シャイロックの子供たちのレビュー・感想・評価
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みんな負け
2023年劇場鑑賞39本目。
池井戸潤原作の作品は基本的に好きなんだけど、やはり福澤克雄監督が作る池井戸潤作品がスカッとするのであって、他の人が監督するとそこまでスカッとしないのがいつものパターン。
先日上映されたアキラとあきらは全員勝者という感じでそれはそれであまりスカッとはしないのですが、今回はほぼ全員敗者という感じでさらにスカッとしない感じでした。ネタバレなしだとここが限界ですかね〜。
エンタメに振り切る前の作品
水戸黄門スタイルが多い池井戸潤さんの作品だけど、本作はそこまでいってなかったかな。
観終わって爽快という感じとちょっと違うんだよね。「人生いろいろあるけど、生きてこうよ」みたいな感じになる。
阿部サダヲと柄本明は演技うまいね。二人の演技だけで笑いが起きてた。
池井戸作品に外れなし
池井戸潤さんの作品なので、期待大で鑑賞。
評判通り最後まで楽しめた。
登場人物のキャラ設定が見事で、展開早く面白かった。
二時間で無理矢理詰め込んだ感が少しあり、尻つぼみなところもあったが、映画としてはうまくまとまっていると思います。
ほとんどドキュメンタリー‼️❓
原作がほぼ事実らしい。
池井戸潤の原作映画を含めて古今東西、ほぼ事実の経済、金融映画に出逢えることは皆無、これが最初。
誇張なく、粉飾無く、事実そのまま、微に入り細に入り、リアリティの真髄が観れる。
多分、三菱銀行だけで無く拾い集めた事象だろうが、いろんな闇が、事実の闇が観れる、最高の勉強材料だ。
結末も爽やかだ、事実なのでなおさらだ。
ギャンブルと連帯保証人はやめよう、心に誓う。
社会人なら是非。
池井戸潤映画にハズレ無し❗️札束を目の前にした時、人はどうなるのか考えさせられる力作❗️
面白かった!
池井戸潤作品のおはこである
銀行を舞台にした
「金融群像劇エンターテインメント」
ミステリー的な要素もありながら
主人公阿部サダヲ扮する西木課長代理の
コミカルな演技で
バランスの取れた演出になっていて
最後まで程良い緊張感で鑑賞出来た。
登場人物のほとんどが
何らかの金銭トラブルを抱えている。
喉から手が出るほど
お金を必要としている。
その描写がとてもリアルで
役者さん達の演技は迫真に迫っていた。
一部の登場人物を除いて
ほとんどが善良な人々に見える
家に帰れば
良き父親であり良き夫である。
しかし一瞬魔が刺す事で
人生の歯車が狂っていく。
単なる勧善懲悪な映画ではない。
全ての人にとって生活する上で
必ず必要な物が「お金」である。
物価が急激に上がっている昨今
そのお金と
どのように向き合っていくのか。
お金が全てでは無い。
しかしお金が無いと生きていけない。
お金とは何とも厄介な代物だ。
登場人物達は
様々な人生の選択をしていく。
正解など誰にも分からない。
自分の信じた道をいくしかない。
喉から手が出るほど
お金を必要としている時
札束を目の前にしたら
人はどうなるのか?
本当の戦いは人ではなく自分自身
観終わった後
そう感じたのは自分だけだろうか。
見応えのある力作でした!
是非とも劇場で!
浅はかな銀行員の話
脚本が悪すぎて、銀行員ならそんな事しないだろう、すぐバレるのに、、、と早々に感じて、見る気を失った。
大どんでん返しを期待したいたが、何もなく。仕返しも大した事ないという感じで、ガッカリです。
ドラマなら…
とりあえず言えるの、
池井戸シリーズで1番雑な気がします
伏線の為だとは思いますが思わせぶりスタート
そして突如として名探偵ぶりを発揮する阿部サダヲ
展開に時間を取れないからなのか雑さを強く感じました
兎に角、ご都合な展開で急に進ませるので
ハラハラもしない
今までの池井戸シリーズが勧善懲悪だっただけに
ん? という感じとキャスティングの悪さで
どのキャラもどうなんだろう? という感じです
劇場値段ではコスパが悪いかなと感じます
配信とかドラマなら…
明日会社に銀行の融資担当が来ます
ちょうど
明日、会社に銀行の融資担当が来るんですが
ちょっと強気に
うちはどこでも借りてください
って言ってくるから
などと
駆け引きしてみようかな(笑)
銀行の内幕がよく分かる
面白い映画でした
面白いがスケールは小さい
本作は銀行支店の100万円が消えた事件がおこり
それが10億円の不良債権問題につながってくる
全体的に面白いし、終盤に倍返しっぽいこともするが
相手のスケールが小さい感じがする
お金に関しての人間の心理描写は個人的にはよかった
滝野が家族のために仕事で成功しようとして
不正に手を染めるのはリアルだと思った
本作の不正事件の背景には
支店長と社長が結託している描写があるが
パワハラ上司のほうは本当にタダのパワハラ上司だったようだ
支店長と社長に倍返しをするために
耐震偽装をされている物件を高値を売りつけるシーンはよかったが
地味な感じがするのでそこまでカタルシスはないように感じる
精神的にノイローゼになった銀行員は可哀想だと思ったし
その人のその後のことについてはあまり語られなかった
耐震偽装をした建築士が自首しようとするシーンは
なんかコメディっぽいと思った
この映画で競馬に勝った人も負けた人も
結局は銀行を去らないといけなくなったのは
「カネはただ返せばいいものではない」という言葉を体現しているな
独特のスピード感と、程よい笑い。芸達者がそろい、ほどよくミックスして楽しまてくれました。
映画『シャイロックの子供たち』作品レビュー
累計発行部数60万部を突破した池井戸潤による小説「シャイロックの子供たち」(文春文庫)。池井戸が「ぼくの小説の汲き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言し、原点にして最高峰とも言える原作が、満を持して初映画化された作品です。
映画は小説ともドラマとも展開が異なり、独自のキャラクターが登場する、脚本のツバキミチオによる完全オリジナルストーリー。
冒頭で、主人公の勤務先の東京第一銀行が協賛する『ベニスの商人』のヤマ場となるシーンが描かれます・
悪徳金貸しのシャイロックはバサーニオから頑として金を受け取らず、裁判に訴え、契約通りアントーニオの肉1ポンドを要求する
ポーシャは肉を切り取っても良いという判決を下す。 「肉は切り取っても良いが、契約書にない血を1滴でも流せば、契約違反として全財産を没収する」。シャイロックは、仕方なく肉を切り取る事を諦めたのでした。
勝者も敗者もいないこの群像劇は一体どこに向かうのか。本作のテーマを暗示する冒頭シーンでした。
そしてつぎに登場するプロローグが、東京第一銀行に勤務する黒田道春(佐々木蔵之介)が、休日の馬券の資金として、現金預金機から札束を盗み出し、月曜日の朝札束を戻そうとしたとき、札束の帯府を落としてしまうのです。それがまさか10年後にある人物から脅される材料になるとは、当時の黒田には予想も出来ませんでした。
別件でも発生してしまう札束が消えて、帯府だけ残されてしまう事件。札束の帯府が本作の重要なキーアイティムとなっていくのです。
舞台となるのは、メガバンクである東京第一銀行の大田区にある長原支店。業績が伸び悩む支店にあって、牽引車となっていたのが課長代理の滝野真(佐藤隆太)でした。滝野は前任の赤坂支店からの顧客である赤坂リアルターの石本浩一という不動産会社の社長からの口利きで江島工業という宅地開発会社からの10億円の融資を受けて、支店で業績トップとなり、支店長から表彰をうけるのです。
ところが支店の田端洋司(玉森裕太)と北川愛理(上戸彩)が、たまたま江島工業の社長の自宅の住所を訪ねてみると、そこには全くの別人が住んでいたのでした。
実は、赤坂支店で石本を担当した滝野は、1000万円の裏金を受け取って以来、悪魔に魂を売り続けていたのです。
石本は、実質的に破綻し社長が失踪してしまった江島工業という会社の社長になりすまし融資を受けることを滝野に提案したのでした。石本が大口の不動産取引で5億円が入った時点で返済するつもりでいたが、その取引は流れてしまって、融資した10億円の返済の見込みが立たなくなっていたのです。
滝野は、不正融資が露見することを恐れて、1回目の利払いを建て替えるために銀行の金lOO万円を横領します。現金欠損の犯人と疑われたのは田端と北川でした。ふたりの上司である課長代理の西木雅博(阿部サダヲ)は、真犯人捜しに乗り出すのでした。
同じ池井戸作品の映画化で、「アキラとあきら」の三木孝浩監督と本作の本木克英監督を比べてみると、本作の方がテンポが速く展開であると感じられることでしょう。
場面展開のテンポの良さこそ本木監督の持ち味で『超高速!参勤交代』でいかなく発揮されました。本作でも銀行業務の裏側と不正融資の経緯を説明臭く感じさせずに見せる導入が鮮やかです。西木らの独自の調査が進むにつれて、不正融資がさらに大きな腐敗と結びついていく展開も飽きさせず、前半は快調に飛ばします。
ただ次第に、次々と証拠を見つけ巨悪に近づく西木のスーパー行員ぶりが突出していきます。この辺は話が広がりすぎて、伏線の回収に忙しくなったキライはあります。但し別な言い方をすれば、何気なく登場するエピソードや事件が単純に起こるべくして起こるのではなく、そうせざるを得なくなった複雑な背景がキチンと押さえられていくということです。大きく破綻しなかったのは、さすが本木監督といいたいです。
そして真相を突き止める西木もまた滝野同様に、悪魔に魂を売る展開が意外でした。シャイロックの子供たちは、みんな等しく金に目が眩むのです。ただし最後に西木がどんな決断をしたのか、ぜひ事後談としてのエピローグを見届けてください。
本作は、社会派というわけでもなく、コメディーというほどでも、人の弱みにつけ込むというほどエグい展開でもなく、人を欺くコングームというほど振り切っているわけでもありません。しかし芸達者がそろい、ほどよくミックスして楽しまてくれました。
目の前に金……貴方ならどうする?
魔が差す時がある。
それは、誰にでも。
「忍耐」
「人生に消しゴムは無い」
「基本は性善説を信じる。やられた時は倍返し」
リアルさのバランスを保つ
微妙なところとは思いましたが笑
エンタメとしては楽しめました。
水清まば、吾が纓を濯ふべし。水濁らば、吾が足を濯ふべし。
〔ヴェニスの商人〕に登場する『シャイロック』は
本分である金貸しを忠実に履行しただけなのに、
何故に世間からこうも指弾されるのか。
本作の中でも提起される疑念も、とりわけ西欧では
キリスト教的な倫理観の問題、
ユダヤ人への偏見の問題
等が絡んで来るよう。
大金を貸すのに担保の提供は必須で、
それが人肉1ポンドであることによるハレーションは、
物語りを盛り上げるための単なる仕掛けで、
現実にそんなものを貰っても困るだけ。
翻ってイマイマの当該業界。
以前の金利ビジネスから手数料ビジネスにモデルが変化、
それ故に行員達の負担も増すだろうが、
皺寄せは利用する側にも。
昔は口座新設の時に勧められたのは定期預金だったのに、
最近では金融商品となり、あまつさえ
それが強引な勧誘に繋がるケースも。
毎月もノルマ達成が厳しい「東京第一銀行 長原支店」。
部下を叱責する副支店長の怒声が今日も飛ぶ。
支店長の『九条(柳葉敏郎)』はどっしり構えている様にも見え、
実際の腹の内は判らない。
そんな中、「赤坂支店」から移動して来て間もない『滝野(佐藤隆太)』が
十億円融資の稟議を出す。
観ている側からすれば、如何にも胡散臭そうに思える案件も、
成果を上げたい上層部は審査もそこそこに当該融資を裁可。
しかし程なく、金利の支払いも滞るように。
それから暫らくし、支店内で百万円の紛失が発生、
女子行員の『北川(上戸彩)』が疑われるが
上司の『西木(阿部サダヲ)』の機転で難を逃れる。
が、以降、この二つの事件は綿密に絡み合い、
大きなうねりとなって支店を混乱に陥れる。
人は皆、様々な二面性を持つことは、誰もが知って感じていること。
内と外であれば比較的ありがちも、
表と裏、或いは善悪ともなれば、
その大きさにより波及する影響は様々。
もっとも、今までの人との付き合いの中で
(自分に限ったことではあるも)100%の善人を見たことはなく
誰もがなにかしらの裏の側面を持っているのは当然にも思え。
とは言え本作では、主要な登場人物の殆どが裏の側面、それも
お金絡みの負の顔を見せるのは特徴的。
『池井戸潤』の小説やそれを原作とした映画にはそれなりに触れているつもりだが、
これほど片寄った作品は記憶になし。
多くの人達がお金に振り回され出処を誤る、後ろめたさを感じながらも。
ただその一方で、不法を犯すことに良心の呵責を感じない人間も複数存在し、
それが天誅の対象となるのは、何時も通りの『池井戸』節ではあるのだが。
語り口はテンポよく、起承転結の流れもスムース。
驚きの伏線回収も仕込まれ、起伏の造り方が上手い。
判り易いキャラクターづけも奏功。
とりわけ、多くの人物が道に惑う中、
唯一ブレない姿勢を見せるのが、
先に疑いの目を向けられた『北川』だけとの設定は何とも皮肉。
透明感のある『上戸彩』の佇まいに
不思議なほど合った役どころ。
WOWOW版と一味違う形に出来ていていい
池井戸潤の小説が原作が本作品で以前にWOWOWで放映されていたものの映画版・・・
去年「あきらとアキラ」が映画化としてよく出来ていたので、本作品も見に行ってきました。
WOWOWのドラマがよく出来ているので、映画の方はどうかと思いましたし、WOWOWの方が井之原快彦で、映画の方は阿部サダヲで、何ともキャラクターの違う主人公と思っていましたが、映画の方も大変に良かった。
「空飛ぶタイヤ」では、WOWOWドラマの方が良く出来ていて映画の方がダイジェスト版と言うイメージがぬぐいきれませんでしたし、WOWOWドラマで重要な部分が時間の関係上抜けていたりして正直がっかりした印象でした。
「あきらとアキラ」本作品「シャイロックの子供たち」も大変によく出来てしました。
特に本作品は、WOWOWドラマと少々味付けと言うかスパイス感が違うところがあり、改めて「シャイロックの子供たち」映画版として楽しめる作りなっていました。
池井戸潤さんの作品は本当にしっかり取材と言うか調べて作られていて、契約のシーンや銀行の内部のシーンなどとてもリアル感があり中小企業に携わる私にも大変に楽しめる。
WOWOWも松竹も是非今後も池井戸潤の作品をドラマ化して欲しいな・・・・
邦画として今年お勧めの1本!
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