「詰め込みすぎというか、逸話の羅列だった感」鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成 Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)
詰め込みすぎというか、逸話の羅列だった感
シリーズのグランドフィナーレを飾る、盛り上がるはずの本作は、壮大な最終戦を独自新解釈・新展開にしたり特定エピソードに拘って簡潔な作品にせず、2時間22分かけて殆ど全あらすじを辿る話になっていました。
それはある意味良心的・意欲的と言えるのではと思いましたが、いかんせん、長〜い話を弱いスクリーンプレイと次々の場面転換で繋いだため、結果的にまるでNHK大河ドラマの年末の総集編というか、もっと端的に言えば「ドラマシリーズを早送り再生」みたいな、おそらくハガレンを知っている者でさえシーンを追うのに忙しい、「見ずらい映画」になってしまったと感じました。
脚本やシナリオが弱い、観客が話を把握できる・楽しめる映像展開にしないできないというのは、やはりいつも多くの邦画の一大弱点なのでしょうか?本作、撮影効果や音声はなかなか良くて「分かりやすい」映像なのに残念です。
配役ではエルリック兄弟のほかマスタング大佐、ピナコなどはワタシ的に違和感少なく好きになりましたが、なんと言っても一番のハマり役名演はグラトニー・内山くんでしょう。逆に、ファンの方には失礼ですがホークアイやエンヴィーには見ていてなぜかずっと馴染めなかった。大和田伸也は何のために出てきたんだろう?
そんなこんなで、いちおうハガレンファンとして鑑賞を楽しみましたが、同時に観ると決めた義務を果たして一息のような、妙な感覚も残ったお話でした。
コメントする