましや
X
1979年🇺🇸テキサス州ヒューストン
🌀『欲情したおばーちゃんはそれだけでホラー』★彡おぞましいかね。😱
🔵かーるくあらすじ。
ポルノ作品で売れようと考える若者3組のカップル達。
撮影する為に農場を老夫婦に借りる。徐々に危険な状況に巻き込まれていく。
巻き込まれ型猟奇サスペンス。
◉77C点。
★彡最初にパールを知らずに観てしまった⁉️
エックスの続編だったんですね。
どちらから先見ても問題は無さそうです。
エックスは生理的におぞましかった。😱
🟢感想。
1️⃣知的な編集や丁寧な小話などただのホラーではないワンランク上のテイストを感じました。
2️⃣殺仕方がやや無理がある気がしました。
★彡トラップが偶然すぎるし、相手の動きがまるで予知できる流れには少し冷める。⤵︎
3️⃣殺す動機がよくわからん。
★彡二作目観てなんとなくわからなくもないのだが、たまたまやってきた撮影チームを殺す理由は理解し難い。
4️⃣怖いなー
★彡人が一番怖い😨。なんやねんこの老夫婦。
5️⃣鑑賞後調べると色んなオマージュたっぷりなんですね。
★彡三作目の前にまた見直そうかな?
🐊💋🫂🫂🫂👩🏼🌾👨🌾🎬🎥🩸🪓🛌💮
老いへの恐怖、生への執着。
続編であるパールを先に見てからの鑑賞。
時系列順に見た事で、本作Xの伏線やキャラクター造形を深く楽しむ事ができた。
まず冒頭のショットからして見事だ。
往年のタランティーノ作品を思わせる演出が多いのも非常に好み。
それでいて、本作独自の要素として「映画語り」があるのも良い。
ポルノ映画を撮影に行く…というプロットを活かした映画論は見事だ。
そこから徐々に「悪魔のいけにえ」的な展開に移行していく。
映像面も良い意味でザラついていて荒々しく、それでいて唐突にドローンによる俯瞰ショットを入れるバランスも上手い。
懐かしくも新しい。
後半のとあるシーン。
返り血が車のヘッドライトにかかり、周囲が赤く照らさせるあの演出は本当に神がかっていた。
こういう演出が一つあるだけで、映画はグッと面白くなる。本作はそんな演出に満ちていた。
ジャンルとしては狂老婆モノ…とでも言えば良いのだろうか?
シャマランの「ヴィジット」などにも近い印象だが、本作は老婆側…、もっと言うとシリアルキラーの老夫婦側にしっかりフォーカスしているのが興味深い。
老夫婦の苦悩やコンプレックス、若者を見ての生への渇望。
これらが丁寧に描かれるからこそ、本作独自の展開がいくつも生まれてくる。
ここは好みが割れる所だろうが、私は非常に味わい深く楽しんでしまった。
一見するとB級ホラー映画のパロディに見えるが、その奥には現代に通ずるテーマと映画産業そのものへの問いかけが潜んでいる。
映画好きほど楽しめてしまう名作。
オススメ。
続・笑うしかない狂気の祭典
今夜(2024/06/29)観ました。
前作(PEARL)から60年近く経った同じ地が舞台のサイコスリラー映画です。
主人公マキシーン(ミア・ゴス)は地味な印象の女の子で、ポルノビデオ撮影クルーのアシスタントです。
彼らが“例の農場”に足を踏み入れてしまったからあら大変、というようなストーリーです😅
残酷な描写、グロテスクなシーンがあるので、苦手な人は視聴を控えた方が良いかもしれません。
視聴を終えた感想は「悪い意味で元気な高齢者だなー」です(笑)リミッターの外れた人間は年齢関係なく怖いのでしょうね😱
『PEARL』『X』と最新作『MAXXXINE』の三部作で、最新作の日本公開は例にもよって未定です🙁『オッペンハイマー』のように日本でも公開されることを期待しています👏✨
古きスラッシャーホラー!
古き70年代80年代のスラッシャーホラー映画を観ているよう。昔のホラーはこれなんですよね。まさに、殺人鬼と若さとエロ。
しかも、死にキャラ生きるキャラも最初からはっきりと分かるほど、ド定番でもある。
が、しかしこの映画は1つだけ異質なところがある。その殺人鬼が老人なのです。若さに対比した老い、しかし心は乙女なお婆さん。
なんだか、普通のスラッシャー映画よりも観てはいけないものを観た気がする。なんとも不快感に苛まれるのだ。
そして、何となく観ていて似ているなぁと思っていたが、なんとまぁこの映画1人2役だったのね。しかも相対する側で!それを分かって観ると、お婆さんの最後の言葉はうなづける。
ラストはもう少し凝っても良かった気がするが、全体的に普通に楽しめた。久々に古きホラーテイストを楽しませてもらった。
老いとホラー
わけがわからない怖さではない。
昔チヤホヤされていた老婆。
若い子達への羨望嫉妬が憎しみ(にしか見えない)を加速。
わからんではないが、そこまでやるか?という感じ。
心臓発作を恐れて妻の相手が出来ない亭主は謝るしかないのもなんだか切ない。
24時間で5人を殺害。
すごい体力。
体力と精力は比例する?
行き着くところはそれだったか。
それにしても、地下室に死体があったなら、多少臭うと思うけど。
貸家も相当年季が入ってそうだったが、掃除もそんなにされてない家に入るなりソファやベッドに。
意外とそういうのは鈍感なんだね。
なぜかみんな裸に近い格好。
きれいに見えない沼にいきなり飛び込んだり。
裸にエプロンじゃないけど、なぜにその格好デスカ?
服を着て靴を履こうや〜
無防備過ぎてちょっと笑えた。
歳取りたくねええええ!!
なんだこれは?
ホラーなのか?エロなのか?
奇っ怪な爺と婆たち、特殊メイクしてるけど誰なん?
ポルノ撮るためにあんなとこまでロケに行くんだ?
付いてきただけの監督の彼女がポルノ女優としてデビューしてしまう展開とか何をやっとんのだ。
冒頭から温いお茶みたいな展開の間にちょくちょく差し込まれる不気味さに嫌悪感があるが、監督カップルの破綻からストーリーは一気に展開する。
ただ、ヤクを吸ったりする割にこのポルノ撮影チームの面々は面倒見がよい(笑)
「居なくなったんだ」と言われると「一緒に探してやる」と言える人が意外に多い(笑)
逃げ出した監督以外のプロデューサーウェインと男優ジャクソンは他人の困難を手助け出来る程度に善人で気の良い人たちであったので驚いた(笑)
お年寄りに優しいブロンド女優のリンにも驚いた。
そこを突いてくる老夫婦、中々に卑劣(笑)
そして老いて益々盛んなハワード夫妻(笑)
こんなもの見せられてこっちはどうしたら良いんだ。
元旦からこんなもん観てたら、親が泣きそうだ。
古い価値観にとらわれない斬新さ
ものすごく下らなかったらどうしようと不安になる冒頭だったが、それも演出だったのではと思える展開に唸った。史上最高齢の殺人鬼夫婦というアオリも伊達ではない。
もともとB級ホラーといえば、ドラッグとセックスに溺れるカップルがキリスト教的な戒律に反することで制裁を受けるという構造が源流であったように思うが、この映画に登場する若者達は、表面的にはそのように見えても決して享楽的なばかりではなく、危ういアメリカンドリームを追いながら、古い価値観を破壊し性の自由を堂々と主張する真っ当さがあった。一番真面目そうな学生までもが彼らの主張に賛同して変わっていくところを描いているのがその表れだろう。そして老人対若者の対立を匂わせておきながら、老人の方がより性に執着しているという逆張り。伝統ホラーやパニック映画のオマージュを残しながら、古い価値観にとらわれない斬新さがあると感じた。
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