グッバイ・クルエル・ワールドのレビュー・感想・評価
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強盗団の話かと思いきや
バイオレンス要素全開なのに、淡々と話が進んでいったという感じです。
すごい役者さん揃いですが、淡々としています。だからといって、中弛みする訳ではなく…そこは役者さんのチカラですかね。
強いて言えば、「居場所のなさ(つるんでいても孤独)」とか「若者がコマの様に扱われてる現代社会」そして「社会の中で吸い上げるものはずっと吸い上げる側で、吸い上げられるものはずっと吸い上げられる側」という様な事が言いたかったのかなと深読みしてみる。
余り劇中のここがおかしいとか言いたくないけれど、初めて銃を持った若者があんなに淡々と人を殺せるのかというのはちょっと感じたけれど、余計な説明的なものが入ると間伸びした感じになるかも。
なんでしょう…
ドキハラワクはないが一人の演技で加点
ヤクザの金を強盗する話ではなくて、強盗した後の話。斎藤工のいかれっぷりがいいし、大森南朋や玉城ティナ、奥田瑛二なんかも安定の演技だった。何よりも元ヤクザの飯田を演じた奥野瑛太が素晴らしかった。居酒屋で酔っていろいろと自慢気に語る姿なんか、とても嫌な気持ちにさせる迫力ある名演技だった。
でも、全体的に迫力不足。ドキドキしたりハラハラしたりワクワクすることがほとんどなかった。この手のクライムサスペンスって、そこが肝なのに!後半の展開もかなりの不満が残るもの。あんな状態でそんなに長い距離を移動できる?最後にスッキリ終わるわけでもないし。行き場のないモヤモヤした感情が残ってしまった。これが監督の狙いなのか?殺しのシーンだけはそれなりの迫力を出していたが、其れだけで押し切ることができるほど甘くはない。
奥野瑛太の演技だけでプラス1にしたが、少し残念な映画だった。
居場所のない者たち
登場人物に誰一人として共感できなかった。
それぞれが寄る辺がない状況というのは分かる。
が、そこに到る経緯が描かれていない、あるいは台詞のみのため実像感がない。
そんな記号たちが殺し合いをしてても何も感じることができませんでした。
ショットガンの反動がなさすぎたり、弾の詰替が手慣れすぎてたり、命中率が良すぎたり、覆面取るの早すぎたり、ガソリン撒いたとこでライターやら拳銃やら使ったり。
画作りばかり優先してしまった印象でツッコミ所も多い。
「互いに素性も知らない」「裏切り者は、誰だ」などの意味深な煽りも、ストーリーラインに活かされていない。
最後の銃声が一発だったが、西島サイドにも拳銃があり、誰が誰を撃ったのか。
・・・というのも、正直どうでもいい。
90分くらいでスピード感重視でつくるか、人物をしっかり描くかしてほしかった。
深みのない狂気には惹かれない。
いつかギラギラする日
東映セントラルフィルムのような犯罪映画?
もっとテンポよく、お洒落(スタイリッシュ)にすれば面白かったろうに。
西島秀俊はもとヤクザに見えないし。(奥野瑛太は見えすぎてたけど)
撃たれても刺されてもなかなか死なないのに、鶴見慎吾だけはすぐ死んじゃうし。
斎藤工(悪役いいな)はマスクして顔隠してるけどあんなに目立つ刺青隠してないし。
劇中曲の入れ方や、そもそも選曲にセンスないし。(ブレットトレインのヒーローなんか涙が出るほどかっこよかったよ)
最後のカリフォルニア・ドリーミングは、なんで?って感じだし。
ヤクザから足を洗ってただ静かに暮らしたいって、強盗してる奴に同情できないし。
それぞれにバックグラウンドが描かれてるけど、感情移入できないし。
逆にもっとドライに描いた方が悲しさが増したんじゃないかな。
期待が大きかったからいろいろ不満はあるけど、こういった昔の東映セントラルフィルムによくあった犯罪映画好きだな。
同じ仲間割れ(仲間じゃないか)なら、直前に観たファン・ジョンミンの誘拐犯たちのがよかったな。
ポンポさんみたいなプロデューサーがいて、90分くらいに編集してくれてたら傑作になってたかも。
いくらなんでも90年代ノリが過ぎるぞ!!
特に最後の方は90年代ノリが過ぎるというか、訳が分からない=オシャレという図式も昔あったなーと。
今は2022年ですし、90年代をちょっと背伸びしながら過ごした世代としてはあんまり新鮮味がないというか、過去の遺物として見てしまう面がどうしてもありました。
とはいえ、どうしようもない駄作という訳でもなく、役者は豪華ですし観る価値がないこともないとは思います。まぁ好きな役者が出演してるという方は観ても後悔はないんじゃないでしょうか。
個人的には奥野瑛太(僕らのマイティ)は超ハマり役でニヤニヤしちゃう感じでした。
ちょっと飛躍しちゃいますが、是枝監督みたいに韓国で撮って、ダークノワールとして昇華するというアプローチも面白かったんじゃないのかなと変な妄想もしてしまいました。
優秀な人材は揃っていたが…
期待せずに見たけれど…⭐︎
期待せずに見た方が良いみたいなコメントもあったので、そう言い聞かせての鑑賞だったが、うーん…。
正直、最終から最後まで殺してた感じ。
物語自体が、ヤクザのマネロンの現場に乗り込んで、現金強奪という筋書きで、それに参加したメンバーの
仲間うちの騙し合いや果ては殺し合い。
それぞれの境遇がもちろんバックグラウンドにあり、それを絡ませながらの物語の進行だが、どうも
薄っぺらく感じてしまった。
見終わってからも、ずーっとドンパチして どんどん人が死んで行き何なん??
ラストシーンの西島秀俊と大森南朋が瀕死で笑うのも、どうしてここに二人居る??
疑問符が数多く湧く。
ただ、これだけ良い役者さんを揃えたので⭐︎1。
宮沢氷魚と玉城ティナの「ボニー&クライド」に⭐︎0.5。
日曜日の午後の映画館だったが、席はまばら尚且つほとんどが
男性の方ばかりだった。
大森監督のバイオレンス
とりあえず最初から最後まで目が離せない展開でした。
お金を稼ぐって、まっとうに生きても裏社会でもどちらにしてもそう簡単でないですね。
「日々是好日」「マザー」「星の子」など大森監督の映画は好きな作品が多いのですが、なるほど大森監督かバイオレンス映画を撮るとこんな感じになるのですね。大森監督のバイオレンス映画はちょっと期待を下回りました。
ところで山梨県って海がないのに、山梨にいたはずの主人公がケガをしているのにどうやって海にたどり着いたんだろう?
スタイリッシュな映像のせいで、殺伐とした暴力世界がクールな仮構世界のようにも映ってしまいドラマ性を薄めてしまいました。
カタギの世界に戻ったのに、過去に縛られている元ヤクザの安西幹也(西島秀俊)。弱みを握られ、ヤクザの手先となっていた刑事の蜂谷一夫(大森南朋)。主人公の2人だけでなく、彼らの周りには強盗団のボス格であり、県知事の元秘書で左翼崩れの浜田(三浦友和)、ヤクザ組織「杉山興行」の手先となって強盗団の正体を突き詰めようとするラブホテルの従業員矢野大輝(宮沢氷魚)とそのラブホテルによく出入りしていた風俗嬢坂口美流(元は強盗団の一味、玉城ティナ)ら、命知らずの男女たちが、行き場を失ってうごめいていました。
クルーエル・ワールド(無慈悲な世界)にさよならしたくても、できない連中ばかりが登場するのです。
ヤクザの資金洗浄現場が、全員が互いに素性を明かさない謎の強盗団によって襲撃を受けて、1億円に使い大金の奪取に成功します。その後資金を奪われたヤクザ組織「杉山興行」のトップの杉山(奥田瑛二)は、子飼いの刑事の蜂谷を呼びつけて、犯人探しが始まります。捜査能力の優れた蜂谷によって、強盗団一味の素性が少しずつ判明し、メンバーたちは次第にヤクザに追われるようになっていきます。それぞれの日常が一変していくのでした。
バイオレンスに徹した流血シーンの描写は過激そのものです。誰もが容赦なく暴力をふるい、ひりひりとした痛みがスクリーンから伝わってきました。ただ、スタイリッシュな映像のせいで、殺伐とした暴力世界がクールな仮構世界のようにも映ってしまうのです。バイオレンスを描く大森立嗣監督の映像センスがいいとは思います。ただ問題は、本作がもし浮き彫りにしたかったテーマが「現代の日本の生きづらさ」であるとしたら、掘り下げ方が弱いと思います。それは『すばらしき世界』や『ヤクザと家族 The Family』と比較すれば、主人公の追い込まれ具合が中途半端で、前途した2作品ほどに「生きづらさ」を感じさせません。むしろ資金を強奪して、ウハウハになっているはずなのにです。
元ヤクザの安西にしても、刑事の峰村にしてもメインのキャラクターは、全員が組織や社会に切り捨てられ、行き場所も居場所も失った人たちです。
組の為に全てを注ぎ、最後は厄介者となった安西と、手柄の為にヤクザと繋がりを持ち、警察に居場所が無くなった蜂谷は、最初から通じるものがあったのかもしれません。お互いを利用し出し抜くのではなく、支え合って生きていくことへの憧れを感じます。
安西と峰村という立場が真逆な関係であっても、「生きづらい日本」という共通の目線を通じて、最後に意気投合するという設定にしたかったのであれば、もう少しふたりの距離感を軸にして描くべきでした。
さらに本作には影の主役が存在します。
それは元秘書の浜田です。本作の冒頭、裏金の強奪場面で、ずっと浜田がブツブツ言っている日本への愚痴は、実は本作のテーマに通じる部分ですので、聞き逃さないで下さい。あのブツブツは大森監督ご自身が全共闘世代の生き残りで、作品を通じてホンネをぶつけているのかもしれません。浜田は監督の分身的存在なのでしょう。三浦友和演じる浜田のグダグダした感じは最高です。
洋の東西を問わず、様々なバイオレンス映画がごった煮のようになった印象の本作。サム・ペキンパー、クエンティン・タランティーノ、北野武、石井隆etc。元ヤクザの葛藤は東映の往侠映画風でしょうか。その作品群が独自の映像感覚を通し、暴力に及ぶ人間の愚かさ、悲しみ、怒りを描いたように、少々小ぶりとはいえ、本作も一筋縄ではいかない映画になっています。
それにしてもホンモノの石油スタンドに放火したシーンは、実際にその場所を借りて、リアルに炎を上げて撮影したそうです。現場に居合わせた宮沢氷魚もこれにはビックリ。この現場では炎の熱さだったり、血糊の感触だったり、肌で感じるものがとても多くてそういう意味でも、強烈にインパクトが残る作品になったそうです。
隅々まで豪華。
その場限りの即席強盗団に裏金を盗まれたヤクザ達が、復讐のため一人一人の足取りを掴んで追い詰めてゆくってお話。難しい展開もなく、乱れ撃ちのガンアクションと程よきグロと、爆発と狂気でテンポも良く観やすかったです。登場人物が次々と処刑されてゆくので次は誰が誰にやられるのかとかそんな感じです。
もう今作はとにかく豪華なキャスティングで、そこを楽しむってことでいいと思います。その最たる配役が三浦友和演じる浜田の舎弟たちで、今後の日本映画界を担ってゆく若手3人が名もなき捨て駒のチンピラを熱演しています。そして強烈スパイスをぶちこんだ奥野瑛太。相変わらずの振り切れっぷりで最高、最狂でした。
最後の最後は、え?なんでここで会うん?日本狭ーって、なんかコントみたいな終わり方でした。
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