劇場公開日 2022年9月9日

  • 予告編を見る

「綱渡りのストーリー展開!まさに深田晃司ワールドと言える。」LOVE LIFE caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5綱渡りのストーリー展開!まさに深田晃司ワールドと言える。

2022年9月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

小説や映画の脚本は実話を元にしたものもあるが、基本的には創作だ。
しかし、創作だから自由にできるかというと、人間には感情の動きがあるために、好き勝手にとはいかない。
その感情に繊細に触れたものは人を感動させ、触れられなかったものは見る人を映画館の中に置き去りにしてしまう。
深田晃司監督の脚本は綱渡りだ。
ごめんなさい、すみませんと言っては、感情にまかせた言葉を使い、ストーリーはあらぬ方向へと展開し、描く題材はとても少数派の、どちらかというと不幸を描く。
ドライブマイカーも韓国に飛んだが、この映画もなぜか韓国に飛ぶ。
義理の父親の「中古」や、義理の母親の「今度は本当の孫が見たい」というセリフは、なにかモデルがあるのだろうか。
日本人はあまりそういったことを面と向かって言わない。
ラストは夫婦で散歩に出た。二人で話す様子もなく、どちらかが前を歩き、どちらかが後ろを歩く。
その先には明るい未来はあるのだろうか。小さな器に、たくさんのものは乗らない。
脚本の中で作り上げた架空の人間たちは、架空の世界の中で本来の世界に帰っていくことだろう。
そして、幻のように消えていくのみだ。

#157

caduceus
琥珀糖さんのコメント
2023年11月10日

今日は。
お元気ですか。

なんとも不思議な映画でした。
でも綺麗事でない人生模様を感じました。
深田監督の脚本は綱渡り・・・
そうなんですね。
「よこがお」も観客の私は、右往左往。
たしかに「よこがお」筒井真理子もこの映画の木村文乃も、
人生の荒波に揉まれますね。
ラストには何故か満足感がありました。

琥珀糖