さかなのこのレビュー・感想・評価
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のん=さかなクンは大正解 「横道世之介」好きな人にオススメ
素敵な作品です。さかなクンの半生を、沖田修一監督・のん主演で映画化したわけですが、
さかなクンのひたむきな姿に心が洗われるとともに、多くの含蓄が込められた作品であることが
見て取れます。
のんがさかなクンに扮したことは、大正解。
性別云々ではなく、のんがさかなクンと同化し、作品世界を生き切ったことに感嘆しました。
井川遥が演じた母親役の優しい説得力はもちろん、柳楽優弥や磯村勇斗、岡山天音らとの
交流に、観ているうちに心がホッコリしてくるのにも納得です。
139分と決して見やすい尺の作品ではありませんが、それだけのものをもたらしてくれるはず。
「横道世之介」が好きな方は、きっと好きだと思います。
のんの透明な推進力と、柔らかな沖田マジックに心酔。
さかなクンの半生を映画化するーーーそれだけで期待は募るのに、いざ完成した本作にはそれらを超える驚きやおかしみがあった。主演のんがこれまた爽やかな透明感と、ひたすら真っ直ぐに突き進む推進力を与えたのは言うまでもない。興味深いのは脚色の方法だ。さかなクンのエッセイ本を原作としつつ、決してそれだけに留まらず、あえてフィクションならではの登場人物や出来事を掛け合わせる。その結果、観客がずっと笑顔で見守ることができる極上のオフビートな空気が出来上がった。さらに後半、主人公が「好きなことをやり続ける」ために歯を食いしばり、失敗や挫折の経験がいつしか弧を描くように実を結んでいく様に、静かな感慨がこみ上げてやまない。この映画に関して言えば、映画的な身構えや小難しい批評眼は必要ないのかも。それくらい物語や映像がひたすらナチュラルに、身と心へ沁み込んでいく。この心地よさ。沖田マジックは本作でも健在なのだった。
さかなクンの自叙伝を「のん」が演じる、と聞いた時に「ゲテモノ系」映画の印象を持ったが、実際には、自然すぎて驚く。
まず、さかなクンの自叙伝を「のん」が演じる、という設定の時点で「ゲテモノ系」のヘンテコ映画を想像する人が多いでしょう。
共通点としては、さかなクンは「ぎょぎょぎょ」、のんは「じぇじぇじぇ」というくらいしか見つかりません。
ただ、男とか女とか、性別なんてどうでもいいんですね、本当に。
のんが見事に演じ切っていました。
本作のイメージを一言でいうと、「とにかく楽しい映画」です。
試写会場が映画館だったこともあり、人も多く、笑いに包まれていました。
そこで気付いたのは、やはりコメディ映画は映画館で見るのが良いということです。
ボーと見ていると、周囲の反応で、「あ、ここは面白いシーンなのか」と何度も気付かされました。
久しぶりに映画館で観客との一体感を感じた作品でした。
キャスト陣も、のんだけでなく、磯村勇斗、柳楽優弥などが良い味を出しています。
沖田修一監督は、前作の「子供はわかってあげない」で調子を取り戻してきたようで、本作が最高傑作だと感じます。
ただ、沖田監督作品の特徴ですが、若干長いのかもしれません。
その視点で考えると、「さかなクン本人の登場シーンは本当に必要だったのかな?」という疑問が生まれます。
単なるカメオ出演であれば何の問題もないのですが、子役との共演シーンは展開も含めて少々複雑な気持ちになってしまいます。
気になるシーンはそのくらいで、あとはひたすら楽しい作品でした。
主人公を触媒としたおおらかな群像劇
沖田修一監督作の中では、大傑作『横道世之介』の系譜の作品。というのも、のん演じる主人公を描く物語というだけでなく、その主人公と出会った人たちの心に広がるさざなみを描くことで、それぞれの人生を点描する群像劇になっているのだ。
そして他人の人生の触媒としての主人公を演じるのに、のんほどの適役もいるまい。演技力はもちろんだが、性別はもはや関係ない抽象的な存在としての妙な説得力が備わっているから。地に足はついているのに現実感がない。得難い持ち味を発揮したのんと、その魅力をみごとに掬い取った沖田監督に拍手。あと脇役にいたるまでみんないい。
枠にはまらない魂たちが響き合うユーモラスで美しい人間賛歌
魚好きが高じてユニークなキャラクターのタレントとして知られるようになり、さらに大学教授や研究者としても活動するさかなクン。子供を常識の枠にはめず、“好き”を追求できるよう見守った母の存在も偉大であったことが本作からもよくわかる。
そして、NHK朝ドラ「あまちゃん」で大ブレイクを果たすも、大手芸能事務所から独立する際に本名「能年玲奈」で芸能活動をさせないという理不尽な仕打ちを受け、一時期テレビ・映画業界から敬遠されたものの、“創作あーちすと”としての活動、主人公すずを演じたアニメ映画「この世界の片隅に」のロングランヒットなどを経て、近年ようやく邦画ではコンスタントに起用されるようになった、のん。
そんなのんに、さかなクンの半生を演じさせるという、ジェンダーを超えたキャスティングが素敵だ。大傑作「横道世之介」(2013)の沖田修一監督と脚本・前田司郎による9年ぶりのタッグも嬉しい限り。共演の柳楽優弥、夏帆、磯村勇斗、岡山天音、井川遥らも、遊び心いっぱいの映画世界でのびのび楽しんで演じている様子が伝わってくる。
枠にはまらない生き方を貫いてきた彼らの精神が響き合い、美しいハーモニーを奏でる本作は、多様な存在を祝福する人間賛歌でもある。幅広い層が楽しめる好作だが、特に“普通と違う自分”に悩んだり苦しんだりしている人に届いてほしいと心から願う。
好きを貫く難しさ
幼少期から水棲生物が大好きなミー坊は、周囲から異端と思われながらも好きをブラさずに生きることを貫き…。しずおか映画祭で鑑賞。さかなクンの自伝を題材にした作品。細かなギャグがそれななりに好き。悪い人物がほぼ登場しないが、好きを貫く難しさは充分に描かれていました。
好きは無限の原動力
カブトガニのくだりなどさかなクン(本物)の経歴をある程度拾いつつ、映画としての脚色が強い。さかなクンの経歴の部分でもっと拾って欲しかった要素、何故入れたのか分からない一部の脚色はありつつ「好き」は最大の武器・それらを応援する家庭環境というメインメッセージはしっかり伝わってきたので満足です!
キャスティングはなまるちゃう? ストーリー展開は特に刺さらんけど、...
キャスティングはなまるちゃう?
ストーリー展開は特に刺さらんけど、
登場人物のキャラクターがみな柔らかく優しい
そしてさかなクンのあのパーソナリティーを純粋無垢に
表現し、そこに作り物を感じさせないのんの演技力
周りは男女ってアイデンティティがあれど、さかなクン自体は性別境界線はなくただ一人サカナが好きな人間として存在している
性別ではなく人っていう風に存在できる、のん表現のバケモノでは?
どんなに好きで自分の人生の真ん中にあるモノでも
時として灯火になってしまう時があり、
情熱の炎を燃やし続けるのは本当に大変なので
もし自分が子宝に恵まれたら、さかなクンの母のように
いつでも薪を焚べてあげれる親でありたいな
モモも良かった!
友情を愛情と混同せず決断出来る女カッコよし!
おとこでもおんなでも
魚類には性転換する種がおよそ300はいるそうだ(有名なところでは、ファインディング・ニモのモデル、カクレクマノミ)。哺乳類である人間は、生まれついた性別から逃れられないが、もっとスケールの広い生き方をする生物もいるのだ。まあ、環境への適応の一種ではあるけど。
さかなへの偏愛が強すぎて、苦労するミー坊。傷つくこともたくさんあるが、それでも変わらない。ミー坊が変わらずにいられたのは、お母さんが守ってくれたから。母の愛はすごい。
ギョギョおじさん、全身が映ると、意外にスタイル良いことにびっくり。ネクタイにトレンチコートが、かっこいい!
ゆったりしたペースの、優しい映画だった。
NHK Eテレの放送を録画で。
なるほどねと言う感じ
さかなくんの半生を観る
高校時代のエピソードは爆笑してしまった
磯村勇人さんと柳楽優弥さんがこんな出方をしたら東京リベンジャーズじゃん
でもこういう役柄、ピッタリなんよなぁ
でもなんで女の子役なんだろう
敢えてのキャラ設定なのか
でも学ラン着てたからなぁ
LGBTQ関連ではないし…
好きな事を極めるならここまでという典型
だからといって誰でもこうとは限らない
お母さんの寛大な子育て
でも自分の子がこんなだったらなかなかこうはいかないよな〜
これを観るまでさかなクンの事ずっと男だと思ってたあの顔で女だったん...
これを観るまでさかなクンの事ずっと男だと思ってたあの顔で女だったんだ映画よりその事実に驚愕した
本名を拉致して人質に取るなんて…どんな事情があろうが“能年玲奈”名をのんに返せ!
さかなクンの中性的な資質を踏まえて、
彼の役を女性にしたアイデアは、
時代的な風潮も踏まえての
ことでもあったのか、
企画上の上手い判断だったのでは
ないだろうか。
正直なところ、全編観るつもりはなく
録画して、のんの登場シーンだけを
掻い摘まんで観て終わらせるつもりだった。
しかし、キネマ旬報ベストテン第18位
という評価にも関わらず、
他の方々の高いレビューに促されるように
全編鑑賞。
内容については、
・のんの演技力
・さかなクン本人の登場の是非
・脚本の出来
等々、色々と悩ましいポイント満載だが、
そんなことはどうでも良い鑑賞後感
が残った。
性別を超えた主役のキャラクター設定
も生きたのか、
最後にはのんのキャラが
完全にさかなクン本人に二重写しになって
いたことには大変驚かされた。
それにしても、
のんの天然キャラ的清々しさは、
朝ドラ「あまちゃん」でも感じたように、
他の人には置き換えられない
彼女の特異な個性だ。
私は詳しい経緯や法的なことは知らないが、
“能年玲奈”名を拉致して
人質に取っている会社、
人の風上にも置けない。
どんな事情があろうが、本名を彼女に返せ!
さかなのこ
すごく好きで何度も見る作品。何か大きいことが起きるわけではないけれど飽きずに最後まで見られる。とにかく出てくる人物がみんないい人でそこが1番好き。強い刺激を求める人はあまり好きではないかもしれないけれど、ほのぼのしていてクスッと笑えるような作品が好きな人はぜひ見るべき。
優しさと希望に溢れる映画です
主演ののんさんはもちろんですが、周りの方達のキャラがとても良かったです。
好きな事を突き詰めるミー坊を見守る母の姿勢や、そんな彼(?)から影響を受ける人々は、見ていて気持ちがいいです。
ミー坊が絞めたイカを食べてお寿司屋さんになったヤン友のくだりは、なんか感動しちゃいました。
映画の感想とは少し離れますが、子供が1学期の通知表を持ってきて、ガッカリしていたまさにこの時期に、希望にあふれた映画を放送してくれたNHKに感謝します。
好きこそ
さかなクン、なんとなくは知っているけど、実のところよく分かっていない。そんな彼の半生をフィクションとして描く。
本人の好きの強度もさることながら、やはり環境に恵まれてるよな。或いは、本人の好きが周囲に伝染していって、環境の方が自らの望む方向に変わっていったのか。
作品としては、物語がぶつ切りで間伸びしている印象が否めないが、伝えたいメッセージは明確で嫌いじゃない。
「魚が好きで、イラスト描くのが好きで。それでいいじゃないですか」と言い切った母の強さ、大好き。井川遥、いい女優さんになったな。
沖田修一ならではのたくさんの人の連なり
さすがに140分は長いよな、もっとタイトにできたよな、と思いながら見ていましたが、見終わったあとの満足感は沖田修一作品ならではの満足感でした。
冗長に思える長回しは登場人物たちのそこにいる時間として感じられる演出になっていました。
強烈な主役がもちろんいる作品ですが、たくさん愛したい人が出てくる群像劇としても楽しめます。
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