「みんなのチカラでゴーゴーゴー!」ブレット・トレイン 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
みんなのチカラでゴーゴーゴー!
2022年映画館鑑賞45作品目
9月12日(月)イオンシネマ石巻
字幕版
ハッピーマンデー1100円
原作未読
原作は『陽気なギャングが地球を回す』『アヒルと鴨のコインロッカー』『重力ピエロ』『ゴールデンスランバー』『ポテチ』『グラスホッパー』『アイネクライネナハトムジーク』の伊坂幸太郎
監督は『デッドプール2』『ワイルドスピード スーパーコンボ』のデビッド・リーチ
ブラピ作品映画館初鑑賞
サンドラ・ブロックも初めて
そのくらい映画館で洋画を観る機会は少ない
殺し屋バトルロワイヤル
ジャッキーチェンの映画を観てるようなコミカルなアクション
当初の予定の駅で降りることができずなんやかんやで終点京都に着いてしまう
さらにそこからまさかの延長戦
いろいろな反社が登場する謂わば群像劇だがそれぞれの人物のここまでの経緯とかあまり頭に入らなかった
ジャンルとしては決しておバカ映画ではないがそれに近い
大金をかけて完全にふざけている贅沢なお遊び
舞台は東京発京都行き新幹線の車内
原作は仙台贔屓の伊坂らしく盛岡行きだが映画ではそこんところは改変された
これは大正解
村上春樹もだいぶ前にコラムでぼやいていたが窓から見える景色が東海道新幹線と東北新幹線とでは雲泥の違いがある
津軽海峡冬景色とか哀しみ本線日本海とか演歌の世界ど真ん中でどんどんと侘しくなる
日本を舞台にしているせいもあってかR15認定されたグロさは『キルビル』を彷彿させる
ロケ地はどう見ても日本じゃない
コロナの影響があるし元々日本は撮影規制が厳しいということもあるのだろう
ハリウッドの日本描写は『ティファニーで朝食を』の頃に比べたらだいぶマシになったがまだまだこの程度なのね
モーツァルトが作曲した歌劇『魔笛』に登場するタミーノ王子とかジャポニズムのゴッホなどを思えば進歩の速度は随分遅い
幻想的で逆に良かった気もするが
日本を舞台にしているが日本人俳優は少ない
メジャーなのは真田広之くらいで『キルビル』に比べたら寂しい限り
主にハリウッドで活躍している福原カレンが車内販売お姉さんとして出演
木村役の小路は日系アメリカ人のようだが僕は彼を知らない
なんとなくチャドっぽくもあり金城武とかと比べるとイケメンには程遠い
日本の女子高生風ファッションのプリンスを演じたジョーイ・キングの顔が良い意味で面白かった
絵心がイマイチでも思わず似顔絵を描きたくなる個性的な顔だ
レモン役の金髪ぽっちゃり黒人も強く印象に残った
新幹線を舞台にした邦画といえば『新幹線大爆破』だがその新幹線の運転手役だった千葉真一の弟子である真田広之が出演しているのも何かの縁か
新幹線が大破するシーンは印象的だがそれでもしぶとく生き残る主人公らに『名探偵コナン 緋色の弾丸』のクライマックスを彷彿させた
エンドクレジットは若干日本寄りだが長めだしおまけもないし途中退場しても特に問題ない
ぶっちゃけ監督も脚本も役者もオール日本人(在日も含めて)の方が良かった気がする