「深田監督だから、という期待」LOVE LIFE chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
深田監督だから、という期待
「淵に立つ」「よこがお」など高い評価を得た監督の作品だからこそ、選んで観る一観客としては、とても大きな期待をする このレビューを読んでいても、そういった大きな期待を抱いているからこそ、期待通りであれば「納得」の評である一方、そうでなければ「失望」がより大きくなっている
この作品の登場人物も、行政として社会福祉にかかわったり、ホームレス支援をしているというこの夫婦の「表の顔」は、誰しもが羨むものであっても、自宅に戻って夫婦となれば、お互いの目をみない、未成熟な家族であり、相互にわだかまりを抱いている そこに親だの、元夫だのが出てくることで、未成熟さがますます露呈してしまうこととなる そういった「見せかけの関係・家族」が露わになったときの恐ろしさは、前作にも共通していて、その「恐ろしさ」を心地よくも感じるのである
妙子を木村さんが演じることで、本来なら共感することのできない彼女の行動ですら、受け入れたくなる私自身が、「見せかけの関係」を毎日繕っているのであろう (9月22日 京都シネマにて鑑賞)
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