セイント・フランシスのレビュー・感想・評価
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【自己肯定感の低き女性が、一夏、養育係(ナニー)をする中で、女性の生理の大変さ、中絶、産後鬱などを絡めながら様々な経験をし、心が成長する姿を描いた作品。】
■レストランの給仕から、一夏限定で6歳のヤンチャな女の子フランシスの養育係(ナニー)になったブリジット(ケリー・オサリバン)。
大学を、一年で中退し、34歳になっても自分自身の生き方を評価できない・・。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・冒頭から、良い仲になった10歳下の男とのセックス中に、ブリジットは生理になる。
ー 今作程、女性の生理が描かれた作品を私は知らない。だが、今作では生理を穢れとしては描いていない。男も驚くが、嫌な顔をせず、後始末をする。-
・フランシスは、最初はナカナカブリジットに馴染まない。悪戯好きのヤンチャな女の子だ。彼女の両親は女性のカップルで、マヤは子供を産むが、産後鬱に悩まされている。
ー 申し訳ないが、私は男なので、生理の大変さ、産後鬱の状況などは、分からない。だが作品を見る限りでは、女性が如何に大変なのかが少しだけ分かった気がする。-
・そんな中、ブリジットは、自分だけでなく周囲の人間も不安を抱えながら、人生に立ち向かっている事に気付いていく・・。
そして、様々な経験をしながら、彼女は少しだけ自己肯定感を味わって行く。
<今作では、余り描かれない女性の生理、産後鬱、中絶、避妊を正面から取り扱いつつ、自己肯定感の低き女性が様々な経験をし、一夏の心の成長を描いた作品である。
ラスト、ブリジットとすっかり親しくなったフランシスが”報告するね!”とブリジットに駆け寄るシーンは、良かったなあ・・。>
<2022年10月9日 刈谷日劇にて鑑賞>
重いテーマを軽やかに描き、ラストは清々しい。
僕は男性だからこの作品で描かれる「女性ゆえ」味わうさまざまな感情の全てに「あるある!」て共感することは難しいですが、性別関係なく目に見えないプレッシャーとか生きづらさ、自信の持てなさってあると思うのです。それは、どこかの誰かの集合体が作り上げているであろう「世間の常識」だったり「俗に言う“普通は”」ってことで生成される「枠」にはまっていない場合に。
そんな時、きっと自分は自分なりに頑張るものの、ズレを感じるたびに焦ったり、自分自身を卑下したり、どーすりゃぁいいんだー?ってなっちゃうと思うのです。周りを気にしない、自分自身で居ればいい・・・といろんな啓発本には書いてあるものの、許しているようで「例の枠」の尺度にはまっていなければ世間はなかなかどうして、受け入れてくれなかったり、なんだったら下に見たりとか・・・。
まぁ生きづらいですよね。「枠」からはみ出ちゃうと。
さらに女性の場合は男性以上に大変な事情があると思います。本作ではそのセンシティブな部分をズバっと!大胆かつ明確に表現していたと思います。
しかし、どんな場合でも、人間を貶めるのも人間で、救うのも、きっかけを与えるのも人間なんですよね。そのためには知らない世界を見る機会を作らないとならないのかもしれません。やっぱり出逢いって大切だよなぁと。相手が大人だろうが、子供だろうが。出会うことで「自分らしく」生きれる何かを見つけることができるのかもしれません。何気に本作はテーマが重いんですよね。けど、ゆっくりとかつ着実に主人公のブリジットの横に寄り添いながら進むストーリーはとても心地よく、癒されていく感じすらあります。そして、ちょっとした爽快感も。フランシスとの関係性は見ていて和みます。
誰も彼も、ブリジットの気持ちのいくつかは持っていると思います。ですから日々、もやもやしちゃってる人は本作を見て、束の間ではありますが自身を解放しちゃいましょう。
日本的に言うと「孤独死まっしぐら」の34歳女子の一夏
えー???
そこでレッスン料、取るとかあり得んだろ?クズか?お前は!
などとなどと。ちょっとマジで呆れたw
妊娠と育児がテーマ。主役は34歳の、いわゆるフリーター。ブリジットの雇い主てあるレズビアンカップルの6歳の女の子の名前をタイトルにしながら、女性特有の悩みや社会的立場、母性なんかをネタにしてエピソードを組み立てます。
で、コレが男から見ると、かなり生々しかったりします。ブリジットが肉食系で、ゲゲゲ!になります。
ぶっちゃけ、女性の立たされている立場の問題を、これでもかと詰め込んだ感はありますが、不思議と「ぶっ込み過ぎ」に見えないのは、フランシスで中和されてるからだと思うんですが、この子の哲学的にも感じられるセリフが、ホアキン・フェニックスの「カモン カモン」を想起させます。
「カモン カモン」に社会性をエスプリしたよ!なんですが。
やっぱり、フランシスにほんわかと誤魔化されてしまいますw
まぁ、子供を出しにされると参っちゃいますわ。って事で。
ありのままでそれぞれに幸せ。
何事も中途半端な30代の主人公ブリジットが、ひと夏だけ6歳のフランシスの子守りの仕事をする。
高齢出産・避妊・堕胎・生理・産後鬱・育児(授乳)などなど今までタブー視されて来た女性の問題オンパレードの101分。こういうと敬遠される方もいるかもしれないが、決して押しつけがましくない。あるグループを敵にしたり、批判的な視点で描かれていない。コミカルで軽やか。しかし芯はしっかりある。
自然や命をありのまま受け入れた、聖フランチェスコを想起させるタイトル
「セイント・フランシス」
ありのままでそれぞれに幸せな世の中になればいい。
脚本は主役ブリジットを演じたケリー・オサリバン。
生理の話(不正出血)で101分なのに、ラストの爽快感よ。
センスを感じる。
次回作に期待したい。
37歳男性の視点で、泣きました
途中、「なんで泣いているか分からない」と言ってブリジットが泣くけど、その感情で自分も泣いた。
生理をこれだけ描いた映画はなかったと思う。産後うつや、親との関係、パートナーや感情の起伏も嫌味なく描ききってて、37歳男性として、女性がどれだけ苦労しているかを思って、泣いてしまった。
男性の自分がいくら感想を言おうと分からない女性の大変さ、それをここまで見せてくれた素晴らしい映画
そして子どもと対等に「離婚したことある?」とか質問してるシーンもすごく良かった。
社会に潜む問題をカジュアルに描く
息抜きにと思って見てみたら
意外と社会に隠れている問題をサラッと描いていて興味深い作品だった。
それでいて、説教臭くなくみられるのも良い。
今の生活や社会の中で、なかなか言語化できない生きにくさを
感じている人には共感する部分も多いと思う。
アメリカと日本という背景の違いも興味深い。
薬による中絶の描写や、それにつきそうパートナーの描写
未就学児の少女との会話の中からも、国の教育の差も感じられる。
全体的にリアルさもありつつ、説教くささのない描き方で好感が持てる。
男女問わず見てほしい作品。
今の自分がイヤだから何かのフリをし続ける
34歳独身職なし彼氏なしのブリジットがレズビアンカップルの子守りバイトを始め、共に過ごすうちに友情のようなものが芽生え始める話。
劇中、中絶による出血で終始血を流し続けるブリジットは、その血を劇中の登場人物ほぼ全員に見られる。その一方で血を見ない人(親とレズビアンカップルの働いてる方の人)もいて、それはブリジットが本音らしきものを話す人なのかなと思った。
母とは子供について話し合い、アニーとはひょんな事でポロッと本音をこぼし合う。現実の世界では隠される"血"がこんなにも晒されるのに、ブリジットは本音を隠し何かを演じてるっぽい。女には生理の血なんかよりも、もっともっと隠してるものがあるんだぜってか(笑)
でもブリジットの「全然理想の自分じゃないからいつも何かのフリをしている」的な発言はめちゃくちゃわかる。会う人によって言ってること全然違ったりするし、カッコつけようとして思ってもないことをずっと喋り続けたりしてる(笑)薄っぺらいんじゃなくてそうやって必死に自分を守ってるんだよわかってくれ。
そして、30代女性に聞くとなんだか重い「子供は欲しい?」「彼氏はいるのか?」という質問達をそのまま6歳の子にも聞き返すブリジットのクレバーさがすごく好き。6歳の子に聞くのが無意味なように、何歳の人に聞いたって本来その質問は無意味なはず。きっと私は永遠に「子供は欲しい?」にはっきり欲しいなんて答える日は来ないと思うな。
あとは、さりげなく神様だけに頼るの危険じゃね?みたいなのが示されてたのも良かった。信心深いマヤが産後うつなのに神様としか対話しないの、結局神様って概念だから自分との対話になって内側にこもりがちになったり、怪我した子にまじないとなえるより絆創膏の有能さよ。
友情物語
ベビーシッターとして働く主人公とその家の家族とその中心になる女の子との友情物語でした。
主人公に対して、年齢に相応しい仕事をしてないとする社会の厳しい目が描かれていましたが、実際には正しい道なんて一つもないんだということを忘れずに自分の道を半歩ずつでも歩んで行けたらなと思いを改めてさせてくれるような映画でした。
多様性を優しく肯定する良作
「35歳過ぎると高齢出産」ストーリーの冒頭から放たれるセリフ、事実なんだけど、人によっては耳を塞ぎたくなるだろう。
生理、妊娠、中絶、出産、産後うつ…
女性の性と身体にまつわるあらゆることが本作に描かれている。きっと多くの女性がどれか一つでも本作の描かれるエピソードに共感するのではないだろうか。
産後うつについては心が痛かった。子育ては“クソ孤独”、もう、これはほんとに経験した人にしか分からないこと。
中絶について、わりと淡々と描かれるんだけど、結局は傷つくのは女側。ブリジットが感情を爆発させるシーンにはもらい泣きしてしまう。
本作の年下の彼氏は割といい奴だったけどね。
子を持つも持たないもその人の自由。子どもが好きで、または子どもを望む人たちだけが産めばいいんだと思う。
(だからこそ、避妊はしっかりと)。
本作にはブリジットのような人も、マヤのような同性カップルも、いろんな人たちをさりげなく、そして優しく受け入れ、肯定している。
色んな生き方があっていいよね、色んな考え方があるよね、幸せの形って人それぞれなんだよね。そういったメッセージを感じた。
少女・フランシスの生意気さと可愛さのバランスが絶妙でスクリーン越しにハグしたくなる。本当に可愛い♡
ラストのブリジットに話すセリフには爆笑しちゃった笑
女性のリアルに正面から体当たりしている映画です。 性の話題をタブー...
女性のリアルに正面から体当たりしている映画です。
性の話題をタブー視する社会では性の悩みを抱えていてもなかなか大っぴらに話すことができませんが…
毎月の生理、中絶のダメージやバッシング、出産の痛み、出産後の満身創痍や寝不足、学歴や結婚、身体のことや自分の生き方に不安に駆られる姿が赤裸々に描かれてます。
同年代ならではの悩みに共感出来る部分はありました。
『セイント・フランシス』を観たら、ぶきっちょな自分でもまいっか…って思えました。
新たな“ブリジット・ジョーンズ“
シュールで、一種グロテスクなシーンが冒頭から散りばめられている。生理、出血、中絶、ゲイや差別…etc,。
日常に嫌気がさしたり、自己嫌悪で落ち込んだり。主人公ブリジットも周囲の人間も、皆、えっちらおっちら、息切れしながら生きている。でもその細やかな頑張りや品位を、誰かが認めて応援してくれたら、また新しい一日を迎えることが出来る。
"等身大ヒロイン”はブリジット・ジョーンズのみにあらず。こちらのブリジットも一生懸命に奮闘している。
なんといっても子役が上手い。観客は、子供の存在はそれだけで“セイント=聖なるもの”であることを、ブリジットと一緒に納得してしまうのだ。
大学を1年で週大して、いまはレストランのウェイトレスとして働くブリ...
大学を1年で週大して、いまはレストランのウェイトレスとして働くブリジット(ケリー・オサリヴァン)。
あるホームパーティで「34歳で仕事も上手くいかず困っているんだ・・・」とアッパーミドルクラスの男性の愚痴を聞かされる羽目に。
「きみは、まだ20代だから、ぼくみたいな心配なんてしていないと思うけど」という男に、「わたしはもう34歳。レストランのウェイトレス」と切り出すと、男はそそくさと退散した。
代わってブリジットのもとへやってきたのは8歳年下のジェイス(マックス・リプヒツ)。
「ぼくもウェイターだ」という彼と意気投合したブリジットは、その夜、彼と深い関係になるが、翌朝ふたりの顔には血の跡が。
ことの最中にブリジットの生理が始まっていたのだった・・・
といったところからはじまる物語で、その後、ブリジットは夏の間の2か月だけ、6歳の少女フランシス(ラモナ・エディス=ウィリアムズ)のナニー(子守り)を引き受けることになるのだが、フランシスはレズビアンカップルの娘、さらにはブリジットが妊娠していることが発覚し・・・と物語は展開します。
波乱万丈なオーバーサーティの女性の物語といえばいいのかしらん、とにかく、リアルな感じが前面に醸し出された物語で、定職もなく、まだ恋人ともいえないジョイスとの間に出来た子どもは迷うことなく堕胎します。
この即物的ともいえる決断は映画前半にあり、フランシスには迷いはない。
たしかに、あとすこしで高齢出産といわれる領域に突入するのだが、いまの状況で出産して子育てすることなど考える範疇にない。
この決断の背景は映画が進むうちに徐々にわかってくるのですが、日本のみならず米国においても女性間での分断はすさまじく、その差別意識はものすごい。
フランシスが属しているグループは、職なし・金なし・恋人なし・子どもなしグループで、米国でも負け犬的扱い。
かつての単科大学の同級生(単にいっしょの大学に通っていただけなのだが)、負け犬はかしずくのが当然と言わんばかりの扱いを受ける。
自分の階層グループを自覚しているブリジットは、女王気取りの彼女の命令を唯々諾々と受け入れる(が、自尊心は失っていない)。
また、フランシスの両親(マミーとママ)も世間からは白眼視されることもしばしば。
キャリアウーマンのマミーは、キャリアを守らなければならないために、家庭をおろそかにしてしまうし、ひとり子育て(新たに子供を出産した!)ママは育児鬱になってしまう。
オープンスペースで母乳を与えようとしたママは、ほかの母親から大いに非難される。
うーむ、女性が生きづらい世の中なのだ、ほんと。
女性の敵は、女性。
「じぶんと異なる属性の他人は非難してもかまわない、いや非難すべきだ」的なことになっている。
ならば、男性が女性の味方になってくれるかといえば、そういうことはなく、比較的女性の立場を理解してくれるジェイスは経済的には未熟だし、男性としてのセクシャリティも薄い。
冒頭のアッパーミドルクラス男性は、女性は若いにこしたことはないとと思っているし、もっといえば、やれればいいぐらいな感じ。
後半登場する、ブリジットがちょっと心動かされる中年ギター講師も、肝心のところでは心もとない(彼が女性を理解しているかどうかはあまり描かれていないが、冒頭の男性とそう変わらないようにみえる)。
どっちを向いてもブリジットは救ってくれるような大人はいないのだけれど、唯一、「子どものころ、泣き叫ぶあなたの足をもって、振り回して壁にぶつけてやりたかったわ」という母親は、ブリジットが考える「いい大人」のようだ。
ブリジットと仲良くなるフランシスも、まだ6歳であるから、大人の女性(男性もか)のバイアスに毒されていない。
生きづらい世の中だけれど、自尊心だけは失わない。
そう思いながら生きていくブリジットの姿が痛々しくも、生々しく、すこしばかりの希望も感じさせられる映画でした。
脚本は、ブリジット役のケリー・オサリヴァンによるもので、自身の経験が投影されているとのこと。
堕胎後、頻繁に下腹部から出血するブリジットの姿に生きることの生々しさがあらわされていますね。
漂流する人生と同性愛と中絶。
34歳の女性ブリジットと6歳の少女フランシスの心の交流を描いた物語。
そして、中絶とカソリックという宗教的テーマも"ゆるく"描かれている。
大学を1年で中退し、今はレストランのウエイトレスとして働くブリジットだったが、パーティーで知り合った26歳の男とSEXし妊娠してしまう。
男とは付き合うとも付き合わないとも言えない関係が続くブリジットだったが、子供を生むことはまったく考えず、あっさりと中絶手術を受けて堕胎してしまう。
そうこうするうちに、夏の間、レズビアンのカップルの家で子守の仕事をすることになったブリジットは、フランシスの世話をまかされることになり、ウエイトレスをやめ、レズビアンのカップルの家に通うようになる。
レズビアンのカップルはカソリックの信者だが、カソリックでは同性愛もタブーだと思うので、宗教的には認められない同性愛と中絶という問題をテーマとして描きたかったのかもしれない。
主演のケリー・オサリバンが自身初の脚本を手がけ、私生活ではパートナーということだがアレックス・トンプソンが長編初監督を勤めた作品。
初めてとしてはまとまった作品になっていると言えるだろう。
前半出てきた"付き合っていない彼氏"が後半は出てこなくなる。ブリジットの両親も含め、様々な登場人物との成り行きを描けたら、もっと厚みのあるストーリーになっていたかもしれない。
ぜひ、劇場でお確かめください!
#147
ひと夏の経験
まぁ〜賢いわ!気分屋だわ!おませだわ!
そんなフランシスから目が離せなかったわ!
演じるラモナちゃん!大人達が霞む程の完璧な演技!恐るべし!
…何の取り柄も無いアラサー主人公ブリジットのひと夏を描いたハートフルドラマだが
中々題材になり難い生理や中絶を時にリアルに時にコミカルに描いてる様も潔い!
赤裸々な「女性あるある」ではあるものの
学歴、人種差別や同性婚…現代の社会的要素をたっぷり折り込み見応えの濃さをも感じられた
決して派手な仕上がりでは無いが結末の締め具合も心地良く、夏の終わりに出会えて良かったと思える作品でした!
…この先、何回目かの夏にブリジットとフランシスがランナウェズの曲をシャウトし演奏する姿が見れたら素敵ですね!
もっとポップに
女性が抱える悩みや苦悩を、出会った純粋無垢な少女が身近な問題、そしてライトな感覚にしている。男性としては、デリケートであまり触れないように避けている部分があったが、これを観て理解というよりは、これらについてもっと聞こうと思った。映画館で例のナプキンを貰えたようだが、生理用品をポップなものに扱おうとする試みが素晴らしいと思う。しかし、俳優陣が素晴らしく良かったなあ。
フランシスには癒されましたが
フランシスには癒されましたが、主人公のブリジットには共感できませんでした。
映画で出てくる海外の女性の生き方に、いつも共感できないことが多いのは、本人が努力を怠る一方で、高望みしたり、自分を偽ったりするからなのかなあ?
聖人フランシスと聖人ブリジット
ある種のバディムービーだな
ブリジットはフランシスに救われていくけれど、同時にブリジットはフランシスとその家族を救っていく
家族崩壊の危機はブリジットの一言、ブリジットの母親から授けられた神の啓示ともいうべき一言で救われた
一時解散となるけれど、彼女達の仲はその時が来てもきっと変わらないだろう
そこには揺るぎない信頼があるからだ
ブリジットも34年間で最高の夏を過ごすことで自分の道が見えたんじゃないだろうか
いうほど
いうほどフランシスの言動が影響力を持つわけではない。どちらかと言えば象徴的な感じで、むしろ30代独身女子あるあるを自嘲気味にやってみせるのに受け止めやすい態度をフランシスが見せくれる。
経血絡みの描写も映画では初めて見た気がするが、あるある的な着地。とても現代的な作品とは思うけど。
まさに女性の映画
レストランで給仕として働いている平凡な30代の独身女性ブリジット。彼女が同性婚(女性同士)家庭で育てられている6歳の女の子フランシスのナニーとして働いたひと夏に起きたさまざまな出来事を綴った映画。
同性婚と偏見、女同士の夫婦間の嫉妬、セックスと避妊、中絶と宗教また男女間の負担の違い、中絶後の身体の変調、産後鬱、やたらに出てくる生理の話。ブリジットの母親の子育て時の話(育児ノイローゼ)等々。また、公園で授乳するマヤにクレームをつける白人女性とのやりとりは、所謂典型的な保守的常識的女性たちの考え方を表したものなのだろう。そして、ギターを習うフランシスを褒める時にギターの講師は、懐かしい女性だけのロックグループ、ランナウェイズのギタリスト、ジョーン・ジェットを引き合いに出す徹底ぶり。まさに女性の映画なのである。じゃあ、男にこの映画は関係ないのか?男の回りには妻、恋人、娘、憧れの人、都知事、文部科学大臣(関係ないか)、…会社にも学校にも女性はたくさんいるよね。男なら尚更女性について知り考えるべきなんじゃないですか?(因みに僕は男です)
20年の変貌。
女流監督シャロン・マグワイアが2001年に公開したコメディ「ブリジット・ジョーンズの日記」は、レニー・ゼルウィガーが、恋を求める32歳の独身女性を演じて、大ヒットした。
主人公は、イマイチ恋愛に不器用な、小太りなアラサー超えのプチブスなキャラクター設定。理想のイケメン&玉の輿へなかなか到達できないチグハグ、感情のスレ違い、間の悪さ、ゴージャス&ナイスバディ女性へのコンプレックス、など盛りだくさんの恋愛喜劇だった。当時はそれで、観客席は沸いていた。
20年後に、いみじくも『ブリジット』という同名で34歳の独身女性が主人公。彼女がナニーとして雇われる先は、黒人と白人のレズビアンカップルで、そこの黒人側の娘の子守り。白人側は子供を出産したばかりで、産後鬱に悩んでいる。一方ブリジットも行きずりの性交渉で妊娠し、中絶したばかりで体調はすぐれない。こちらのブリジットは20年前と違い、恋愛にこれっぽっちも憧れを持ってないようだ。それでも、温かみあるエンディングは(とりあえずの)ハッピーエンドなので、コメディと言って良いのだろう。
この20年の間に、ここまでアメリカの文化は変貌しているのだ、という驚き。2001年は平成なら10年以上経っている。それから考えれば、僕らにとっては、つい昨日のような「昭和」は、世の感覚では、遥か古代の歴史でしかないのだろう。
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