「愛すべき軽薄さ」ブレット・トレイン pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべき軽薄さ
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大ウソもこれくらい派手についてくれたら気持ちがいい。
伊坂さんの原作は読んでいないから比べられないけれど、おそらくかなり思い切ってアレンジしているはず。
たまにはこういうぶっ飛んだ、クレイジーな映画を観るのも脳が活性化されていいですね。
舞台は日本だけど、本作の制作者たちがイメージでつくりあげた世界だからリアリティーがまったくない。
そんなわけで「これはお伽話」と完全に割りきって映画の虚構に浸ることができる。バンバン人が死んでも、理屈にあわないことが次から次へと起こっても気にならない。
『ブラック・レイン』を連想させるところもあるが、こちらはそういうヘビーな作風ではなく、全編にわたってコミカルなタッチで描かれている。
そこで展開するドラマからは「愛すべき軽薄さ」といったものが感じられ、ビビッドな映像の視覚効果とあいまって、珍味と言いたくなるような、ちょっと変わったテイストの作品に仕上がっているなと思った。
選曲のセンスも抜群で、カルメン・マキや麻倉未稀の歌が聴けるとは予想だにしなかった。
エンド・クレジットの見せ方もめちゃくちゃカッコいい。
ただ、ひとつ野暮なことを言えば、ラストに列車が大破するシーンでは、福知山線の事故を想起して、ここまでやる必要があるのかなと考えてしまった。
追記
『きかんしゃトーマス』を見て育ったかたは、より楽しめるでしょうね🚂
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