「素晴らしかった。あまりに暴力的なトラウマ事件。それに触らないように...」LOVE LIFE えみりさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった。あまりに暴力的なトラウマ事件。それに触らないように...
素晴らしかった。あまりに暴力的なトラウマ事件。それに触らないようにする人々。優しいとはいえ、本質的なところでは寄り添えない夫。地震の中でやりかけのオセロ盤を守る母。永山、木村の人選だけで、既に一定のキャラを想像させるうまさ。物語はほとんど何も説明しない。韓国人のろう者を好きになるキャラに背景がないとは思えないけど、わからない。本当に好きな人をボロボロになって探す彼女にひかれる設定や、猫が彼を選ぶこと、乗船前の彼の言葉など、至極のシナリオだと思う。さらには、オセロゲームが続いていることや、危篤は嘘で結婚式だったことや、義母が孫が部屋に戻るのを嫌がることとか、物語をはみ出る現実界の要素がリアルに散りばめられているところがすごい。風船の重なり、長いカラオケの歌の間でお風呂での事故の音がかき消されること、CDがキラキラして戯れる元夫婦たちを見つけさせること。焦る夫。部屋の中にCDの光がキラキラ入ること。そして極めつけは雨の中で踊る彼女。重すぎるトラウマを軽くするのはこのような騒ぎであり、雨である。20年ぶりに息子に会ったとする元夫。今まで生きてきてるので本当に自分ダメな奴だったのか、お金も借りておいて字もかけて、一人で結婚式に行けなかったのかはわからないけど。
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