「楽しい映画を「ドーモ アリガト!」」ブレット・トレイン もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しい映画を「ドーモ アリガト!」
①映画の中でブラピが調子こいてアタッシュケースを開けてしまい中の大人のオモチャが溢れてしまって嘘がバレるシーンがあったが、正に大人のためにオモチャをひっくり返したような面白いというより楽しい映画。『デッドプール2』の監督らしいハチャメチャさ。②真田広之(同い年です。)を初めてカッコいいと思った。役柄もそうだが、ブラピと差しで共演していてもオーラで負けていない。③伊坂幸太郎は私とはあまり相性が良くないようで、「アヒルと鴨のコインロッカー」は面白かったが、「ゴールデンスランバー」はも一つ、「重力ピエロ」は面白くなかったのでその他は殆ど読んでいない。で、「マリアビートル」も読んでいないのでどのくらい原作に近いのかよくわからないが(かなり改変してるらしい記事は読んだ)、脚色が上手くて時間軸も言ったり来たりしているけれども混乱せず、ディテールも手が込んでいて、伏線回収も上手く出来ている。やはり映画はホンが良くなくちゃ。④ハリウッドで撮影されているからか日本人以外の東洋人が日本人やってるし(まあ欧米人には違いがわからないだろうから仕方ないけど)、日本人としてはパラレルワールドの日本みたいだけれども、よくある他国人の“日本てこんな国だよな”という大いなる誤解や”エキゾチック・ジャパン“を狙った変な日本像じゃなくて、映画をより楽しく面白くするために日本をちょっといじってみました、と思えば余り気にならない。静岡・浜松を過ぎてから富士山が見えるので東京→京都行きじゃなくて京都→東京行きの新幹線に乗っている気になりますし、京都の街に建っている五重の塔があまりにも貧弱なのは笑ってしまった。⑤“機関車トーマス”大好きの殺し屋レモンがコメディリリーフとして面白く“機関車トーマス”トリビアも適所適所で上手く本筋に絡めた使い方で楽しい。『デッドプール2』の監督作らしくカービーが⚪イ⚪ン・レ⚪ノ⚪ズだったとか、裏『ロスト・シティ』のキャスティングとか遊び心も楽しい。⑥アーロン・テイラー=ジョンソンがブレッド・トレインの最後尾の車両をよじ登っているシーンでカルメン・マキの「時には母のない子のように」が流れたのにはビックリしましたが。(何故あのシーンでこの曲?)この他、真田広之が殺し屋軍団相手に闘うシーンで葛城ユキの「ヒーロー」(英語バージョンのオリジナルでなく)、何故アメリカでNO.1ヒットになったのか未だによくわからない「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」等も予定調和的だけれどもなんか嬉しい。冒頭“Stayin‘ Alive”に載ってプラピが東京の街を闊歩するのは、『サタディ・ナイト・フィーバー』でジョン・トラボルタがニューヨークの街を闊歩する冒頭のシーンのパロディでリアルタイムで観た世代には懐かしいが、若い子達には新鮮に映るのかしら。
《2022.09.03. 二回目の鑑賞》
①楽しかった。一回観ていて余裕があったからか一回目より楽しかったくらい。②老眼のブラピは(親近感が増して)やはり笑える。③レモンとタンジェリンの兄弟愛にはホロッとさせられた。