「日本の原作をハリウッド風に改変し、痛快作に」ブレット・トレイン 悶さんの映画レビュー(感想・評価)
日本の原作をハリウッド風に改変し、痛快作に
【鑑賞のきっかけ】
本作品の原作は、ミステリでデビューした伊坂幸太郎の「マリアビートル」。
随分前に読んだ小説が、まさかのハリウッド映画に。
これは観ない訳にはいかないな、と。
【率直な感想】
<原作は既読ですが…>
私は、通常、原作小説を読んでいる場合、その映画化作品は観ません。
特に、それが秀作であればあるほど。
小説でのイメージを大切にしたいからです。
でも、今回は、読んだのがかれこれ10年も前で、詳細は忘れてしまっていたこと。
また、日本ではなく、ハリウッド映画ということで、全く違う作風になっていた方が自然であり、完全に別作品として楽しむことができるだろうと思ったからでした。
原作は、東北新幹線の車内に殺し屋たちが集まって盛岡に向かう話でしたが、本作品では、同じ東京発でも京都へ向かう高速列車ということで、山陽新幹線を思わせるもの。
でも、登場人物たちの顔ぶれを見ると、ここは本当に日本なの?というハリウッド作品にありがちな描写でしたが、まあ、そこはご愛敬ということで。
<原作との違い>
鑑賞前に、本棚から原作本を取り出してみたら、600ページくらいの長い小説で、再読は諦め、劇場鑑賞後、ネットのネタバレありのあらすじ記事を読んでみました。
すると、独自のアレンジはあるものの、結構、原作に忠実でした。
そもそも、ブラッド・ピット演じるレディバグは、「天道虫」の意味がありますが、原作にも「天道虫」と呼ばれる殺し屋が登場。また、「木村」「王子」「蜜柑」「檸檬」といった面々も登場しています。
また、そもそもレディバグ(ladybug)は、マリア様の虫のことを指していて、原作の題名「マリアビートル」は、天道虫のことです。
原作者の伊坂幸太郎は、もともとミステリ出身なので、原作は多分にミステリの手法が取り入れられています。
ただ、事件が起こって探偵が推理して…という古典的な手法ではなく、多数の登場人物が入り混じる中で生じる意外な展開や、それぞれの登場人物の心理描写に驚きがある、という流れの小説です。
このため、各章は、登場人物の名前であり、その章は、その登場人物の視点で描かれる。
つまり、視点人物が次々と入れ替わることで、同じ状況でもこの人物はこう考えていたのか、という驚きがあったり、この人物はここであの人物と出会っていたのかという発見があったりする。
しかし、本作品は、映像なので、心理描写は行いづらい。
そこで、大胆なアクションシーンが次々と展開するストーリーになっていったものと思います。
ブラッド・ピットと真田広之は、2022年現在、ほぼ60歳くらいですが、若者に負けないアクションを見せてくれます。
また、高速で疾走する列車という舞台装置を使ったアクションシーンでは、後半、迫力に満ちたものになっていくのですが、これは日本映画では無理だったように思います。
さすが、ハリウッド作品だけのことはありますね。
なお、ミステリの要素ももちろん入っていて、いわゆる衝撃の結末とまではいかないまでも、いろいろと伏線の回収があって、楽しむことができました。
<どうでもいい話ですが…>
ブラッド・ピットが演じるレディバグ=天道虫ですが、天道虫の中でも、ナナホシテントウであることが、判明します。
(原作では、天道虫と呼ばれる殺し屋の本名が「七尾」で、ナナホシテントウを示唆しています)
ブラッド・ピットのこれまでの代表作のひとつが、「セブン」。
偶然でしょうが、不思議な因縁を感じました。
【全体評価】
原作の面白さを、ハリウッド風にアレンジし、とにかくアクションを中心に目まぐるしく展開するストーリーが素晴しい作品であったとして、高評価します。
悶さん こんばんは
共感&コメントを ありがとうございます。
(^^)/
あっ、猫たんさんとは
「ぴあ映画生活」でご一緒でしたので
(≧▽≦)ここでも 嬉しくて
悶さん 、この作品の原作を
読破されていたのですね。
私は、知らなかったのですが
皆さんのレビューで
人気の作品だと教えてもらえました。
小説のイメージは、大事ですもの
日本が舞台ですが、日本ロケではないので
どこか、滑稽であったりしますが
それも、面白さかなと。。
>ブラッド・ピットが演じるレディバグ=天道虫
ナナホシテントウなんですね(^^)
ブラピのアクションも
カッコよかったですね。
真田さんの登場も嬉しかったです。
流血シーンが凄すぎて
女性には、ショックが大きいかも
ホラー好きですが
さすがの私も怖かったです(^^ゞ
あと、
サンドラさんが もう少し出演して欲しかったかも