シャイロックの子供たちのレビュー・感想・評価
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悪いことはしてはダメね
悪いことはしたらダメと改めて思い知らされました。
劇中に出てくる、お金は返せばいいわけではないということが心に残りました。
WOWOWのドラマ版では見ていましたが、こちらの方が面白かったですね。それぞれのキャラが立っていたのがいいです。最後も清々しく終われた点も良かったです。
不遜でごめんなさい。倍返しキター!(笑)ちょうどいい塩梅のトリック劇でした。
お話は結構な緊迫感とブラックなユーモアがあって楽しめていたのですが。狛犬相手に50億円の融資とか(笑)笑っちゃいかんですよね。
リアルバンカーさんって、きっとあれ以上に追い詰められている毎日なんでしょうね。
物語中盤になって「えっ?」と思ったことがあるんですよ。
ギバ支店長のお部屋に蔵之介検査部次長がお見えになった際、次長が一番下座に座っていたんですね。私、ビジネスマナーとか大っ嫌いなので、席次についてあれこれ言うのイヤなんですが。でもギバ支店長、腕組みをしたままソファーに深々と背もたれまでしていたんですよ。ここはちょっと看過できなかったの。
話を脱線させてよかですか?映画のキャスト舞台挨拶付きの完成披露式とかあるじゃないですか。ああいった場所で腕組みや足組みしてる人って信用できないの。はっきり言って嫌いなの。誰とは言わないけれど、サングラスかけたままの人とかもいたりして。なんでなんか自分でも説明しきれないんですが。多分、不遜なヤツって思っちゃうんでしょうね。なんでか。偉そうなのはこの私って話ですよね。不遜でごめんなさい。
以前何かの動画で観た記憶があるんですが。そういう場での堺雅人って、まるで面接受けに来た就活生みたいな立ち振る舞いで、かなり好感持ったんですよ。“メラビアンの法則”ってあるじゃないですか。加えて「人の印象は3秒で決まる」の初頭効果とも。私、当然面接官でも何でもないんですが。偉そうに語ってごめんなさい。不遜でごめんなさい。
はい、お話のレビューに戻ります!
物語残すとろこ1/3です。阿部貞(こら!)が言う「ほら、こういうの聞いたことないかい、基本は性善説!やられたら倍返し!ってな。それが俺の流儀なんでね」あるもないも、イヤっちゅーくらい聞きまくってますよ!
そうなんですよ、この池井戸劇場、太陽がぐぐぐいーって昇ったり沈んだりするカットがなくて。何か物足りないなーって思っていたんですよ。ところがぎっちょん、まさかセルフパロディーぶっこんでくるとは!大満足でした(何の?・笑)
えっ?と思ったのが、2年の罪の刑期を償って出所した滝野の赤ん坊が幼なすぎじゃね?と思ったの。奥さんが妊娠を打ち明けてから10か月後の出産としても、1歳ちょっとでしょ。もう“はいはい”も卒業のころでしょ。あんな頭髪薄いまんまのベイビー状態って大丈夫なの?
全てが終わってみれば単純だけれど、しっかりと勧善懲悪の物語で、かつ、爽やかな〆で安心して観ることのできる作品でした。佳作や秀作というには少し物足りなかったかな。もう少しトリックに二転三転のひねりがあってもよかったかも。そうすると、おバカな私脳がキャパ不足になるんですが。本作くらいが私向きです。
阿部貞さん(だから!)コミカルな演者さんのイメージ強くて(“一角獣の龍二”とか)シリアスな劇だと浮いちゃうんじゃなかろうかと心配していたのですが、杞憂で済みました。いつもの飄々とした様子も健在のままでしたし。
今回やけに短めでコンパクトな感想です。しかも余計な話が半分以上だし。
そう!そう!ぼーっと生きていて気が付いていなかったのですが、前回の『ランボー・怒りの脱出』のレビューでちょうど300本目記念だったんですよね。だったら別の作品選んでいたのに。スタローン許さない。
満足!
銀行員こそが守銭奴。
誘惑と欲と人間不審。
映画としては完璧な筋書き。嫌いな人は間違いなくいない。
ただ、そんな筋を面白くするのもつまらなくするのも演出。アベサダの脛に傷のある銀行員でありながも飄々とした振る舞いが、映画全体を支配。並々ならぬ俳優が名前を連ねる中、凌駕するわけでもなく、しっかりと絡みつく演技には、マジでスゴイわ。
人は狡くなければ生きていけない
⭐︎3.6 / 5.0
大事なのですね。金銭的には身ぎれいでいることは。
<映画のことば>
不正のカネっていうのはね、一度手を染めちまったら、いつまでも自分について回る。
返しても、ダメなんだ。
<映画のことば>
私はかつてギャンブルのために、カネのために魂を売り渡した。
でも(あなたのお陰で)その魂を取り戻すチャンスをもらったんです。
ひとりの人間に戻る最後のチャンスをね。
もう後悔はしない。
金融機関というと、とかくに「晴れた日に傘を貸して、雨が降ると、すぐに取り上げる」(企業の業績が好調な時は、さして必要もない資金を貸し込もうとするくせに、本当に資金が必要な窮地に陥ると、たちまち貸し剥がしに出る)という悪評がありがちですけれども。
しかし、金融機関は、いわば、他人のお金を扱う仕事-。
それだけに、扱っているモノが「お金」だと思わないようにしないと、怖くて扱えないという趣旨の話を聞いたことがあります。
そういう意味では、そもそもが「張りつめた職場」なのだろうと思います。
否むしろ、それだけに、いったん転落してしまうと、立ち直るのが難しく、致命傷になりやすいのかも知れません。
加えて、お金の問題は、多くは本作のように、いわば「つけ込まれる」形で、弱いところにしわ寄せが来るので、その点、タチが悪いとも言えそうです。
そういう雰囲気でもあろう金融機関という仕事の「厳しさ」「危うさ」みたいなことを描き切っている点ては、成功していたのではないかと思います。評論子は。
そして、世上「悪銭身に付かず」という言葉もあるところです。
本作を観て、改めて人は(金銭的にも)身ぎれいに暮らしていくことの大切さに改めて思いが至ったという点では、佳作と評しておいて、良いのではないかと思います。評論子は。
(追記)
たとえ経済的には不自由をしていたとしても(金銭面では)身ぎれいにしていることか、何よりの「護身術」なのかも知れません。
ひと頃は「民間企業に対する検査」という仕事についていたこともある評論子には(少しばかり?)その雰囲気が分かるようにも思います。
食事を出されると困るので、検査に着手する時間帯にも気を遣いますし、長引いて食事の時間帯にかかる時は、あらかじめ弁当を買っておいて、食事を提供されてしまう前に「食事は持ってきていますから」と断って公用車の中で、コンビニ弁当で食事を済ませたことも、一度や二度ではなかったと記憶しています。あるときは、いきなりお寿司の出前を出されてしまったので、「検査という仕事に携わる者として、上司からも厳しく指導されていますので。」といい訳をして、逃げるようにして外に停めてあった公用車に戻ったこともありました。
本作の長原行員のような「後ろめたさ」を感じることなく、次期以降の検査も臆することなく執行できたのも、あのとき、あのお寿司の出前を食べなかったことが大きかったのだろうと、本作を観て思い出した評論子でもありました。
(追記)
<映画のことば>
基本は、性善説。
やられたら、倍返し。
ドロボーから盗むのはドロボーか、という議論がありますけれども(結果としてドロボーになることは、この際、さておくとして)、まぁ、いいんじゃあないんですか。
今回の場合は。
西木係長だって、遊ぶカネなどの「泡銭(あぶくせん)」でこしらえた借金でもなかったわけですから。
(追記)
「現金その場限り」
つまり、現金は、その場でしか確認できないということなのですけれども。
現金を受け渡しする仕事をことがある方には、それにまつわる「苦い思い出」として、身に滲(し)む言葉ではないでしょうか。
(追記)
「やってないなら、もう泣くな。
胸を張ってろ。」
「見てのとおりです。
彼女は、やってません。
これは、何かの間違いでしょう。」
こう言える上司は、素敵だなぁと思います。
かつて評論子の上司にも、一人だけいましたことを、思い出しました。上掲の映画のことばに接して。
(涙が出そうにもなりました。当時も。本作を観たときも。)
「彼がやらなかったのは、俺がきちんと指示をしなかったからだ。だから、やらなかった彼を責めるな。責めるなら、きちんと指示をしなかった俺を責めろ。」
評論子が人の上に立って、必要が生じたとき、そう言い切れたでしょうか。
幸いに、そういう局面に追い込まれたことはなかったのですけれども。
正直に言って、評論子もとっさに断言できたかどうか、心許ない限りです。(汗)
(追記)
別作品『アキラとあきら』のレビューにも少し書いたとおり、亡父は、評論子も金融機関に就職させたかったようなのですけれども。
しかし、それを蹴って別の仕事に就いた評論子は、それゆえ、まかり間違っていたら、本作と同じく金融機関に勤めていたかも知れません。
そう思うと市中銀行という本作の舞台設定には、観ていて、不思議な感じがしないでもありませんでした。
評論子には。
反対に、モノホンの金融マンのレビュアーは、どう観ていたでしょうか。本作を。とても、とても、とても気になります。
(追記)
<映画のことば>
勝負は、下駄をはくまでは分からんぞ。
何事にも、べったりと安心しきってしまうのではなく、常に、この心がけを忘れないようにしたいものです。
北川行員のセリフではありませんが「かけがえのない人生を、精一杯に生きるために」は。
(追記)
総じて、良かったと思います。本作での阿部サダヲのキャラクターが。
本作は、彼のキャラクターでもっていたと評しても過言でないと思います。
上からは抑えられ、下からは突き上げられるという係長は、彼のようなキャラクターでなければ、保(も)たないのかも知れません。
(彼のようなキャラクターであれば、下から突き上げられることもなさそうではありますけれども。)
(追記)
本作の題名についでですが、本作の東京第一銀行の行員たちには、特に金銭的に、シャイロックのように強欲という様子は見受けられませんでしたし、その点で、どこが(強欲な)シャイロックの子孫のようだというのか、今一つピンと来なかったので、本作の題名には、いささか「?」を感じながらの鑑賞になりました。
(その意味では、冒頭、せっかく「ヴェニスの商人」の裁判シーンが挿入されていた意味も、あまり活かされていたようには思われませんでした。評論子には。)
しかし、「強欲」を「お金に振り回される」と置き換えて考えると、本作で描かれているような「狂騒曲」も、理解できない訳でもないと、思い直すことができました。
もともとのシャイロックの「強欲さ」にしろ、けっきょくは「お金に振り回されていただけ」と考えれば、その強欲さも、理解(決して「共感」ではありませんけれども)ができない訳ではないとも、評論子も、思うことができそうです。
的確なレビューで、評論子にそのことを気付かせてくださったゆり。さんに感謝して、末尾ながらハンドルネームを記して、お礼に代えたいと思います。
危ない場面ばかり、でもホントだろ
帯封って一度でいいから切ってみたい
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