グッバイ・クルエル・ワールドのレビュー・感想・評価
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皆殺しの富野
2022年映画館鑑賞46作品目
9月19日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円
監督は『まほろ駅前多田便利軒』『ぼっちゃん』『まほろ駅前狂騒曲』『日日是好日』『タロウのバカ』『MOTHER マザー』『星の子』の大森立嗣
脚本は『婚前特急』『きみはいい子』『裏アカ』『まともじゃないのは君も一緒』『ボクたちはみんな大人になれなかった』『さがす』『死刑にいたる病』の高田亮
ラブホテルでマネーローダリングの真っ最中だった杉山興業の現場を叩いた強盗5人
まんまとうまくいったが杉山側の策略も手伝って5人は仲間割れ
なんやかんやで殺し合い全滅する話
強盗団で運転手の役割をしている武藤がド派手なアメ車を借りて運転するのが面白い
オープニング曲に使用されたボニー・ウォーマック の『What Is This』がとても良い
このメンバーの紅一点に玉城ティナはナイスキャスティング
この作品内容にハーフならではのバタくさい顔がよく似合う
『ちむどんどん』でヒロイン暢子の夫の和彦を演じていた宮沢氷魚が髪の毛を染め大胆にイメチェン
役者冥利に尽きるというかこっちの方がやりやすいのではないか
それにしても氷魚って真魚以上に変な名前
元ヤクザだという事がバレてしまい真っ当に生きようにもうまくいかない安西が可哀想で悲しい
宮脇と浜田の関係がもう少し描かれたら良かった
ミルが踊るシーンでチカチカするシーンがあるがその後チカチカがやたら長いのが頂けない
医学には詳しくないが癲癇患者には良くないのではないか
これは大きな減点対象
最後海辺をバックに柵にもたれて笑いあうオッサン2人のシーンが印象的
強盗団の一員で元ヤクザの安西幹也に西島秀俊
強盗団の一員で闇金業者の萩原政春に斎藤工
強盗団の一員でデリヘル嬢の坂口美流に玉城ティナ
強盗団の一員で萩原に借金がある元証券マンの武藤に宮川大輔
強盗団の一員で左翼崩れの元県知事秘書・浜田に三浦友和
ラブホテルの従業員で強盗団に情報を漏らした矢野大輝に宮沢氷魚
オガタから小遣いを貰い杉山興業に協力するマル暴刑事・蜂谷一夫に大森南朋
安西の妻で実家のこじんまりとしたホテル正田屋を継いだ安西みどりに片岡礼子
安西の元舎弟で正田屋の従業員になった飯島に奥野瑛太
杉山興行のトップ杉山に奥田瑛二
杉山興行の幹部・オガタに鶴見辰吾
知事選で4期連続当選を狙う現職知事・宮脇に螢雪次朗
浜田の手下に前田旺志郎
浜田の手下に若林時英
浜田の手下に青木柚
タイトルのcruelは日本語の「狂える」と掛けている?
世の中には吸い取る奴と吸い取られる奴の2種類しかいない!
5人組の素人強盗団という設定はどことなくコメディ映画にありそうだから、笑えると思ってたのに・・・バイオレンス多過ぎ!シリアスすぎる!この辺りが『ヘルドッグス』や『ブレットトレイン』と違ったところ。
ただただ殺し合いの連続。全体的には復讐の連鎖といった感じで、暴対法以降の新しい悪党どもの行く末を描いたもの。その暴対法施行によってヤクザを辞めることになった安西(西島秀俊)を中心に、ヤクザ組織(奥田瑛二がボス)とヤクザに協力する蜂谷刑事(大森南朋)が敵対する構図だ。
半グレグループといった新しい勢力もヤクザの手下になっているだけで、無秩序になっただけで根本的には変わらないといった皮肉や、法律をかいくぐって荒稼ぎするマネーロンダリングや借金に苦しむ搾取される側の人間たちを痛烈に描いてると感じた。
左翼崩れという設定の浜田(三浦友和)が主人公の元ヤクザ安西よりもキャラが立っていた気もする。何かと政府や上流階級批判をするものの、知事の秘書なんてのを経験したためにすっかり落ちぶれている感もあった。人生最期に一旗揚げようとしたのだろうか、やはりここにも虚しさを感じる。
そんな強盗団の中でも際だっていたのが矢野(宮沢氷魚)とミル(玉城ティナ)の若者即席カップルだった。『パルプフィクション』や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』とか、古くは『俺たちに明日はない』などを連想させる無感情で暴走する若者なのです。
コンビニ店長の苦悩。どれだけロイヤルティ取られるんや!と、ついついコンビニ業界の不条理を感じさせ、元証券マンの借金漬け、元ヤクザの苦悩、無対策の格差社会など社会派要素も満載。俳優では奥野瑛太の凄みがとても良かった。
タイトル通り、、、
薄口のタランティーノ 薄口の毒
ついて来てないのか、置いてけぼりか
ジャンルが若干謎だけど、それでもお勧め。
今年272本目(合計547本目/今月(2022年9月度)15本目)。
この映画、公開前の映画館などでの予告編放映などではバイオレンス色を出していたと思うのですが、確かにそういうシーンもあるものの、クライムもの(犯罪もの=要は「お金」の話なので、刑法と民法の問題になる)だったりと、まぁ確かに「いろいろな味が楽しめる」というのはありますが、どちらかに統一はしてほしかったかなぁ…という印象です。
※ 逆に「クライムものだと思ったら逆にバイオレンスばかりだった」という方もいらっしゃるようです。つまり、どうにせよ「見方は多少違っていても軸は1本ではなかろう」ということです。
特に今週はガリレオシリーズなどあるので1週間遅れですが、選択肢としては対抗以下になっちゃうのかな…という気がします。ただ、この映画は他の方も書かれている通りゲストが豪華なので(玉城ティナさんの演技は良かったですね)、それ目当てではあるいは…というところです。
逆にいえばそのような事情(ゲストが豪華で、登場人物に応じて適切なゲストを割り当てている)ので、各(映画としての)登場人物が良い意味で「濃い」点は言えます。中には人不足なのか何なのか「なんでこの人充てたんだろう…」という映画もありますが、この映画に関してはそれはなかったです(特に玉城ティナの方の役は、彼女がぴったりでしょうね)。
やや行政法規の観点で気になった点はあるものの、クライムものであるという観点からすると減点されるのは当然であり、それで引くのはフェアではないので(クライムものが全部0点になってしまうとか珍妙になってしまう)、そこは減点なしにしました。
平穏な日常を得ることは難しいことよ
万人には無理でしょうね!?
窃盗後の話だったのか!
道が混んでて最初の5分くらいを見逃す。おそらく寄せ集めメンバーでラブホにて現金強奪をしたシーンがあったに違いない。
話はそこから。ヤクザのマネーロンダリング、ヤクザに買収されている刑事、ラブホのスタッフ、更生した!?元ヤクザ、元政治家秘書で落ちこぼれ、単なる借金まみれの男、それぞれの思惑が殺しの連鎖を生んでゆく。
話自体はとても分かりやすいし、どんどん登場人物が殺されていく。
誰が生き残るのかという視点でずっと見ていた。あーここで殺されるかーと思いきや生き延びたり、あれここで殺されちゃう!?と思ったり、展開が激しくてその点は楽しめた。
最後の2人と追いかけるチンピラのシーンでもう一段階どんでん返しがあればよかったなー。
グッバイ・シラケル・ムービー
つまらない。
ワクワクドキドキさせてくれるだろうと期待していたのだけど、ただ次々と無駄に人が死んでいくだけの、張りぼてのような中身のない映画で興ざめした。ストーリー展開やセリフに説得力がなく、稚拙だとさえ感じた。凄みを出そうとしているのだが、ほとんどそんなものは伝わってこなかった(残虐さや流血シーンを多用すれば凄みが出るというものではないという、いいお手本になっている)。『ブレット・トレイン』みたいに、開き直ったように大ウソをついてくれたら気持ちがいいのに、中途半端にリアルにこしらえているせいで、しょぼい仕上がりになってしまっている。
また、この映画の背骨であるはずの安西のキャラと彼の物語が、かえって全体のトーンから乖離して調和していないような印象も受けた。いっそのこと、ほかの要素をバッサリと切り捨てて、ヤクザの更生とその困難さというところを膨らませて撮ったほうが、よっぽど体幹のしっかりした見応えのある作品ができたのではないかと思ったりした(まあこの監督は、そんなもの撮りたくないのでしょうが)。
いずれにせよ、大森監督の求めている「凄み」や「カッコよさ」や「面白さ」は、僕とは相容れないものだということがわかりました。
せっかくの西島秀俊の出演がもったいないなぁ。残念です。
時間の無駄だった。べつに観なくてもよかった。
グッバイ・シラケル・ムービー👋
追記
あっ、奥野瑛太の演技にだけは「凄み」を感じました。
個性的なギャングたちの演技を、物語が支えていない
◉ 終わり方が情けない
瀕死の安西(西島秀隆)と蜂谷(大森南朋)が、海を見下ろす道路の防護壁に寄りかかって、こんな所に住みたかった、そうだなみたいな会話が交わされた。この映画のテーマが居場所のない奴らだったからでしょうが、やはり取って付けたようなセリフ。次の瞬間、光溢れる画面が消えて、銃声(何故か1発)が響いて終幕。
ならず者であっても、行く場所は結構、あったりするのです。でも、物語の終焉としては情けなさは隠しきれなかったと思います。そこまでのストーリーの中で、強奪犯とヤクザ癒着のデカの絡みなども、油っこく見せられたはず。
「グラスホッパー」の最後で、死んだ二人の殺し屋が車で何処かに旅立ったのとは違う。
◉観たいものを観られない
力技のアクションと残酷な裏切り・騙し合いを織り交ぜて、ヤクザ+警察VS強奪犯の殺し合いで進行すると思われた物語。しかし、ラブホに持ち込まれたマネーロンダリングの金が、ヤクザから奪われた後のストーリーは、いったん主犯格の男たちの日常に戻り、ノンストップの闘いにはならなかった。
安西は元ヤクザの素性を隠して、旅館の立て直しに努め、浜田は悪徳政治家の追い落としを目論む。萩原(斎藤工)は次の盗みへ。こうした展開自体には、コクみたいなものを感じたのです。矢を引き絞って次の展開に備える。でも、そうはならなかった。
世の中の悪いことだけ選り抜いて生きている萩原と、頑張るように見えても基本、盗んだ金が元金で、しかもまた強奪犯に手を染める安西と浜田。それにヤクザ幹部(鶴見慎吾)率いるチームがごった煮になって、ヤケッパチの闘いが始まると期待した私の気持ちを、どうしてくれる‼︎
◉シュールの重みを支えきれない
話は、ある局面からシュールな狂気に変質していく。矢野(宮沢氷魚)と美流(玉城ティナ)がシースルーのレインコートを着て、喫茶店に乗り込む。ここで客を皆殺しにしたシーンを転換点として、現実の殺しから、まるで若者二人の脳裏で繰り広げられているような殺しに変わったと、私は感じたのです。
見捨てられた二人は、萩原と相棒を撃ち抜き、回りを牽制しながら去った……のではなく、片っ端からショットガンで他の客をバリバリ殺りくした。後の報道のシーンで、ヤクザや犯罪者が集まる喫茶店でしたと説明が入ったものの、ガチなハードボイルドの筋書きは、ほとんど消滅してしまった。
更に、この二人の若者の怨念が引っ張るシュールな殺しが本来の狙いだったとしても、ディテールだけはしっかりと作って欲しかった。二人とも細身なんだから、ショットガンの反動に身体が震えたり、慣れていないのだから撃ち損なったりするシーンもないと、作り物感(そりゃあどうしようと、作り物ですが)ばかり。
宮沢さんも玉城さんも、吹っ切れた不思議な空気感を出せる演技者だと思うのですが、今回のアクションは空回りに感じました。
監督あるいはヤクザ・警察・強盗たちの身勝手に付き合わされた気持ちが拭えなかったです。ただ、奥野瑛太さん初めどのならず者も、一人一人の映像は圧力に満ちていました。それは間違いない。
思ってたのと違った…
事前情報ほぼなしで、クライムサスペンスだと思って鑑賞したので、予想外のバイオレンス描写にびっくりしました。あまりに多くの人が無惨に殺されていったので、鑑賞後の感想としては、おもしろいかどうかより、正直ちょっと疲れてしまいました。
ストーリーは、ヤクザのマネーロンダリング情報をつかんだ5人組の強盗集団が、まんまと大金をせしめたことを発端に、分け前が原因の仲違い、現金を奪われたヤクザの追撃、そのヤクザと繋がった悪徳刑事の暗躍等、大金をめぐって悪党たちが凄惨な殺人を繰り広げていくというもの。
序盤はスローテンポで何度か寝落ちしてしまいましたが、物語の進行にあわせてさまざまな人物の思惑が明らかになってくると、しだいにおもしろさが増してきます。特に、強盗たちに情報をリークした人間が明らかになったところで持ち直したように感じました。
また、ヤクザが足を洗ってもカタギにはなれない悲哀や苦悩、悪党どもの騙し合い、派手な銃撃アクション等も盛り込まれ、これらがうまく融合していれば、かなりおもしろい作品になったのではないかと思います。しかし、残念ながら全てが中途半端に感じてしまったのはもったいないところです。
居場所のないさまざまな人たちの群像劇としたことで、結果として誰にも感情移入できず、中途半端になったような気がします。そして、これがまた終盤の派手な銃撃戦との相性も悪くしてしまったように感じました。そのため、最後も何が言いたかったのかよくわかりませんでした。「ヤクザと家族」や「すばらしき世界」のように、中心人物の心情や変容にスポットを当てるような描き方をしていたら、また違った印象になったと思います。
出演は、西島秀俊さん、大森南朋さん、斎藤工さん、三浦友和さん、宮沢氷魚さん、鶴見辰吾さん等、なかなか豪華な顔ぶれです。大森南朋さんの悪徳刑事はよくハマっていたし、斎藤工さんのイっちゃった感じもすばらしかったです。脇を固める奥野瑛太さんのヤバい感じもリアルすぎて秀逸でした。逆に西島秀俊さんは、いい人オーラが出過ぎてヤクザ上がりに見えなかったのは少々残念でした。そんな強面たちを向こうに、堂々たる演技を披露した玉城ティナさんも、確かな存在感を放っていました。
世の中の搾取構造を痛烈に批判する社会派クライムサスペンス
タランティーノっぽいという前評判を聞いた上でこの映画を観に来ましたが、思ってたよりもタランティーノ要素は前面に出ていないように感じました。
たしかに、オープニングの現金強奪のシーンの編集とか選曲とかタイトルの出し方(字体は完全にパルプ・フィクション)はタランティーノっぽかった。
けれど、描かれてる物語自体はタランティーノっぽい明るくて笑えるような物語では決してなく、社会の底辺にいる人間がそこから這い上がるために命懸けの勝負を仕掛ける哀しいまでのクライムサスペンスだった。
まず、登場人物たちはそれぞれ色んな形で社会から搾取されていて、過去や周りの環境にがんじからめになっている。
例えば、西島秀俊演じる安西は旅館を経営してささやかな生活を送っているが元ヤクザという過去の呪縛から逃げ切ることが出来ていない。
奥野瑛太演じる元舎弟に強請られたり(奥野瑛太の現実に打ちのめされて自暴自棄になった人間の演技が凄まじかった)、商店街の仲間たちに元ヤクザということがバレて商売が出来なくなったりしてしまう。
他にも、玉城ティナ演じる援デリ嬢の美流は体を売る仕事から抜け出すことが出来ず、宮川大輔演じる美流の彼氏は投資会社をリストラされて作った借金で首が回らなくなっている。
そして、三浦友和演じる浜田はコンビニ経営をしていたがコンビニの運営会社に搾取をされた挙げ句に過労死で奥さんをなくしている。
人生の主導権を取り戻すために大金が必要な登場人物が多かったように感じます。
この映画の主題は明らかに、行き過ぎた資本主義が生み出した搾取構造に対する痛烈な批判だと思いました。
利用するだけ利用して用済みになったらポイ捨て。
人を良いように使って、得た利益は一切分配しない。
そんな搾取の構造がこの映画のなかでは何回も繰り返し描かれる。
そして搾取された側は搾取した側に復讐を試みるが、結局搾取をされてる人間同士で殺し合うだけで、最終的に搾取をする人間や搾取構造は一切ダメージを負っていない。
そんな虚しさすら感じるこの映画を観て、これはまさに今の日本で起きてることと全く同じだなと思いました。
強盗団の話かと思いきや
バイオレンス要素全開なのに、淡々と話が進んでいったという感じです。
すごい役者さん揃いですが、淡々としています。だからといって、中弛みする訳ではなく…そこは役者さんのチカラですかね。
強いて言えば、「居場所のなさ(つるんでいても孤独)」とか「若者がコマの様に扱われてる現代社会」そして「社会の中で吸い上げるものはずっと吸い上げる側で、吸い上げられるものはずっと吸い上げられる側」という様な事が言いたかったのかなと深読みしてみる。
余り劇中のここがおかしいとか言いたくないけれど、初めて銃を持った若者があんなに淡々と人を殺せるのかというのはちょっと感じたけれど、余計な説明的なものが入ると間伸びした感じになるかも。
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